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山川 智之 院長の独自取材記事

山川クリニック

(杉並区/方南町駅)

最終更新日:2023/11/24

山川智之院長 山川クリニック main

ヨットのロゴマークが目印の青い看板が印象的な「山川クリニック」。院内の待合室は、青と白を基調とする海をイメージした内装が施され、広々としてゆったり過ごせる雰囲気だ。2009年に開業した同院を2代目院長として2021年より引き継いだのが山川智之先生。昭和大学大学院で骨粗しょう症の研究に取り組む一方、大学病院や基幹病院の整形外科で多くの患者と向き合ってきた。その豊富な経験を生かし、同院は整形外科、外科、内科、リハビリテーション科を取り扱い幅広い症状に対応する。「亡くなった父の遺志を受け継ぎ、地域のホームドクターとして患者さんとの信頼関係を大切にしたい」と話し、穏やかな表情の中に強い意志が見て取れる。そんな山川院長に、専門とする治療や超音波検査のメリットなどを聞いた。

(取材日2023年11月6日)

整形外科を中心に診療科を広げ、地域医療に貢献

クリニックの歴史についてお聞かせください。

山川智之院長 山川クリニック1

当院は、私の父である先代の院長が2009年に開業しました。父の専門は消化器外科でしたが、地域のホームドクターとして内科を中心に、外科・整形外科・皮膚科をカバーしていました。2021年3月に私が医院を引き継ぎ院長に就任しました。父の志を受け継いで、地域のホームドクターとして幅広く対応したいという思いは変わりません。また、ロゴマークに描かれたヨットは父が大好きだったもので、海をイメージした内装もそのままです。診療科ごとに別々の医療機関にかかると、あちこちから薬を出されて大変な量になる場合もあります。大きな病院でも、高血圧は循環器内科、腰痛は整形外科、ケガは外科と、通院が1日がかりになってしまうという現状もあります。当院では必ず私が診察し、当院でできる治療はここで行い、専門的な治療が必要と判断すれば適切な医療機関を紹介しています。

先生の経歴および力を入れている治療について教えてください。

昭和大学を卒業後、同大学病院での研修医時代に消化器内科・神経内科・糖尿病内科・救急科などを回り、臨床経験を積みました。整形外科に入局後は、大学病院で股関節・脊髄・膝の治療を専門的に学び、虎の門病院に移って人工関節や外傷の治療を数多く経験。その後2年間かけて、昭和大学大学院で骨粗しょう症の研究をしました。やがて鹿児島県のいまきいれ総合病院でさまざまな疾患の治療や手術を経験し、当直では内科・外科などの診療にも携わり、すべての経験が現在の診療に役立っています。院長となった現在は、私の専門である骨粗しょう症の検査・治療に力を入れています。骨粗しょう症に自覚症状はほぼないので、骨折してから気づく方も珍しくありません。「骨密度の検査を受けたことがない」という方は多いですが、女性ならば閉経後、男性ならば還暦を迎えたら、定期的に骨密度を測りましょう。

リハビリテーション科があるのが特徴的ですね。

山川智之院長 山川クリニック2

2022年5月から、整形外科疾患・スポーツ外傷・交通外傷後のリハビリテーションを行っています。腰痛、肩凝りなどの筋肉痛や関節痛などの治療に役立ち、機能改善の大きな力となると考えます。骨折手術をした場合でも、骨が固まるまで動けないので、その部位の機能が著しく衰えますが、骨折前により近づけるよう機能の回復を図ります。腰椎・頸椎けん引機、ウォーターベッド、赤外線治療機など専用機器を取りそろえ、経験豊富な2人の理学療法士が適切なサポートに努めています。「自分では動かせない」「動かせるけれど、適切な動きになっているのか不安」という方も多いので、理学療法士と私とで情報を共有し、患者さんそれぞれに合わせてスムーズなサポートを心がけています。

筋肉や腱の動きを確認するための超音波検査機器を導入

リハビリテーションはどのような患者さんに必要ですか?

山川智之院長 山川クリニック3

骨折、膝や肘の関節に関わる障害、腰部脊柱管狭窄症などに関連する手術をした方は年齢に関係なくほぼ全員です。他院で手術をした方も受け入れています。また、手術をしていない方でも、投薬などの医学的治療と並行して行うことがあります。症状の再発リスクが高い方も、条件次第で対象となるでしょう。具体的にリハビリテーションをお勧めするのは、歩き方の癖やスポーツなどの理由で足首を捻挫しやすくなっている方、痛みなどの症状が出てこまめに動かさなくなり、悪い形のまま骨や筋肉が固定され動きにくくなった方などです。理学療法士は患者さんの姿勢や動作の特徴を見て、その方に合ったリハビリテーションを進めていくので安心してお任せください。

超音波検査も導入されたそうですね。

エックス線写真では写らない、神経、血管、筋といった軟部組織を検査するための超音波診断装置を導入しました。エックス線画像は骨折や脱臼など骨の状態はよくわかりますが、軟部組織までは写せません。一方、超音波画像は靱帯・腱・筋肉の損傷・断裂や、内出血などを確認でき、エックス線に写らない小さな骨折も確認できます。例えば足首の関節が腫れている場合、超音波検査であればどの靱帯がどの程度損傷しているか重症度の見当がつきます。そのため、足首の捻挫、手根管症候群、腱鞘炎、バネ指、テニス肘、筋損傷などの診断で活躍します。お子さんでは、肘や腕が抜ける肘内障、大人では主に四十肩や五十肩の診断で活用します。

その他、超音波検査について特徴的なことはありますか?

山川智之院長 山川クリニック4

筋や腱の動いている画像がリアルタイムで確認できることです。例えば手首の筋肉や指を曲げ伸ばしする筋などが見えるので、手首や指を動かしてもらいながらエコーで見ると、「引っかかっている」「断裂している」といったことがわかり、より適切な診断につながります。それによりMRIを撮影するか判断ができる上、治療法の選択肢も広がります。また、痛みを抑えることを図るヒアルロン酸や、炎症を抑えるためのステロイドなどを注射する場合も、エコーで確認しながら神経や血管を避けて注射針を進め、狙いどおりの部位へ薬液を注入することも可能になります。超音波検査は被ばくで体に影響を与えることもないので、お子さんや妊婦さん、高齢者でも安心して受けられます。モニターに患部を映し患者さんと一緒に確認できるのもメリットです。

チームで患者をサポートし質の高い医療の提供をめざす

診療の際に心がけていることはありますか?

山川智之院長 山川クリニック5

お話をしっかり聞くために、患者さんの顔を見て診療することです。カルテばかり見て対応すると、患者さんの本当に訴えたい思いが読み解けなかったり、こちらのお話が伝わらなかったりすることがあります。自覚のない不調にもこちらが気づけるように質問しながら患者さんと向き合っています。治療内容の説明もエックス線写真だけでなく、イメージしやすい模型を使うといった配慮を欠かしません。特に高齢者の場合、病気があちこちに生じてくるので、「膝が痛くて」という訴えでも、会話や皮膚の状態、内科的な観点から「膝以外が原因なのでは」といった違和感を覚えることもあるでしょう。当院ではコミュニケーションを大切に、患者さんの健康状態を見逃さないようにしていきます。

スタッフとの連携についても教えてください。

父の代から長年勤務しているスタッフが多く、コミュニケーションに長けたメンバーです。こまめな換気や消毒できちんと衛生管理がされているのも、スタッフの配慮があってこそ。現在、看護師と理学療法士は骨粗しょう症を専門的に勉強し私をサポートしてくれています。私は勤務医時代とは違い経営面にも気を配らなくてはいけないため、医療事務についてはスタッフに教わり、クリニックの運営や接遇についてのヒントももらいました。逆に私からは整形外科に関する専門的な情報を共有し、みんなで知識を高め合っています。母校である昭和大学の理念の一つである「チーム医療」を実践し、全員で力を合わせて、これからも質の高い医療と居心地の良いクリニックづくりに努力していきたいです。

最後に読者へメッセージをお願いします。

山川智之院長 山川クリニック6

これまで力を入れてきた生活習慣病の予防・治療に加え、今後はさらに骨粗しょう症の予防と早期発見、治療を組み合わせていきたいと考えています。また、各種機材の導入とリハビリテーションの開始で、治療だけでなく予防も視野に入れた対応が可能となりました。地域の皆さんの健康のため、当院でも今後は、骨折やケガをしないための体づくりに力を入れていきます。生活習慣病など内科治療を一緒に進められるのも、当院の特徴です。薬の飲み合わせや他の疾患の治療状況も考えながら、一人ひとりに適切な健康管理をしています。どうぞ、お気軽にご相談ください。

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