仙石 祐一 院長の独自取材記事
仙石クリニック
(豊島区/巣鴨新田駅)
最終更新日:2026/07/15
都電荒川線巣鴨新田駅から徒歩3分の住宅地に位置する「仙石クリニック」。30年以上地域医療に貢献してきた歴史あるクリニックだ。先代の後を継いだ日本脳神経外科学会脳神経外科専門医の仙石祐一院長が、脳神経外科・胃腸内科・内科・外科を掲げ、「病気だけでなく人を診る」姿勢で地域の初診窓口としてプライマリケアを提供。MRIや脳波検査機、CT、超音波、内視鏡などの検査機器を備え、風邪や生活習慣病、頭痛、消化器症状、認知症相談まで幅広く対応する。あえて白衣を着用せず、患者に優しくフランクに接し、わかりやすいよう説明を行う仙石院長に、地域医療への思いや診療の特徴について聞いた。
(取材日2026年4月30日)
病気だけでなく人を診る
30年以上地域医療に貢献してきたクリニックなのですね。

もともとは1989年に、消化器内科や肛門分野を得意としていた父がこの大塚の地で開業したのが始まりです。2008年に現在の建物へ移転し、その後しばらくは二診制で診療してきましたが、父は母の介護のため引退、私が院長になり、脳神経外科・胃腸内科・内科・外科を診療しています。父の代から変わらず続けているのが、夜20時までの診療体制です。また、2019年に3階建ての院内を全面リニューアルし、MRIやCT、超音波、内視鏡などの検査を院内で完結できるように整えました。外部検査が負担となる高齢の方やご家族の声に応えたいという思いからです。入り口にスロープ、院内にエレベーターを設置し、トイレもバリアフリーにするなど、車いす・つえを利用する方の通いやすさにも配慮しています。
診療において大切にしていることを教えてください。
「病気だけを診るのではなく、その人自身をきちんと見る」ということです。症状だけでなく、その方の生活背景や不安な気持ちにも目を向けたいと思っています。患者さんが少しでも話しやすいように、上からではなく隣に並んで寄り添うような気持ちを大切にし、説明もできるだけわかりやすい言葉を心がけています。だからこそ、少しでもリラックスしていただけるように、あえて白衣は着ていません。また、「診療手帳」もお渡ししていて、その日の検査結果や説明内容、生活上のアドバイスなどを書き込んでいます。どうしても「何を言われたか忘れてしまう」という方は多いと思いますし、いざというときに情報がまとまっていると安心ですよね。実際、7割くらいの患者さんが活用されていて、お薬手帳と同じサイズなので一緒に保管される方も多いですね。
どのような患者さんがいらっしゃいますか?

一番多いのは頭痛の患者さんで、特に片頭痛を中心に20代から40代の方が多く、50代前半くらいまでの方が主な年齢層ですね。次いで多いのが生活習慣病の患者さんで、高血圧や脂質異常症などのご相談が続く、という感じです。脳神経系の疾患についてのご相談も多く、専門的な診療を求めて来院される方が目立ちます。都電が使える立地もあり、近隣にお住まいの方だけでなく、足立区や川口市、板橋区といった少し離れたエリアから来られる方もいらっしゃいます。認知症についても専門的に診ていますが、以前に比べると平日にも来院される地域の方が増えてきていて、ニーズの広がりを感じています。肥満症の外来に訪れる患者さんもいらっしゃいます。
危険な頭痛を見逃さないために
頭痛の診療で先生が特に大切にされていることを教えてください。

頭痛の診療で一番大事にしているのは、「危険な頭痛を見逃さないこと」です。頭痛が続くと寝不足やストレスかなと様子を見る方も多いと思いますが、中には見逃してはいけない頭痛もあります。MRIで調べてみると、動脈の異常や脳腫瘍が見つかるということもあり得ますし、少ないですがくも膜下出血を起こしている可能性もあります。ご本人ではなかなか判断がつかないことも多いので、一度きちんと検査を受けて「異常がない」と確認すること自体がとても大事だと思っています。ですから、これまで一度も検査を受けたことがない方にはMRIをお勧めすることもありますし、もともと頭痛持ちの方でも「いつもと違う」と感じたとき、例えば痛み方が変わったり、頻度が増えたりした場合は必ず受診してほしいとお伝えしています。
MRIに加え、脳波の検査もこちらでできるようになったのですね。
地域で脳波検査をお願いしていた施設が新規の受け入れをやめてしまい、「どこで検査すればいいのか」という状況になったのがきっかけで、2025年11月に導入しました。意識を失ったり、けいれんが起きたりする方は一定数いらっしゃって、そうしたケースでは脳波検査がとても重要になります。特にてんかんが疑われる場合は、脳の電気的な異常の出方を見て、治療が必要かどうかの判断にもつながります。一方で、脳波検査は認知症の評価にも役立つのですが、どうしても時間がかかる検査なので、ご家族の負担を考えると難しいこともあります。だからこそ、できるだけ患者さんやご家族に負担がかからない形で、院内で完結できる体制を整えることが大切だと考えました。安心して検査を受けていただけるよう、少し暗めの空間で目に優しい照明にするなど環境面にも配慮しながら運用しています。
認知症や物忘れの外来では、どのような流れで診断や対応をされているのでしょうか?

物忘れの外来では、まず認知機能検査をしっかり行うところから始めています。長谷川式知能評価スケールをはじめ、いくつかの検査を組み合わせて状態を見た上で、MRIで脳の状態も確認します。その結果を踏まえて大まかな見立てをつけ、さらに詳しい診断が必要な場合は、近隣の病院で脳血流検査を受けていただき、タイプの分類や治療につなげていきます。抗体薬については当院では実施していませんが、ご希望があれば東京都健康長寿医療センターや大学病院をご紹介しています。費用面や管理の課題もありますが、より専門的な施設での対応が望ましいと考えています。私たちの役割は、地域のクリニックとしてまず診断の方向性を示すことだと思っています。診断後は、ご本人やご家族とよく話し合いながら、生活状況に合わせた支援につなげていきます。
今後も地域のニーズに応え続けたい
生活習慣病の管理や内視鏡検査による胃腸疾患の早期発見にも注力されています。

生活習慣病については、高血圧症や糖尿病を中心にしっかり診ていて、必要に応じて管理栄養士による栄養指導も取り入れています。特徴としては、血液検査の結果をできるだけその日のうちにお伝えできる体制を整えていることですね。20分くらいで結果がわかるので、その場で「じゃあ薬をどうするか」といった治療の相談まで進めることができます。それが患者さんにとってわかりやすく、安心につながると思っています。内視鏡については、消化器内科を専門とする弟と連携していて必要な検査はそちらに任せながら、一般的な診療は私が担当しています。基本的に鎮静下で行う胃内視鏡検査や大腸内視鏡検査にも対応し、豊島区の健診にも関わるなど、地域のニーズに応えられるようにしています。
お忙しい日々の中、休日はどのようにお過ごしですか?
料理が趣味で、平日は娘が作ってくれることが多いのですが、休みの日は僕が担当することが多いですね。最近だとピザを作ったり、イタリアンを中心にいろいろ楽しんでいます。ワインも好きなので、家にワインセラーを置いていて、料理に合わせて選ぶのも楽しみですね。食材にもこだわっていて、その季節においしいものを使うようにしています。例えば山菜が出てくる時期には、それを使ったピザを作るなど工夫しています。妻も仕事をしているので、家事を分担しながら無理なく回すことを大切にしています。
その他、対応している治療と今後の展望について教えてください。

肥満症の外来に注力しています。治療は注射薬を中心に、体組成の変化や血液検査の結果などを定期的に確認しながら継続的に進めていて、継続率も高い印象です。患者さんの安全面を考えてオンライン診療は行わず、対面でしっかり管理しています。今後については、これまでと変わらずプライマリケアを大切にしながら患者さんと向き合っていきたいですね。豊島区は東京の中でも高齢の方が多い地域なので、そういう方たちに優しく寄り添っていきたいと思っています。困っている人がいたら力になる。それが自分たちの役割だと思っているので、これからも大事にしていきます。
自由診療費用の目安
自由診療とは肥満の外来の診療/初診7000円~、人間ドック/3万3000円、脳ドック/2万5000円(オプション:上部内視鏡検査/1万1000円、下部内視鏡検査/2万5000円)

