噛み合わせの異常から生じる
さまざまな全身症状の改善へ
長坂歯科
(港区/田町駅)
最終更新日:2025/11/05
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最近、耳鳴りやめまいがよく起こる、首や肩の凝りがひどくなってきた、などと感じている人も多いのではないだろうか。これらの症状は耳鼻咽喉科や整形外科の診療領域と考えるのが一般的だが、実は、歯科としても見逃すことのできない重要な症状でもある。というのも、これらの症状の原因が噛み合わせにあることも多いからだ。これまで噛み合わせと全身のさまざまな疾患について研究を重ねてきた「長坂歯科」の長坂俊幸院長は、「近年は耳の症状を訴えて噛み合わせを診てほしいと来院するケースがとても増えています」と教えてくれた。体の不調と噛み合わせの関連は医科でも注視されていて、耳鼻咽喉科や整形外科などからの紹介も増えているそうだ。具体的にどのような症状が出るのか、噛み合わせと全身症状との関連について尋ねた。
(取材日2025年9月18日)
目次
歯周病検査のほか、聴力測定や体のバランスのチェックなど客観的なデータで噛み合わせの不具合を把握
- Q噛み合わせが悪いと出る症状には、どのようなものがありますか。
-
A
▲客観的データの収集のために、聴力測定を実施している
噛み合わせが悪いと口腔内や全身にそれぞれ症状が出ることがあります。口腔内の代表的な症状は歯周病によるものです。歯周病は歯を支えている骨が溶ける病気。歯茎からの出血、腫れによる痛みの他、悪化すると歯が揺れ、進行すると歯が抜けることも。また、虫歯・根尖病巣・歯根破折なども見られます。全身症状では口が開きにくい・口を開くと顎が痛い・顎から音がするといった顎関節症や、耳鳴り・難聴・めまいなどの耳症状、頭痛、首凝り・肩凝り、背中の痛み、四十肩・五十肩、腰痛、坐骨神経痛、膝痛など、体の至るところに症状が出る場合があります。こうした噛み合わせが悪いことで起こる全身症状を総称して「咬合関連症」と呼びます。
- Q噛み合わせが悪くなる原因は何ですか。
-
A
▲丁寧な説明、患者とのコミュニケーションを大切にしている
一番の原因は「偏った噛み癖」です。人間の咬合力は非常に強いため、本来はすべての歯で協力して力を分散しています。すべての歯でバランス良く噛めていれば均等に力を分散できますが、偏った噛み癖があるとバランスが崩れ、過度な負担を受ける歯が出てきます。過度な負担を受ける歯は、歯槽骨が支えきれなくなり、歯周病が進行し最終的に歯が抜けてしまうこともあります。悪い歯を放置していると、偏った噛み方をするのでさらに噛み合わせが悪くなるという悪循環にも陥ります。このように抜けた歯や虫歯などを放置しておくと、噛み合わせが悪くなります。歯ぎしりや食いしばりも噛み合わせに影響を与えますので注意してください。
- Qどのような検査を行うのですか。流れを教えてください。
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A
▲噛み合わせの状況を確かめるため腕上げのチェックも治療前に行う
一般的に噛み合わせの良しあしについて患者さんや歯科医師の感覚に頼りがちなのですが、それでは適切な診断は難しいと考えています。適切な診断のためには、噛み合わせが悪い時に出る口腔内症状と全身症状を調べ、客観的データとして見ていく必要があります。まず口腔内では歯周病検査を行います。歯周病の進行度合い、ポケットの深さを調べ、噛みすぎている箇所を診断します。そのほか、全身症状に関しては聴力測定を行います。というのも噛み合わせの悪化によって聴力が低下することもあるからです。さらに首の可動域、腕の上げ下げなど、体のバランスのチェックも行います。顎関節や周囲の筋肉などの触診も含め、状態を把握していきます。
- Q改善のためにどのような治療を行っていますか。
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A
▲口腔内環境を良くすることが全身の健康につながる
まずは、バランスの良い「噛み方」をめざしていきます。噛み合わせ治療のゴールは「すべての歯でバランス良く噛めるようにすること」です。抜けている歯・悪い歯があり、偏った噛み方をしている場合は、その治療を行い、バランス良く噛めるような口腔内環境をめざします。長年の偏った「噛み癖」を直すため、患者さんにも正しい噛み方の練習をしていただきます。噛み合わせが良くなれば、歯周病・顎関節症の改善にもつながります。噛み合わせは全身症状とも関連します。耳鳴り・難聴・めまい等の耳症状や、肩凝り・頭痛などの全身症状を把握しながら、噛み合わせに関するデータとして治療に活用します。ですので歯列矯正や外科手術は行いません。
- Q噛み合わせ治療における先生のこだわりをお聞かせください。
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A
▲話しやすい雰囲気で、なんでも相談できる長坂先生
噛み合わせ治療では感覚に頼らず、データによる診断を重視しています。聴力測定を治療期間中も随時行い、経過を確認しています。当院は、開業当初から「抜歯をしない治療」を理念としています。歯は28本で一つの器官です。1本でも抜けてしまうと噛み合わせのバランスが崩れるので、すべての歯を保存することに尽力しています。院内に技工所があり、歯科技工士が常勤しているのも特徴です。技工士が、患者さんの噛み方を実際に確認した上で補綴物を作製するため、精密な補綴物を作ることができます。歯科医師・衛生士・技工士で連携をし、患者さん一人ひとりをすべてのスタッフが把握して治療することが、治療において重要だと考えています。
自由診療費用の目安
自由診療とは聴力測定などを踏まえた噛み合わせ診断/8800円(初診時のみ)

