山川 智之 院長の独自取材記事
山川クリニック
(杉並区/方南町駅)
最終更新日:2026/02/06
ヨットのロゴマークと爽やかなブルーが印象的な「山川クリニック」。待合室は、青と白を基調に海をイメージした内装が施され、広々としてゆったり過ごせる雰囲気だ。2009年に開業した同院を、2代目院長として2021年より引き継いだ山川智之先生。昭和医科大学大学院では骨粗しょう症の研究に携わり、大学病院や基幹病院の整形外科では多くの患者と向き合ってきた。同院では、その豊富な経験を生かし、整形外科、外科、内科、リハビリテーション科を取り扱い幅広い症状に対応している。「亡くなった父の遺志を受け継ぎ、地域のホームドクターとして患者さんとの信頼関係を大切にしたいです」と話し、穏やかな表情の中にも強い意志が見て取れる山川院長に、専門とする治療や超音波検査のメリットなどを聞いた。
(取材日2025年12月10日)
骨粗しょう症治療や超音波診断装置を用いた診察に注力
先生のご経歴と力を入れている治療について教えてください。

昭和医科大学を卒業後、同大学病院での研修医時代に消化器内科・神経内科・糖尿病内科・救急科などを回り、臨床経験を積みました。整形外科に入局後は、大学病院で股関節・脊髄・膝の治療を専門的に学び、虎の門病院に移って人工関節や外傷の治療を数多く経験。その後2年間かけて、昭和医科大学大学院で骨粗しょう症の研究をしました。その後、鹿児島県のいまきいれ総合病院でさまざまな疾患の治療や手術を経験。当直では内科・外科などの診療にも携わり、それらすべての経験が現在の診療に役立っています。院長となった現在は、私の専門である骨粗しょう症の検査・治療とリハビリテーションに力を入れています。特に、骨粗しょう症は自覚症状がほぼないので、骨折してから気づく方も珍しくありません。また、超音波診断装置を用いた診察にも注力しています。レントゲンでは見ることのできない神経や血管など軟組織を検査する際に有用です。
骨粗しょう症ではどのような治療をするのですか?
まず、骨密度測定や血液検査の結果を確認し、治療を開始すべき状態かどうかをガイドラインに基づいて判断します。治療が必要だと判断した場合は、飲み薬と注射による治療を行います。骨密度の数値やこれまでの骨折歴によって、飲み薬と注射のどちらから始めるのかを選択。注射薬にも複数の種類があり、患者さんの生活スタイルや、症状の進行度を考慮しながら処方しています。大学院で骨粗しょう症を研究してきたこともあり、治療薬に関しては豊富な知識があります。また、骨粗しょう症の方は、転倒してしまうと骨折しやすいのが特徴です。そのため、薬物治療に加えて、転倒を予防するための運動療法にも注力しています。
リハビリテーションはどのような患者さんに必要ですか?

骨折、膝や肘の関節に関わる障害、腰部脊柱管狭窄症などに関連する手術をした方は年齢に関係なくほぼ全員です。他院で手術をした方も受け入れています。また、手術をしていない方でも、投薬などの医学的治療と並行して行うことがあります。症状の再発リスクが高い方も、条件次第で対象となるでしょう。具体的にリハビリテーションをお勧めするのは、歩き方の癖がある場合やスポーツなどの理由で足首を捻挫しやすくなっている場合、痛みなどの症状が出てこまめに動かさなくなり、悪い形のまま骨や筋肉が固定され動きにくくなった場合などです。理学療法士が患者さんの姿勢や動作の特徴を見て、その方に合ったリハビリテーションを進めていくので、お任せください。
リハビリテーションにも超音波診断装置を活用
外傷後の患者さんにはどのようなリハビリテーションを行っていますか?

外傷後の患者さんに対しては、ケガや手術によって低下した関節の動きや筋力を回復させることを目的に、リハビリテーションを行っています。例えば、骨折の手術をした場合、手術後に体を動かせない期間が生じ、その部位の機能が著しく低下してしまいます。そのままにしておくと、関節が硬くなったり、不安定さが残ったりすることも少なくありません。当院では、腰椎・頸椎けん引機やウォーターベッド、赤外線治療機などの専用機器も活用しながら、理学療法士と私とで情報を共有し、患者さん一人ひとりの状態に合わせて無理のないようにリハビリテーションを進めています。「自分では動かせない」「動かし方が合っているのか不安」という方にも、安心して取り組んでいただけるよう心がけています。
リハビリテーション科では理学療法士を増員したそうですね。
はい。リハビリテーションが必要な患者さんが増えてきたことに加え、より質の高いリハビリテーションを提供したいと考え、これまで在籍していた2人に加えて、理学療法士を新たに2人増員しました。現在4人の理学療法士が在籍しており、それぞれの得意分野を生かしながら患者さんに対応しています。人数が増えたことで、1度に対応できる患者さんの人数が増えただけでなく、症状や状態に合わせて、よりきめ細かなリハビリテーションを行えるようになりました。また、理学療法士同士で情報を共有しながら、多角的な視点で患者さんの状態を評価できるようになった点も、大きな変化だと感じています。
超音波診断装置をリハビリテーションに活用していると伺いました。どのようなメリットがあるのですか?

超音波診断装置を活用することで、筋肉や腱の動きを見ながらリハビリテーションを行えるようになりました。エックス線やCT、MRIは静止した状態を撮影した画像ですが、超音波診断装置では動いている状態をリアルタイムで評価できます。例えば、肩であれば、どの筋肉の動きが悪いのかを確認しながら、必要な部分をピンポイントで動かすことが可能です。また、神経の痛みが原因で動かしにくさが出ている場合も、超音波で確認しながら神経の周囲をマッサージすることができます。さらに、エックス線写真ではわかりにくい剥離骨折も、超音波を使うことで見つかる場合があります。最近、超音波診断装置を導入している整形外科が増えていますが、リハビリテーションに活用している点が、当院の特徴だと考えています。
チームで患者をサポートし質の高い医療の提供をめざす
診療の際に心がけていることはありますか?

お話をしっかり聞くために、患者さんの顔を見て診療することです。カルテばかり見て対応すると、患者さんの本当に訴えたい思いが読み解けなかったり、こちらの説明が伝わらなかったりすることがあります。自覚のない不調にも私が気づけるように質問しながら患者さんと向き合っています。また、治療内容の説明もエックス線写真だけでなく、イメージしやすい模型を使うといった配慮を欠かしません。特に高齢者の場合、病気があちこちに生じてくるので、例えば「膝が痛くて」と訴えている場合でも、会話や皮膚の状態、内科的な観点から「膝以外が原因なのでは」といった違和感に気づくこともあります。当院ではコミュニケーションを大切にし、患者さんの健康状態を見逃さないように努めています。
今後の展望を教えてください。
リハビリテーション科では、理学療法士を新たにもう1人増員する予定です。また、骨粗しょう症に関しては、看護師や理学療法士も専門的に学び、診療をサポートしてくれています。私自身も整形外科に関する専門的な情報を共有しながら、みんなで知識を高め合っています。これからも、母校である昭和医科大学の理念の一つである「チーム医療」を実践し、全員で力を合わせて、質の高い医療と居心地の良いクリニックづくりを続けていきたいです。
最後に、読者へメッセージをお願いします。

当院では、リハビリテーション、骨粗しょう症治療、超音波診断装置を活用した診療という3つの柱に注力しています。今後は、それぞれの質をさらに高めながら、より多くの患者さんの診療にあたっていきたいと考えています。特に骨粗しょう症については、早期発見と予防に一層力を入れていきたいですね。地域の皆さんの健康のため、骨折やケガをしないための体づくりにも力を入れていきます。生活習慣病など内科治療を一緒に進められるのも、当院の特徴です。薬の飲み合わせや他の疾患の治療状況も考えながら、一人ひとりに適切な健康管理ができるよう努めています。どうぞ、お気軽にご相談ください。

