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長引く咳の一因はアレルギー
専門家による原因の見極めが重要

こじま内科

(杉並区/中野駅)

最終更新日:2024/01/24

こじま内科 長引く咳の一因はアレルギー 専門家による原因の見極めが重要 こじま内科 長引く咳の一因はアレルギー 専門家による原因の見極めが重要
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咳が長引いたり息苦しさを感じたりしても、そのまま放置してしまった経験はないだろうか。「こじま内科」の小島淳院長によると、咳の原因は風邪とは限らず、アレルギーが咳を長引かせることもあるという。放っておくと悪化して喘息を引き起こすこともある。気管支を広げることが不可欠なアレルギー性の咳は、咳止めの服用だけでは改善は難しく、医師の専門性と正確な診断が重要な病気だといえる。日本呼吸器学会認定の呼吸器専門医でもある小島院長は、問診や検査結果から咳の原因を見極めて治療につなげている。「アレルギー性の咳は繰り返すのが特徴です」と話す小島院長に、アレルギー性の咳の原因について、また治療の際の注意点について話を聞いた。

(取材日2021年11月18日)

気候によっても引き起こされるアレルギー性の咳。長引く咳は放置せず、呼吸器を専門とする医師の診断を

Q咳が長引いた場合、どのような病気が考えられるのでしょうか?
A
こじま内科 長引く咳は呼吸器内科の医師に相談しよう

▲長引く咳は呼吸器内科の医師に相談しよう

長引く咳と聞いて皆さんがまず思い浮かべるのは、ウイルスや細菌による感染症、いわゆる「風邪」ではないでしょうか。たかが風邪と思われるかもしれませんが、重症化すると肺炎を引き起こしてしまうこともあるんですよ。鼻炎で鼻水が喉の奥に流れる「後鼻漏(こうびろう)」が咳につながることもあります。また呼吸器内科の医師として絶対に見逃してはならないのが、肺がんや肺結核といった重い病気が引き起こす咳。まれなケースとはいえ命に関わりかねません。そして最近増えているのが、咳喘息や喘息などのアレルギー性の咳です。

Qアレルギー性の咳の原因について教えてください。
A
こじま内科 エックス線撮影により肺に問題がないかを確認

▲エックス線撮影により肺に問題がないかを確認

何に対してアレルギー反応を示すかにより、スギ・ダニ・埃など咳の原因は患者さんによってさまざまです。これらは採血による検査で誘発物質の見当がつきますが、実はアレルギー性の咳を引き起こすのはそれだけではありません。寒暖差や気圧の変化や湿度といった「気候」が気管支に影響を及ぼして症状の出る方も多いのです。「台風の時期になると咳が出る」「冬になると毎年調子が悪い」という患者さんもいらっしゃいます。ご本人やご家族にアレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎、喘息の既往歴があるケースも少なくありません。

Qアレルギー性の咳を放置することによるリスクはありますか?
A
こじま内科 アレルギー性の咳の原因はさまざま

▲アレルギー性の咳の原因はさまざま

アレルギー性の咳は、気管支に慢性的なアレルギー性の炎症が起こっている状態で、悪化すると咳喘息という症状につながることもあります。咳喘息を放置すると、そのうち3割程度が喘息を引き起こします。喘息は気管支が細くなり慢性的なアレルギー性の炎症が起こっている状態。息苦しさを感じ、ゼーゼー・ヒューヒューといった喘鳴(ぜんめい)が見られ、さらに難治性喘息となると、気管支を正常な範囲まで戻すことが困難になります。アレルギーは体質によるものですから、アレルギー性の咳は繰り返すのが特徴です。一時的に症状が緩和したとしても放置せず、まずは呼吸器内科クリニックを受診しましょう。

Qこちらでは、長引く咳に対してどのような検査を行っていますか?
A
こじま内科 呼気一酸化窒素濃度検査で気管支のアレルギー性炎症の程度を診断

▲呼気一酸化窒素濃度検査で気管支のアレルギー性炎症の程度を診断

風邪が治っても咳の症状が残り、エックス線撮影により肺炎や肺がん、肺結核がないと確認できた場合、アレルギーの関与を疑います。感染症の治療を行ってから、2週間たっても治まらない場合は注意が必要です。呼吸器の検査の一つである呼気一酸化窒素濃度検査は、アレルギーによる気管支の炎症を客観的な数値で表す検査で、気管支のアレルギー性炎症の程度の診断に用いられます。また、アレルギー性の咳に有用とされる気管支拡張薬への反応と血液検査の結果を合わせて診断の材料とすることもあります。呼吸器内科を専門とする医師は、このように「咳」からあらゆる原因を疑い、総合的に診断を行っています。

Q治療方法や注意点について教えてください。
A
こじま内科 再発や重症化を防ぐためにも、医師の指示どおりに治療を続けよう

▲再発や重症化を防ぐためにも、医師の指示どおりに治療を続けよう

ほとんどの場合、アレルギー性の炎症を抑えるための吸入ステロイド薬や、気管支を広げるための気管支拡張薬を用います。最近ではこの2つの薬の作用が1つになった薬がよく使われています。ここで大切なのが、症状が治まったからといって自己判断で薬をやめてしまわないこと。風邪ならばウイルスや細菌がいなくなれば炎症も治っていきます。しかしアレルギーは体質によるものです。表面には出なくても、体の中では炎症が続いているんですよ。アレルギー性の咳の治療は、自覚症状が治まってからが本当の勝負。再発や重症化を防ぐためにも、医師の指示どおりに服用を続けましょう。

ドクターからのメッセージ

小島 淳院長

咳の原因がアレルギーにある場合、感染症の咳とは異なるアプローチが必要です。いくら咳止めを服用しても、きちんと気管支が広がっていなければ症状は治まりません。喘息という病気には診断基準がなく、そのため医師が専門知識を持っているかどうかが診断に大きく影響します。私は日本呼吸器学会認定の呼吸器専門医として、問診や検査結果から咳の原因を見極め、適切な治療計画を立てています。ダニ・スギのアレルギーに対しては舌下免疫療法も取り入れています。長引く咳でお悩みの方、季節や気候によって咳や息苦しさを感じる方は、症状を放置せずにぜひ相談にいらしてください。

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