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中村 益夫 院長の独自取材記事

中村医院

(調布市/西調布駅)

最終更新日:2019/08/28

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西調布駅から徒歩5分。123年も前から開院し、医師一族によって地域住民のための医療を提供し続け、今は5代目の中村益夫院長による診療を受けられるのが「中村医院」である。院内には、調布市医師会から贈られた地域貢献に対しての御祝状も飾られている。長きにわたって地域に定着し続けている医院の存在は患者にも心強いだろう。そのような地域からの期待に応え、中村院長は若いからこそできる新しく分野に特化した医療の導入を行うだけでなく、かつて4代目の背中を見て学んだような、昔ながらの親切な訪問診療なども展開している。実直な診療方針を聞いた。
(取材日2017年7月6日)

ホームドクターとして、融通を利かせた訪問診療を

地域住民のために、訪問診療に力を入れておられますね。

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長く地域に尽くして亡くなった、叔父で4代目の(中村)昇先生は、患者さんに親身な訪問診療を続けていました。私にも、その意味では古き佳きホームドクターとしての診療を全うしたいという思いがあります。昇先生が大切にしてきたのは、患者さんを1人の人間として診ること。病気を治したらそれで終わりというのではなく、その後にもさまざまな相談に乗っていたようでした。そこは引き続き、何でも相談してもらえる環境を維持したいですね。24時間、常に対応し続けることは無理かもしれませんが、容体の急変が気になる患者さんには携帯電話番号を知らせるなどして、時間どおりにしか診ない、相談に乗らないなんてものではない対応をしていけたらと考えています。近年、最期は家で過ごしたいというニーズは強まっているようにも感じます。今は歩いてこの医院まで通っているが、歩けなくなったら訪問診療にしたい、と言われる患者さんもおられます。

訪問診療のままで良いときと、入院が必要なときについては、どのように判断されていますか?

可能なら最期まで訪問診療のまま、という希望があっても、状態が心配で、体調管理がしやすく、看護師さんが常に付いている病院にお送りせねばならない場合もあり得ます。ただ、病院に行くことで、ご自宅ではないからこそ、患者さんが今どこにいるのかわかりづらくなり、より認知症が進んでしまう場合もあるのです。例えば、最期のときが目前に近づいていたとしても、割と老衰と言えるような状態に近い場合は、健康管理において入院と在宅の間大きな違いはないので、訪問診療のままでいくのが良いかもしれません。また、患者さんの背後には、ご家族の皆さんがおられます。ですから、患者さんだけでなく、ご家族からの要望もよく聞いて、バランス良く対応していく必要があるんですね。患者さんは家にいたくても、ご家族の皆さんが容態を心配されている際には、ご本人の希望ではないが入院していただく、ということも出てくるでしょう。

地域で診療している延長線上に訪問診療があるという位置づけも自然ですね。

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訪問診療の状態になってから新規で診ることはあまりなくて、足腰が弱る前や、呼吸が苦しくなる前には通院してくださっている場合がほとんどです。高齢になってから当院に通院していただいて、ゆくゆく来る訪問診療に備えることも可能ですね。私は日本呼吸器学会呼吸器専門医でもあるので、高齢になってから多くの人が直面するであろう肺炎をはじめとする呼吸器疾患には、通常の内科医院に比べて詳しく診られます。その点でも、高齢医療に向いている専門性を持っていると言えるかもしれません。大学病院にいた際には、専門柄、肺がんの患者さんにも多く接しました。今や、2人に1人ががんになる時代において、高齢の患者さんに対する医療には欠かせないがんに対しても、ご家族も含めて親身になって相談に乗れると思います。

呼吸器疾患で注意をしておいてほしいのは長期的な管理

呼吸器の専門家として、得意な診療内容についてもお聞かせください。

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喘息持ちの患者さんは、かなり多いものです。喘息は、気管支の炎症で起こる病気です。そのため、発作にまで至るほどの咳込みに関しては、定期的に診なければなりません。ここで、状態が良くなったら来院をやめてしまう現実もあるので「症状が良くなっても、まだ炎症が残っている場合があるので注意してください」とは伝えておきたいですね。それを放置すれば、気管が狭くなって、痰なども出やすくなるばかりか、喘息の状態が増悪(悪化のこと)し、気管支がどんどん壊れていきかねません。最初は軽かった患者さんでも、本物の喘息になってしまうことも多いのです。これについては、定期的に長期的に治療を受けていれば悪化していなかったのに、ともったいなく感じてしまいます。肺気腫についても、同様に長期的な治療が必要なので気を付けていただきたいです。

肺気腫の場合も、炎症の管理をせねばならないわけですよね。

肺気腫は、肺胞が壊れていく病気です。そのうちに呼吸をするだけで苦しいという状態にもなるのですね。近年ではCOPD(慢性閉塞性肺疾患)というように複数の病気の総称で呼ばれることも多いです。タバコの粒子が慢性的に気管支に炎症を起こす傍らで肺気腫が起きるなど、それぞれの病気は互いに連関し合うものですから。このCOPDは現在、世界的にいえば死因のうちのトップ5には入っています。途上国などではタバコが今も盛んに吸われていることに関係があると言われています。国内でも2015年における男性の死因の8位、全体の死因の10位に入っています。肺は1回壊れると治らないので、生涯、管理し続ける必要が出てきます。タバコから遠ざかることを心がけるべきですし、ならないに越したことはないですが、なってしまった場合は継続的な治療が必要でしょう。

呼吸器を専門とする医師に診てもらうことで効果的な病気は多いように思われます。

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風邪も、多くは呼吸器のトラブルに関わりますからね。それに、80歳以上の方の死因のかなりを占める肺炎にしても呼吸器の問題です。そのような角度からも呼吸器疾患にまつわる日常的な相談を受けられるのは、当院の特徴と言えるかもしれません。大学病院などの外来で出す薬は内服のみという場合がほとんどだと思われますが、当院では点滴から入れることもできます。また、難病の部類に入りますが、当院では特発性間質性肺炎のための、それこそ大学病院で用いるような薬を処方することもできます。また、こまめにレントゲンを撮りますから、咳の中でも肺炎が気になるような事態を見逃すことも少ないと思います。

叔父から「あなたしかいない」と手紙をもらい、医師に

医師をめざした経緯をお聞かせください。

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小さい頃から叔父を見ていたため、自然と医師をめざしました。患者さんに好かれていて、忙しい中でも楽しそうにしていたので。患者さんにも笑顔が多かったんです。つらいからクリニックに来ているのに、何で笑っているのだろう? 医師って良い職業なのではないか、と思うようになりました。子どもの頃に、叔父から「医者になってみないか。継ぐのはあなたしかいない」と手紙をもらったことも大きなきっかけになっています。

お忙しいと思いますが、お休みの時間に大切にされていることは何ですか?

子どもが3歳と小さく、また、この夏にもう1人生まれる予定というのもあり、できるだけ子どもと過ごす時間を大事にできたら良いなと思っています。家に帰るのは夜になってからが多いけれど、眠っているとしても子どもの顔を見るのはうれしいひとときです。将来、この医院を継ぐような医師になってもらえたら良いな、とも考えています。

最後に、今後の展望や、医師という職業の醍醐味についてお聞かせください。

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今後も、まじめに地域医療を全うしていきたいなと思っています。手を広げ過ぎず、あくまでも実直に医院を続けていきたいです。子どもの頃から、人のために役に立ちたいという気持ちがあったので、やはり、医師になって良かったなと実感しています。私は空港などで「お医者さんはおられますか」と言われるなど、アクシデントに遭遇することが多いのですが、そういうときはいつも進んで手を挙げるんです。人を助けられますからね。そんなときも、医師になって良かったなとつくづく感じます。

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