田中 貴美子 院長の独自取材記事
浜松町アイクリニック
(港区/浜松町駅)
最終更新日:2026/10/13
大門駅直結のビル内にあり、浜松町駅からも徒歩3分の「浜松町アイクリニック」。天井の高い院内には、四季の移ろいを描いた絵画がさりげなく飾られ、目に優しい空間が広がっている。田中貴美子院長の温かな笑顔、深いまなざしに迎えられ、ほっとする患者も多いだろう。オフィスワーカーを中心に、近隣住民、海路・空路でのアクセスの良さから遠方より訪れる人など、多様な患者を受け入れてきた同院。幅広い眼科診療に加え、2025年からは新たに日帰り白内障手術も可能になった。目の前にある一つの症状を解決するだけではなく、将来的なリスクを感じたら告げずにはいられないという田中院長。心身の健康を守る眼科診療とはどのようなものなのか、詳しく話を聞いた。
(取材日2026年9月19日)
子育てしながら貫いた眼科の道。地域にすべてを還元
まず、医師を志したきっかけやご経歴を教えてください。

代々続く医師の家に生まれ、自然とこの道に進みました。父方は江戸時代から脈々と医師を輩出し続けた家系なんです。実家では外科の父と内科の母が医療機関を営んでいて、医療で人のために尽くす「医は仁術なり」という生き方を当たり前のものとして育ちました。日本大学医学部卒業後は同大学病院での研修を経て、長男を妊娠したのを機に獨協医科大学埼玉医療センターの眼科に入局。眼科教室でお世話になった小原喜隆先生の奥さまも眼科の医師だったこともあり、子育ても応援してくださいました。そのおかげもあり、3人の子を育てながら多くの研鑽を積むことができました。その後、夫が病院長を務める実家の医療機関を週に2〜3日手伝っていましたが、この地域で45年間クリニックを営んでいた野上公子先生から後継者にと声をかけていただいたのが2008年です。
その時から、こちらの歴史がスタートしたのですね。
野上先生は、長い間「継承はぜひ田中先生に」と希望して待っていてくださったんです。私が足踏みをしているうちに野上先生がご体調を崩されてしまい、意を決してバトンタッチすることにしました。ちょうど花粉症がピークの2月で初日から大混乱でしたが、「先生が来てくれて本当に良かった」とほっとしてくださる患者さんたちを目の前にしたら、もう後には引けなくなりましたね。2018年にビルの建て替えが決まったときには閉院を考えたこともありました。しかし、すでに眼科の医師になっていた長男が「将来は僕が引き継ぐよ」といってくれたので、この場所に移転して名前も新たに再スタートしたのが2018年です。2025年からは彼が副院長として毎週水曜日に診療をしています。
日帰り白内障手術ができるようになったと伺いました。

副院長は現在、東邦大学医療センター佐倉病院眼科の医局員であり、外来医長をしています。さまざまな手術などを数多く手がけています。ここから徒歩5分のビル内に開設した手術室には先進機器を備え、質の高いクリーンルーム規格を採用しました。術後の見え方に徹底的にこだわり、単焦点レンズだけではなく多焦点レンズにも対応しています。
白内障のほか、どのような疾患に対応されていますか?
ドライアイ、結膜炎、結膜出血、ヘルペス角膜炎など日常的な目の不具合から、緑内障、網膜上膜、黄斑変性症、網膜剥離、眼底出血、糖尿病性網膜症、高血圧性網膜症など、放置していては重篤な視力低下を引き起こす病気まで幅広く対応しています。目は生きていく上でとても重要な器官なので、少しの違和感でも遠慮なくご受診いただければと思います。
目は心身の窓。全身疾患を早期に発見して命を守りたい
診療において何を大切にされていますか?

病気は私のものではなく患者さんのものです。ご自身が自覚して「治そう」と思わなければ治療はスタートしません。そのため、患者さんの意識を変えることに重点を置いています。例えば、自覚症状がない高血圧症も、眼底検査をすれば網膜の血管が細くなっている様子がわかります。30代で異変が起きている方を見つけると、つい息子たちを目の前にしているような気持ちになり「内科を受診していますか?」とたずねずにはいられません。健診で異常を指摘されているのに放置している方には、血圧計を2週間貸し出して記録してもらいます。30代の高血圧症には副腎や脳の異常から起きているケースもあり、治療しなければ40代で脳出血につながりかねません。早期治療が肝心です。
患者さんの将来にわたる健康にも目を配られているのですね。
例えば、視力検査をして「近視が強いですね」だけではなく、強度近視は網膜剥離のリスクがあり、どのような点に注意すべきなのかも説明しています。また、ドライアイはさまざまな眼病のもとであるだけではなく、ひいては心の不調を引き起こしかねません。相互関係が指摘されている抑うつ状態、不安症、睡眠障害の兆候がないかにも注視しています。家族のための時間を確保したいと選んだ眼科でしたが、両親のように命に関わる疾患に携わっていない点に負い目もありました。しかし、実は眼科診療を通じて、目だけではなく心身の健康を守れると思っています。将来の健康リスクまでじっくりとお話しして、なおかつ忙しい方も受診しやすいようにと配慮できているのは、スタッフたちのおかげですね。
笑顔がすてきな、話しやすいスタッフさんたちも印象的です。

看護師、視能訓練士、医療事務といったエキスパートが働いてくれています。医療業界は初めての人も採用してきました。大切なのは、何ができるかよりも人柄です。全員が女性ですが、みんな仲良く「誰と組んで仕事をするのも楽しみ」といってくれています。「一緒に気持ち良く働く」ことを最優先にしようと呼びかけてきたのが良かったのかもしれません。患者さんから「ここは優良企業ですね」とのお言葉をいただいたこともあるんです。「企業なんて規模ではありませんよ」と答えたら「大きさじゃない。中で働いている人が気持ち良く働けているかどうかです」と。うれしい気持ちで満たされました。スタッフ一人ひとりを、これからも大切にしていきたいです。
常に先進機器にブラッシュアップ。患者に最善を尽くす
今後の展望についてお聞かせください。

眼科は検査機器が重要なので、常に大学病院に置いてあるような先進機器に刷新してきました。例えば、近赤外線を使って目の奥の網膜や視神経を見るOCT(光干渉断層撮影)装置も、3台目を導入しました。クリニックでは採用例は少ないようですが、初期の緑内障を発見するために欠かせない機材です。視野検査のための機器も新しくしました。外来診療では白内障緑内障にも注力しています。特に緑内障初期の発見と治療を心がけ、初期~中期は点眼による眼圧コントロールもしくは必要あればレーザー治療、中心視野に異常がある後期~末期は大学病院緑内障外来と連携し、一人の患者さんを当院と大学病院緑内障専門医師と併診して患者さんの「見える」を守っています。
お忙しい毎日と存じますが、リフレッシュ法はありますか?
目の前の患者さんに喜んでもらいたい一心で診察していますが、気分転換になるのが大学時代に始めたテニスです。「帰りにテニスをしよう」というのがモチベーションになっています。時間ができたら、ピアノも再開したいですね。また、トイプードルのマロンとヨークシャテリアのショコラとの散歩も息抜きになっています。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

ちょっとした困り事でも「あそこに行けばなんとかなる」と、気軽に足を運んでいただけるクリニックでありたいと思っています。目の調子が悪いと来た患者さんが、精神的にも疲れていると感じられるのはよくあることです。そんなときも、当院が少しでもほっとできる場所になれたらと願ってやみません。予約をして、ここに来て、治療や検査を受け、帰っていく瞬間まで、ずっと快適に過ごしてもらうという一つの目的に向かって全員で力を合わせています。縁あって出会えた患者さんたちが、将来にわたり目だけでなく心と体の健康も維持できるよう、持てる力のすべてを注いでいきたいです。
自由診療費用の目安
自由診療とは白内障手術における多焦点レンズ/40万円~

