天然歯のような噛み心地をめざす
インプラント治療のメリットとは
野口歯科医院
(杉並区/高円寺駅)
最終更新日:2024/09/11
- 自由診療
歯を失って歯科医院を訪れ、入れ歯、ブリッジ、インプラントという3つの選択肢を提案された経験がある人もいるだろう。インプラントは今や歯科治療における当たり前の選択肢の一つといっても過言ではない。しかし、かつては疑問視する声のほうが圧倒的に大きかった。そんな1980年代から積極的にインプラント治療に取り組んできたのが、「野口歯科医院」の野口剛雄(のぐち・たけお)院長だ。長年にわたり緻密なインプラント治療を手がけてきた野口院長に、そのメリットや注意点などについて詳しく聞いた。
(取材日2024年8月20日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qインプラント治療とは具体的にどのような治療ですか?
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A
インプラント治療とは、歯をなくしてしまったときに、インプラント体と呼ばれる人工歯根を顎の骨に埋め込み、その上に人工歯を取りつける治療法のことです。今でこそ広く普及しているインプラントですが、私が手がけるようになった1983年頃は、まだ否定的な意見のほうが多かったですね。インプラント体の素材もサファイヤやアパタイトだった時代を経て、現在は生体親和性の高いチタンが一般的です。インプラント体の上に装着する人工歯はセラミック製などを選択でき、金属のかぶせ物のように目立つこともありません。
- Qインプラントの入れ歯やブリッジにないメリットは何ですか?
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A
自分の歯のような噛み心地が期待でき、見た目も自然で美しいというのはインプラントの大きなメリットです。インプラントを埋入して数ヵ月すると、オッセオインテグレーションといって骨とチタンが直接結合した状態になるため、失った自分の歯を取り戻したような状態をつくりだすことが望めるんですね。部分入れ歯やブリッジのように健康な歯を足場にする必要がないため、残っている歯に負担をかけて寿命を縮める心配もありません。ただし、噛み合わせの対になる対合歯(たいごうし)への負担に注意が必要です。神経を抜いてかぶせ物をしているような場合は破折のリスクが高くなりますし、歯周病が悪化するケースもあります。
- Qインプラント治療はどんな人に向いている治療ですか?
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A
歯をなくしているならば、たとえそれが1本でも全部でも、インプラント治療をすることは可能です。20歳を過ぎていれば対象となりますし、90代からでも始められます。ただし、治療期間は入れ歯やブリッジよりも長いので急いでいる方には向いていないかもしれません。骨の状態が悪く骨造成が必要だったり、全身疾患をお持ちだったりすると半年以上かかることもあります。また、インプラントはほとんどのケースで医療費控除が受けられるとはいえ、お値段が気になっている方もいるでしょう。当院では無理強いすることはありませんので、一度詳しい話だけ聞いてみたいという場合もご相談ください。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1診査と治療計画
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現在の口腔内のどこに不自由していて、これからどうしたいのかを伝える。歯茎に十分な高さがあるか、全身の健康状態は問題ないかなどをチェック。インプラントの手術が可能と判断されたら、歯科用CTで顎の骨の状態を調べてもらう。データに基づいた治療計画の説明を受ける。
- 2骨造成や歯茎の移植
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歯槽骨が不足している時は、顎先の骨を移植してもらう。骨移植後は半年以上の経過観察が必要だ。歯茎の高さが足りない場合は、上顎の組織を移植してもらう。インプラント体を埋入するまでの待機期間に虫歯や歯周病の治療を受ける場合もある。骨造成や歯茎の移植をしない場合も、虫歯や歯周病があるならば、まず初期治療を受けてから手術へと進む。
- 3インプラント体の埋入
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局所麻酔下でインプラント体を埋入する手術を受ける。恐怖心が強ければ、亜酸化窒素と酸素を混合した笑気ガスを使用した笑気吸入鎮静法を併用することも可能だ。ただ、笑気吸入鎮静法は緊張を和らげるのに役立つが、体質的に使用不可となるケースもあるので事前に相談しておこう。インプラント体と顎の骨が結合するまで3〜6ヵ月ほど待つ。骨の再生能力によって待機期間は大きく異なる。
- 4アバットメント・人工歯の装着
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インプラント体が安定したら、局所麻酔下でインプラント体の上に、インプラント体と人工歯を固定するためのアバットメントをジョイントし、さらにその上に仮歯を取りつけてもらう。しばらく使用して噛み合わせなどの問題を洗い出し、さらに違和感のない人工歯を製作。人工歯の装着をもってインプラント手術は完了する。
- 5メンテナンス
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手術後は定期的なメンテナンスに通う。通院頻度は口腔内の状態やライフスタイルに応じて提案され、1〜6ヵ月ごとに通院することになる。インプラントで自分の歯のように噛める状態を半永久的に維持したいと考えるならば、メンテナンスは必須。メンテナンスを怠るとインプラント歯周炎などの問題を起こすこともあるので、注意しなければいけない。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/27万5000円~、骨造成/7万7000円~、歯肉移植/5万5000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。