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西端 慎一 院長の独自取材記事

西端耳鼻咽喉科

(千代田区/有楽町駅)

最終更新日:2023/05/24

西端慎一院長 西端耳鼻咽喉科 main

有楽町駅前の東京交通会館3階に、「西端耳鼻咽喉科」がある。「場所柄、患者さんは企業にお勤めの方などが中心。副鼻腔炎、めまい、メニエール病などで受診される方が多いです」と話す西端慎一院長は穏やかな物腰で、安心して受診できそうな雰囲気だ。「ストレスを減らすのは難しいと思いますが、詳しく話を聞いて、生活のアドバイスも含めて治療していきたいと思います」と話す。西端院長は東京都花粉症対策検討委員会の活動にも長年携わってきた花粉症の専門家。「1月からマスクをするといった対策も必要です」との助言も。一人ひとりの都合に合わせて受診できるよう、予約制にしないという西端院長に、同院の診療などについて詳しく聞いた。

(取材日2023年4月14日)

増加した副鼻腔炎の患者にネブライザー治療を提供

どういった患者さんが多いのですか。

西端慎一院長 西端耳鼻咽喉科1

風邪による副鼻腔炎、めまい、メニエール病などで受診される方が多いですね。めまいやメニエール病はストレスが原因となる場合が多く、どの年代でも起こる病気ですが、当院で特に多いのは30、40代の方です。働き盛りの年代ほどストレスを抱えていらっしゃるのだと感じますね。この場所に医院を設けたのは父で、東京交通会館ができた1965年に開業したので50年近くたっています。オフィス街のビルに医院が入るスタイルは当時珍しく、耳鼻咽喉科の当院のほかに内科、眼科、皮膚科といった医療モールのような形をイメージして開業したそうです。当時の開業医は自宅や自宅近くに医院を構えるのが一般的でしたから、働いている人が昼間に通えるオフィス近くに医院をつくるというのは時代を先取りした新しい発想だったのでしょう。当時近くには移転前の東京都庁があり、周辺には今以上にお勤めの人が多かった時代です。

新型コロナウイルス感染拡大の影響はありますか。

特にBA.5系統などオミクロン株の流行が広がって以降、新型コロナウイルス感染症に感染した後に、副鼻腔炎の症状を訴える方が増えています。副鼻腔炎の治療にはかかってからの期間の3倍の期間が必要といわれています。しかし、新型コロナウイルス感染では療養期間があるため、副鼻腔炎の症状があったとしても治療開始が遅れがちで、治療に要する期間も長くなる傾向です。副鼻腔炎に特徴的な黄色いドロッとした鼻水を吸い出し、鼻の奥の患部に直接薬を噴霧して、粘膜の腫れなどを抑えることを図ります。当院では陰圧をかけるタイプのジェット式ネブライザーを採用しており、これは鼻の奥まで薬剤を送り込むのに適しています。一時はエアロゾル感染への懸念から使用停止が推奨されたこともありましたが、現在はエアロゾルを出す手技には当たらないと確認されたことから再開しています。

副鼻腔炎にはネブライザー治療を行うのですね。

西端慎一院長 西端耳鼻咽喉科2

ネブライザーは耳鼻咽喉科の基本的な治療の一つですが、鼻の奥にある患部に直接薬剤を届けられるという特徴があります。発症後早期に集中して治療することが大切ですから、週に2〜3回通院していただくことをお勧めしています。慢性に移行させないためにも早めの治療が大切です。鼻の症状が一週間以上続くようなら、早めに耳鼻科を受診してください。当院ではお仕事や用事の合間にも気軽にご受診いただけるよう、あえて予約なしでの診療を続けています。

長く花粉症対策に従事した経験から早めの対策を推奨

ご専門や経歴をお聞かせください。

西端慎一院長 西端耳鼻咽喉科3

耳鼻咽喉科の診療の中でも、アレルギーや花粉症、めまいやメニエール病といった病気を特に専門分野としており、これには私の経歴が深く関係しています。もともと機械いじりが好きで工学部も考えていたのですが、祖父も父も医師という影響もあって、北里大学医学部に進学しました。卒業後は大学病院でめまいを専門に診療を行い、藤沢市民病院と国立相模原病院でも勤務。特に相模原病院ではアレルギー治療に力を入れていて、実務の中でアレルギーや花粉症などに関する知識を学ぶことができました。そうした治療や研究のため、相模原病院は日本でも古くからスギ花粉のデータを収集していたのですが、東京都では花粉症対策検討委員会を作るときにそのデータを活用したいと考え、相模原病院に協力を求めてきたそうです。当時は花粉症対策検討委員会に、相模原病院の耳鼻咽喉科医長が必ず委員として協力することになっていました。

ご自身も花粉症対策委員会に参加されていたのですね。

私も病院にいたとき委員になりましたが、父の後を継ぐために病院を辞めて、委員も辞退しました。しかし有楽町に来てみると、なんとすぐ近くに都庁があったんです(笑)。そして委員会から「近くなったので次の調査にも協力してほしい」と依頼を受けました。その頃の委員会の課題は花粉症になった患者さんの調査。それでまた私は委員会に入り、当院が東京都における花粉症の患者数を調べる定点観測地点になって、「花粉症の患者さんが何人おみえになったか」というデータを委員会に30年以上報告し続けました。現在は委員は辞していますが、勤務先の病院の縁で始まった花粉症対策が、開業医になった後も数十年にわたり続いたとは、不思議なつながりを感じます。

花粉症の患者さんにアドバイスはありますか。

西端慎一院長 西端耳鼻咽喉科4

花粉が飛び始めたという情報が出てからマスクなど対策をする方も多いと思いますが、実はスギ花粉は12月や1月など早い段階から、微量ですが飛散が始まります。当院で集計した花粉飛散データでも、1月に東京都内でスギ花粉を観測しています。こうした早期の花粉量と患者さんの症状には、明らかな相関関係が見られるのです。そして早い時期の花粉をブロックできれば、その年の花粉症の症状の軽減につなげていくことも期待できることがわかってきました。また統計的には、ご両親が花粉症の場合、お子さんも花粉症になる割合は高くなります。まだ花粉症の症状が出ていないお子さんは、「花粉症になること自体を予防する」ために、花粉が大量に飛散する2月後半から4月初めまでのマスク着用をお勧めします。

ストレス由来のめまいや聞こえの不調は専門家に相談を

めまいや聞こえの診療についてお聞かせください。

西端慎一院長 西端耳鼻咽喉科5

最近増えているのが低音障害型感音難聴という、音域の低い部分が聞こえにくくなる病気です。最近はメニエール病の一種で、めまいが起きないメニエール病とも見られています。これらの原因は内耳のむくみにあります。症状は飛行機に乗って気圧が変化したときの耳が詰まるような感覚と同じ状態で、これが多く起きるなら、耳鼻咽喉科への受診をお勧めします。主にストレスが原因なので、ストレスを低減しないと再発しやすいです。また、耳の詰まった状態が長期間続くと、その状態で固定化する恐れもあります。受診の際に聞こえにくい症状が治まっていた場合は、何度か検査に来ていただく必要があります。当院には、私が病院でめまい専門の診療を行っていたこと、今の医院がビジネス街にあってストレスの多い生活を送る方が多いことなどから、そのような症状の方が多く来院されます。それだけポピュラーな病気と考えています。

どうして低音障害型感音難聴やメニエール病になるのですか?

特定は難しいのですが、当院では「仕事が忙しくなると耳が聞こえにくくなる」など、患者さんご本人に症状が出る状況をお聞きして、どの程度の頻度で出るのか、どんなときに出るのかという情報をもとに診断していきます。しかし薬を飲まなくても、まず生活習慣を改善することで、症状の軽減につながることもあるんです。例えばストレスを避け、毎日同じ時間に寝て、起きるといった規則正しいを生活して、30分程度ウォーキングなど軽く運動する。このようにして自律神経を整えるのも、手立ての一つです。まずは耳鼻咽喉科に相談してみてください。

ご自身のストレス解消法は?

西端慎一院長 西端耳鼻咽喉科6

自宅のルーフバルコニーから空港が見え、風向きと時間帯によっては離発着する飛行機を眺められます。旅行が難しい状況だからこそ、飛び立つ飛行機に思いを馳せてしまいます。最近は飛行中の航空機のルートをトラッキングできるアプリもあり、目撃した飛行機がどこから来てどこに行くのか把握することも可能です。冬の夕暮れなど、運が良ければ月と飛行機を一枚の写真に収めることもでき、楽しんでいます。

メッセージをひと言お願いします。

有楽町駅前の立地を生かし、何でもご相談いただける医院でありたいと考えています。もうすぐ還暦を迎える医院ですが、ぜひお気軽にお立ち寄りください。

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