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有田 浩一朗 副院長の独自取材記事

有田歯科医院

(北区/赤羽駅)

最終更新日:2019/09/11

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赤羽駅から徒歩2分の「有田歯科医院」。院内は広々として開放感にあふれ、2階にあるカウンセリングスペースは、木目素材が随所に使われくつろげる雰囲気だ。「私自身、高校生時代に歯列矯正治療を受けているため、患者さんの気持ちがとてもよくわかるんです」と語るのは、小児矯正を得意とする有田浩一朗副院長。明朗快活で、エネルギッシュな印象の有田先生に、同院が推奨する矯正法や診療ポリシーについて詳しく語ってもらった。
(取材日2015年4月14日)

顔の骨格へのアプローチで、健全な発育を促す

こちらは小児の矯正治療を多く手がけているそうですね。

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はい。当院では、矯正治療は単に歯並びを整えることにとどまらないという考えのもと、特に「顎顔面口腔育成」に力を入れています。近年、歯並びの良くない子が増えていますが、それは「歯が並ぶための環境」が整っていないお子さんが増えているから。ここでいう環境とは、口呼吸の具合や、舌の位置、咀嚼(そしゃく)筋の状態を指します。これらは永久歯が生える前に整っていることが非常に大切です。実際の治療では単に歯に装置を付けて歯並びを動かすだけでなく、より広い視点に立って口腔機能とその発育を考えていきます。その一つが顎顔面の骨へのアプローチです。

顎の骨を矯正するのですか?

そうです。顎顔面全体の骨の発育を生理的な方向へ促します。その効果が最もよく現れる時期は6〜8歳くらいで、成長期終盤に差しかかかるとアプローチが難しいのですが、小児のうちであれば、顔面の骨の発育をあるべき方向に導いていくことができます。ターゲットは中顔面(ちゅうがんめん)。ちょうど顔の真ん中部分、上顎や頬の骨のあたりですね。この部分の骨の発育を前方へ促すことで、顔の骨の発育がより水平方向に進みます。現代の子は、噛む力の不足などさまざまな要因で垂直方向に発育が進んでしまい、面長でほっそり、のっぺりとした顔立ちになる傾向にあります。すると口の中に十分な奥行きがないために、舌が下がって気道が圧迫され、呼吸に悪い影響を及ぼしてしまうのです。

従来の歯列矯正とは何が違うのでしょう。

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従来の矯正方法と最も異なる点は、「軟組織に着目した治療」ということです。軟組織とはつまり、舌や筋肉といった、歯の並びに関係する顎骨形成の方向性を決めるもの。歯並びは、噛む力の不足、咬筋の筋力低下、顎の骨の変化、歯列への影響という順を追って悪くなっていきます。従来の矯正の診断では、軟組織や呼吸を改善していくという発想や手段があまりなく、歯列を中心とした診断でしたので、歯を並べることが大前提でした。そのためこれまでは、健全な永久歯を抜いて歯を整列させ、歯を並べるために顎に抑制的な力をかけて成長の抑制を行い、上下の顎とバランスをとるといった治療が多かった。しかしながら顎顔面口腔育成においては、歯列不正は中顔面の骨の歪み(下方への垂直的な発達)により引き起こされると捉えます。そこで、歯並びを悪くしている口腔周囲の骨格や筋肉の改善と、生理的な呼吸機能の回復をめざします。

見た目の美しさだけではなく、機能の改善を目的として

口呼吸や睡眠にも良い影響を与える矯正と聞きました。

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最近のお子さんは口呼吸が多く、中にはいびきや睡眠障害を併発するお子さんもみられます。いびきのせいで呼吸が止まって突然起きたり、泣き出したり、ひどいと救急車で運ばれるお子さんもいます。また、「急に顔が縦長に伸びてきているように見えるんです」と心配するお母さんもいらっしゃるのですが、そういうお子さんはやはり顎の成長方向に問題があるケースが多いですね。ですが、お子さんによっては、矯正が始まると数週間から数ヵ月ですやすや眠れるようになったり口呼吸が治ったりしました。この治療は、歯並びよりも切実な問題を抱えたお子さんたちのQOL(生活の質)を高めることができ、歯を並べる以上の価値があるのだと考えます。

歯並びの改善にとどまらないのが、こちらの医院の矯正の特色でしたね。

はい。当院が実践している小児矯正は「中顔面の正しい成長育成を促すこと」が一つの目標であり、それにより「生理的に健全な呼吸」が身に付くようになります。鼻呼吸の獲得は全身の健全な発達に欠かせません。顎顔面を含めた口腔を育成していくことで鼻呼吸が可能となります。それを実現するための方法は2つあります。これらの特徴は、歯列の不正を単なる口腔内の問題としてでなく、全身の疾患の一部として捉えるところにあります。

その2つの矯正法について教えてください。

一つは、イギリスのジョン・ミュー歯科医師によって提唱された概念および矯正法で、「自然成長誘導理論」に基づいています。通常の歯列矯正と決定的に異なるのはその結果で、歯だけを動かす従来の歯列矯正に対し、こちらは歯顔面骨格や気道の広がりが期待できます。2015年に開かれた小児歯科の学会では、笑うと歯茎が大きく露出する「ガミースマイル」の改善例も報告されています。具体的には、第二乳臼歯を利用して顎の骨にアプローチしていきます。第二乳臼歯の状態が不十分だと理想的な矯正が行えませんから、少し前までは、6〜7歳、遅くとも8歳くらいまでに開始するのが適正とされていましたが、最近は装置の開発が進み10歳くらいのお子さんでも受けられるようになりました。また、効果は限定的ですが成人の方にもこの装置を使用することがあります。

もう一つの矯正法はどのようなものですか?

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もう一つは、ジョン・ミュー先生が提唱した理論を日本の三谷寧博士がさらに進化させた矯正法です。実際に使用するのは、顔面に外側から装着する装置。「中顔面(ちゅうがんめん)を前方方向に成長させるという理念は、先述した自然成長誘導理論に基づいた矯正法と同じですが、さらに直接的に骨にアプローチでき、効果の向上が飛躍的に得られると考えられます。治療が進むにつれて顔貌が整っていく点も見逃せません。以上2つの矯正法のどちらを行うかは、症例によって異なります。

矯正経験者だからこそ、患者の気持ちがよくわかる

日本小児歯科学会の小児歯科専門医資格も、親御さんたちの安心材料になっているのでは?

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小児歯科を標榜する歯科医院は多数ありますが、日本小児歯科学会員となるとぐっと少なくなり、同学会の認定を受けた小児歯科専門医となるとさらに少なくなります。私が高い専門性が求められる小児歯科の専門医をめざしたのは、一つに「20歳以降ずっと、虫歯にも歯周病にもならない人生を過ごしてほしい」と思ったからなんです。それには早い時期に取り組むのが最も効果的だと考えています。幸い、当院に通われるお子さんの親御さんは意識の高い方が多く、中には妊娠中から準備を始める方もいるくらいです。あと、私自身子どもとの距離をあまり感じない性格で、友だち感覚で接しているというのも、子どもの治療に向いているのかもしれませんね(笑)。最初は怖がっていた子も、回数を重ねるうちにいつの間にか通うのが好きになってくれているケースが多いんですよ。

お子さんといい関係を築くのには、何かコツがあるのですか?

私自身も高校時代に歯列矯正を受けていたので、それがどんなものかよくわかっています。期間が長く、お子さんのモチベーションを保つのがいかに大変ということも。だから患者さんに共感できるんですね。それと、私は子どもの矯正を上手に行うためには、大人の矯正治療もしっかり治療できなくてはいけないと思っています。私自身も小児矯正の勉強を終えた後、有名な都心の裏側矯正専門の医院で数年間働き、成人の矯正についても研鑽しました。おかげで、子どもの歯が成人になってどう変化するか、そのイメージを頭の中に浮かべることが小児矯正にとっていかに重要かがわかりました。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

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歯は一生使うものであり、年齢や使い方に応じて絶え間なく変化しているものです。だからこそ全身との関わりが密接で「歯並び」だけを抽出して評価することはしません。歯並びを支える顎の骨があり、それを取り巻く筋肉があり気道があります。表面的な「歯並びの良さ」も大切ですが、歯並びが悪くなっているのはなぜか、どこに問題がありどのような影響を体に及ぼしているのかをよく考えて、お口の中だけでなく体全体を通してお子さんの健康を考えてください。大切なのは、全身の健康であり、それを支える体の機能。健やかな発達を促し、末永く健康でいるためには、正しい呼吸や姿勢が大切であるということをお伝えできればと思います。

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供を行っております。
カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)については、効果・効能に関して個人差があるため、 カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)を用いた治療を行う場合は、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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