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木下 陽 院長の独自取材記事

木下循環器呼吸器内科クリニック

(武蔵野市/吉祥寺駅)

最終更新日:2021/06/08

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JR中央線・吉祥寺駅北口から、線路沿いを歩いておよそ5分の場所で、1997年から診療を続けている「木下循環器呼吸器内科クリニック」。現在院長を務めるのは、先代院長である父からクリニックを引き継いだ木下陽(あきら)先生だ。父のクリニックが開業した年に大学を卒業、医師として大学病院や基幹病院に勤め、重症例や難症例に数多く接してきた。2017年からは同院でも副院長として診察を担当、地域の信頼を積み重ねている。軽やかな雰囲気、相手の理解に合わせて言葉を選ぶしなやかさ、そして親しみやすさが魅力の木下院長。「自分が何をしたいかではなく、患者さんにとって相談しやすいことが大切」とさらりと語る、ぶれない姿勢も印象的だ。そんな木下院長に話を聞いた。(取材日2020年12月18日)

患者自身には区別のつきにくい胸部疾患を診断

2020年4月に、前院長からクリニックを引き継がれたそうですね。

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当院は1997年、僕が慈恵会医科大学医学部を卒業した年に「木下循環器クリニック」として父の木下信一郎が開業しました。僕自身は医師になって20年、主に大学病院や地域の基幹病院で働いてきましたが、2017年から父と一緒に当院でも診察を受け持つようになりました。父の専門が循環器、僕は呼吸器なので、当院に入職した段階で「木下循環器呼吸器内科クリニック」として、それぞれの専門性を生かした診療を続けてきました。院長を引き継いだのは2020年の春からですが、ちょうどそのタイミングで新型コロナウイルス感染症の問題が大きくなってきたので、この観点から大きく変えた部分もあります。医療施設ですから感染症対策はしっかり行う必要がありますが、さらに接触を減らせるよう、出入口を自動ドアに変更しました。感染症対策以外で春から新しく導入した機材としては、電子カルテと呼気中一酸化窒素(FeNO)濃度測定器などがあります。

呼気中一酸化窒素濃度測定器とは何でしょうか?

主に喘息の診断に使われる検査機器です。吐き出した息の中に一酸化窒素がどれくらいあるか測定することで、炎症が起きているかどうか、その程度はどれくらいかを測ることができる機材です。当院は内科全体を広く診る一次診療の医院ではありますが、僕の専門である呼吸器については可能な限り検査機器も充実させています。呼吸器疾患は近年、とても増えていて、病気も多岐にわたり、患者さんも若い方から高齢の方まで広がっています。呼吸器疾患は喘息・慢性閉塞性肺疾患(COPD)・結核・肺炎・アレルギーなど長期にわたる治療が必要な病気が多いものの、根気よく治療を続けていくことが症状の改善につながりますから、諦めずに取り組んでいただきたいですね。

循環器系の疾患も診療されていると伺いました。

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内科と循環器は父の代から通い続けている患者さんもいらっしゃるので、カルテや問診で一人ひとりの患者さんの既往を検討しながら、僕自身が診察しています。循環器疾患と呼吸器疾患は、息苦しいとか胸が痛いなど症状が似ている病気も多く、鑑別が必要になる場合もあります。喫煙者の方や、喫煙経験者の方は、肺も血管も両方悪いという状態がままあるものですし、心不全の患者さんが肺炎や気管支炎を起こしている場合もありますから、両方の診察ができるほうが合理的だと思います。患者さんも、苦しい体であちこちのクリニックに行かないで済みますしね。ただし、専門性の高い治療が必要な状態であれば、それぞれ適切な医療機関を紹介しています。「なんだか胸が苦しいんだけど、どこが悪いのかわからない」という方が最初に訪れる医療機関として、当院はお役に立てるかなと思います。

肥満であれば若い人にも少なくない睡眠時無呼吸症

先生ご自身のご専門は、呼吸器内科のどのような分野でしょうか。

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長年、関心をもって取り組んでいるのが、睡眠時無呼吸症の診断と治療です。この分野に入ったきっかけは、大学病院時代に先輩医師に誘われたというのが正直なところで(笑) ただ、先ほどお話ししたように呼吸器疾患は治療が長期にわたるものが多い中、睡眠時無呼吸症については、装具を利用することで対処ができます。僕自身もそうした治療にやりがいを感じて、積極的に取り組んでこられた面もあります。

検査や治療についても教えてください。

睡眠時無呼吸症を疑って検査する場合、以前は病院に1泊して検査をする必要があったのですが、最近は自宅用検査キットの精度が高くなっているので、簡易検査として利用しています。頭や胸、鼻などにパーツを装着して寝ていただいて、翌日に返送していただくだけなので、合併症などの可能性が低い方には比較的気軽に検査を受けていただけるようになりました。精神科的な睡眠障害とかナルコレプシーなどの診断はできないので、これらの疾患の可能性がある場合は従来どおり、病院に1泊して検査する必要があります。診断がついたら、軽症の方はマウスピースを利用し、中等度以上の方についてはCPAP(持続気道陽圧療法)といって、気道を広げるための治療を行います。

睡眠時無呼吸症は、どんな方がなりやすいのですか。

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患者さんは圧倒的に肥満の方が多いです。骨格に比べて肉が多いと、空気の通り道がふさがりやすくなるんですね。痩せていても顎の小さい方だと、高齢になって筋肉の緊張が落ちてくると発症する場合があります。睡眠時無呼吸症は、循環器疾患が原因となるケースは少ないのですが、逆に心不全の原因になることはあります。無呼吸の結果、酸素濃度が下がって苦しくなり血圧が上がり、脈拍が不安定になってしまうんですね。いびきがひどいことでご家族が気づかれる場合が多い疾患ですが、いびきと静かな時間を繰り返しながら寝ていて、朝の血圧が妙に高い場合、一度ご相談されたほうが良いかもしれません。予防の1つは肥満対策で、太っている方では若い人でも珍しくない病気なんですよ。夜の眠りが浅いために昼間、眠くなってしまって、お仕事や運転などに支障が出ることもありますから、自分だけは大丈夫、若いから大丈夫と思わないでほしいですね。

苦しさを放置しないで、気軽に相談に来てほしい

診察の際に心がけていることを教えてください。

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先代院長だった父の方針を受け継いで、難しい医学用語を避けてわかりやすい言葉で、可能な範囲で時間をかけて説明し、患者さんの疑問と不安を解消するように心がけています。問診もできるだけ詳しく丁寧に行います。例えばCOPDの場合、肺活量など検査数値も参照しますが、実際にその方がどれくらい動けているかを知るため、日常生活の様子をお聞きしています。呼吸が苦しいと動くのがおっくうになって活動量が減り、筋力が落ちて転倒事故につながる、寝たきりになるリスクが高まるなど悪循環になりかねません。生活の質を維持し、改善することが、患者さんの健康寿命を延ばすことにつながると考えています。

今後の展望について教えてください。

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将来の展望として明確なビジョンがあって「医師としてこういうことがやりたいんだ」というものは特にないんです。あくまでも地域の患者さんたちにとって、通いやすく相談しやすいクリニックでありたいです。循環器・呼吸器の疾患は長い付き合いになってしまう病気も多いのですが、検査もお薬も治療方法も日々、進歩しています。患者さんが折れずに治療を続けられるよう、年齢や持病を理由に諦めず、苦しさを放置しないで済むよう、身近な診療所の立場でこれからも患者さんの力になっていきたいですね。

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