田中 一史 副院長の独自取材記事
浜松町アイクリニック
(港区/浜松町駅)
最終更新日:2026/10/13
浜松町駅から徒歩3分、大門駅直結のビルの中にある「浜松町アイクリニック」。周辺のオフィスワーカーや地域住民を中心に、竹芝桟橋を経由して島しょ部に住まう人、羽田空港を利用する観光客なども迎え、幅広い眼科診療を行っている。昨年から田中一史副院長が新たに加わり、白内障手術もできるようになった。現在も大学病院で難症例の白内障への執刀を担当したり、網膜硝子体手術と白内障手術を同時に実施したりすることも珍しくないという田中副院長。経験に基づくスキルを「院長である母が長年かけて築いてきた患者さんとの信頼関係を損なうことなく、この場所で生かしきりたい」と語る。手術後の患者の笑顔を見るのが何よりの喜びという田中副院長に、診療にかける思いなどを詳しく聞いた。
(取材日2026年9月16日)
豊富な手術経験をもとに大学病院レベルの医療を地域へ
まず、医師を志したきっかけから教えていただけますか。

父が内科、母が眼科の医師で、小さな頃から医師として働く大人の姿がごく身近にありました。祖父母も医師だったので、「家業」として意識していたようにも思います。父と同じ消化器内科も、がんの手術で患者さんの命を救うことにつなげられるところに興味がありました。しかし、それは開業医にはできません。一方、眼科ならクリニックでも患者さんに喜んでもらえる手術を続けることができると考え、母と同じ道を選びました。眼科の道を選んで本当に良かったと思っています。また、患者さんの期待を裏切れないというプレッシャーにも強い領域ですから、それが私を成長させてくれました。
これまでのご経歴についてもお聞かせください。
東邦大学卒業後は目黒区の同大学医療センター大橋病院で臨床研修を受けましたが、都会ではふれられる症例、経験できる手術にも限りがあると感じました。「開業医に必要なトレーニングを積むためには東京から離れなければ」と、千葉にある同大学医療センター佐倉病院眼科に入局。急患を含め多種多様な症例が集まってくる現場で、しっかりと研鑽を積むことができました。手術も白内障、緑内障、眼瞼下垂症などを一通り経験し、現在は網膜硝子体手術を主に担当しています。また、学術面にも力を入れている医局で、研究発表の機会にも恵まれました。そろそろ年齢を重ねてきた母のクリニックを手伝えたらと、昨年から毎週水曜日に当院で手術と外来を担当しています。
先生の参加でクリニックはどう変わりましたか。

これまで、白内障手術が必要な患者さんは他院を紹介していましたが、シームレスに手術までご案内できるようになったのが大きく変わった点です。院内の検査設備を新しくするとともに、当院から徒歩5分のビルに手術室を設けて、先進の手術装置やオペ用顕微鏡を導入しました。術後の眼内炎などの重篤な合併症を防ぐために、手術前・手術中・手術後の感染症対策は、大学病院と同等レベルで行えるようにしています。手術後の経過までしっかり見届けることも、外科手術に携わる医師として大切な役割だと考えているので、自分が執刀した患者さんは1週間後の外来で必ず診る体制にしています。もちろん、これまでどおりさまざまな眼科疾患に幅広く対応しているところは変わらないので、白内障以外でも気軽にお立ち寄りください。
術後の見え方に徹底的にこだわる白内障手術
白内障手術の具体的な流れが知りたいです。

白内障手術とは、濁った水晶体を砕いて吸引し、水晶体嚢という袋から取り出し、眼内レンズに入れ替える手術です。局所麻酔による手術となり、所要時間は15~30分程度で、基本的に片目ずつ行います。術後は眼帯をして翌日には外せますが、術後感染を予防するために、しばらく洗顔や洗髪は控えていただきます。また術後の炎症をみるために、定期的な診察を行います。
どのような人が白内障手術の対象になりますか?
当院で対象としているのは、見えにくさの原因が白内障であることが明らかな方です。そのため、例えばOCT(光干渉断層計)や細隙灯顕微鏡で、緑内障、加齢黄斑変性症、黄斑前膜、糖尿病網膜症・網膜浮腫などがないかを精査しています。こういった病気があると、白内障の手術だけでは視力の回復が見込めないため、大学病院などを紹介しています。実際、私が大学病院で手がけている白内障手術も、硝子体手術などと同時に行うケースがほとんどです。視力が出ない、視界がかすむ・ぼやける、光をまぶしく感じるなどで日常生活に不便を感じるようになったら、手術を検討しても良いでしょう。
白内障手術で何を大切にしていますか。

術後の見え方をとても大事にしています。そのためには、患者さん一人ひとりの希望やライフスタイルによく耳を傾け、適切なレンズをご提案できなくてはいけません。保険適用の単焦点レンズでは、近く、中間、遠くのいずれか一つに焦点を合わせます。当院では選定療養の多焦点レンズを希望される方も多く、十分な経験に基づくアドバイスができるのも強みといえるでしょう。乱視の方、レーシックを受けている方などにも対応しているので、お困りの際はご相談ください。また、当院では色彩のコントラストをくっきり感じられるような眼内レンズにもこだわっています。鮮やかな視界を取り戻すことにつながると、気持ちまで明るくなることも望めます。そんな手術ができるように、いつも全力を尽くしています。
一人ひとりの「見える」を見守り人生をより豊かに
今後の展望についてお聞かせください。

当院は長年通ってくださる方が多く、おかげさまで診療を続けてこられました。手術もできるようになったと知って「誰がやっているの?」とのお問い合わせもあるようですが、院長の息子である私が担当しているので、安心してもらえればと思っています。大学病院との連携は、白内障だけではなく緑内障に関しても生かしていきたいです。視野検査機器も新たに導入し、手術が必要になったタイミングを逃さずに迅速に紹介したいと考えています。また、今後は眼内コンタクトレンズの挿入手術もできるよう検討中です。老眼や白内障による見え方の変化が出るまでは快適な視力を保つことが期待できるので、20代で検討する価値も大いにあるのではないでしょうか。
お忙しい毎日と存じますがリフレッシュできる趣味などはありますか?
中学から大学までやっていたバスケットボールも、スキーやスノーボードもまったくやらなくなってしまいました。というのも眼科の手術というのは、両手はもちろん、フットペダルで両足も使うので、どこもけがをできません。ジムで筋トレはしていますが、それも手術のためのようなものかもしれませんね。手術は体力だけではなく姿勢も大事です。顕微鏡をのぞくときも肩を落としすぎず、体をかためないようにしないといけません。首、肩、腰、どこかを痛めて手術に影響が出ないように、程良く脱力して行うのが大事ですね。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

五感から得られる情報のうち8割以上が視覚由来といわれています。今後とも眼科診療を通じてQOV(クオリティ・オブ・ビジョン)を高め、より豊かな人生へと導くサポートをしていきたいです。「もっとよく見えるように」との一心で白内障手術に挑んだ患者さんの勇気を無駄にしてはいけないと、肝に銘じない日はありません。大学病院では白内障手術によるトラブルで送られてきた患者さんの手術をすることもあり、クリニックで間違いのない手術を提供する大切さを痛感しています。白内障手術のほかにも、幅広く眼科診療を行っていますので、小さなお悩みでも気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは白内障手術における多焦点レンズ/40万円~

