隠れた疾患や原因を突き止める
専門家による頭痛治療とは
仙石クリニック
(豊島区/巣鴨新田駅)
最終更新日:2021/10/12


- 保険診療
日本人の多くが日頃から慢性的な頭痛に苦しんでいるといわれているが、病院で適切な治療を受ける人は多くない。そんな中、頭痛に特化した外来を設けて日々多くの患者に対応しているのが「仙石クリニック」だ。現代医学では、いまだ慢性頭痛の原因の特定は難しいとされているが、同院では丁寧な問診で頭痛の性質を把握し、適切な治療や患者の生活習慣の改善に努める。「たかが頭痛と軽視していると、命に関わるリスクが潜んでいることも。慢性的な病気だからこそ、地域に根づいたクリニックで診察を受けてください」と語る仙石祐一理事長。脳神経外科のエキスパートとして長年頭痛治療に取り組んできた仙石理事長に、頭痛治療の詳細を聞いた。
(取材日2019年5月29日)
目次
いまだ原因が明確に判明していない慢性頭痛。上手に付き合っていく方法を学び、ストレスや不安を軽減
- Q頭痛の種類について教えてください。
-
A
▲頭痛にも種類があり、さまざまな症状があると語る理事長
頭痛は大きく2つに分類されます。1つ目は、疾患以外の何らかが原因で慢性的に痛みがあり、慢性頭痛とも呼ばれる一次性頭痛。この一次性頭痛には、片頭痛・緊張性頭痛・群発頭痛などの種類があります。2つ目は、くも膜下出血や脳出血などの脳疾患や代謝的疾患など、全身疾患が原因で起こる二次性頭痛。こちらは命に関わる危険性が高いため、迅速に対応しなければなりません。一次性頭痛は原因は特定されていないことが多いのですが、激しい心身のストレスや女性ホルモンのバランスの変化などが誘因となることが多いようです。痛みは痛みを生むので、肩の張りなどからくる緊張型頭痛が前兆となり、片頭痛発作を起こすケースもあります。
- Q受診したほうがよい症状はありますか?
-
A
▲同院では患者目線の寄り添った診療を心がけている
日常的な症状だからと頭痛を軽視してしまうのは考えものです。「いつもの頭痛が始まった」と軽く考えていたら、実はくも膜下出血を起こしていて血管が破裂してしまったり、腫瘍があったりというケースもあります。すべての頭痛に過敏になる必要はありませんが、いつもと痛みの質や強さが違う、頻回である、突然起こるといったように、普段と性状が異なる場合は病院で診察を受けましょう。万一、脳に異常があった場合は迅速な対応が肝心ですし、たとえ一次性頭痛でも、市販薬や処方薬で痛みが治まらず日常生活に支障があるような場合は、頭痛を専門とする医師に相談することをお勧めします。何かほかの治療法や解決策が見つかるかもしれません。
- Q頭痛はどのように診療していくのでしょうか。
-
A
▲丁寧な問診により患者の悩みをくみ取る
当院ではまず、痛みの発生時期や、ズキズキ、ガンガンといった痛みの様子、痛みの頻度や持続期間などについて詳しく問診を行い、必要があればCT・MRIによる検査や脳波検査を行い、頭痛のタイプや原因を丹念に特定していきます。神経学的所見や血液検査を交えながら、診療を行うこともあります。私自身、頭痛の治療は「問診が8割」と考えています。問診でいかに頭痛の“質”を正確に探っていくかが、適切な治療や生活改善のアドバイスにつながっていくのです。中には精神的なものが頭痛の誘因となっていて、精神科にかかりにくいため当院に来たという方もいます。そういった悩みも、問診により丁寧にくみ取っていきます。
- Q頭痛の治療について、詳しく教えてください。
-
A
▲CTやMRIなどによる精密検査で頭痛の原因を探る
一次性頭痛の場合は、痛みにアプローチするトリプタン系薬剤や鎮痛剤を処方し、症状によっては痛みの発作を抑えるために予防薬を使用することもあります。薬を飲みたくない方は、原因を探り、頭痛を招く生活習慣を変えていくことで、なるべく頭痛を起こさないように導きます。そして頭痛が起こっても、うまく付き合っていく方法を患者さんと一緒に考えていきます。群発頭痛には近年に保険適応となった酸素療法を行い、二次性頭痛の場合は、まずは頭痛の原因となっている疾患に対する処置を行います。頭痛が起こることへの不安で痛みが強くなっている方、鎮痛剤をやめられないという方には、予防薬や向精神薬を使用するという選択肢もあります。
- Q慢性的な頭痛を予防するには、どうしたらよいでしょう?
-
A
▲頭痛の誘因を突き止め、それに沿う治療を行っていく
頭痛の誘因となっている環境が何かを見極め、その環境を取り除くことも大切です。例えば慢性頭痛の原因は明確になっていませんが、ほとんどの場合は心身のストレスが影響していることがわかっています。また寝不足や運動不足など、生活習慣の乱れが頭痛の誘因となることもあります。大切なのは「どうして頭痛が起こるのか」という原因を、患者さん自身が把握すること。それを認識できていれば、ある程度頭痛の発生を予測できますし、予測できればたとえ頭痛が起こっても、過度に不安にならずに済むでしょう。片頭痛には予兆・前兆があるタイプも存在しますので、前兆から痛みを予想できれば、気持ちの余裕にもつながりますよね。