歯をなるべく削らずに行う
コンポジットレジンを用いた虫歯治療
麻布十番歯科オーラルケア
(港区/麻布十番駅)
最終更新日:2023/11/13


- 自由診療
虫歯治療にはさまざまな方法があるが、虫歯の部分を削って詰めることが基本。だが、歯は一度削ってしまうと元には戻せず、削れば削るほど歯の寿命は短くなってしまう。そのため近年では、できるだけ歯を削らず、侵襲を最小限に抑えて治療する「ミニマル・インターベンション(MI)」の考え方が広まっている。MI治療を実践する「麻布十番歯科オーラルケア」では、コンポジットレジンという白い詰め物を用いた虫歯治療に注力。鳥居秀平理事長は「合金の詰め物を使用する場合、歯を多めに削る必要があるのですが、コンポジットレジンは虫歯の部分だけを削れば詰めることができ、歯の神経(歯髄)を守ることや、天然歯の保存につなげることができます」と、そのメリットを語る。コンポジットレジンを用いた虫歯治療について、鳥居理事長に詳しく聞いた。
(取材日2023年10月6日)
目次
時間をかけて個々の処置を丁寧に。自由診療で行うコンポジットレジン修復で、歯の保存と審美性の両立を図る
- Qコンポジットレジンとは、どのようなものなのでしょうか?
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A
▲鳥居理事長はMIに基づく治療を重視している
コンポジットレジンは歯科治療で用いられる歯科材料の一つで、白い詰め物として虫歯治療などで使われています。レジンとは樹脂のことですが、コンポジットレジンはセラミック粒子と合成樹脂を8:2の割合で混ぜ合わせたもので、ほぼセラミックでできています。治療時にはペースト状のコンポジットレジンを歯に詰めて、特殊な光を当てて固めていきます。従来の虫歯治療では、詰め物にいわゆる「銀歯」を使うことが一般的でしたが、コンポジットレジンは白い素材なので目立ちにくく、銀歯と比べて自然な仕上がりが期待できます。保険診療のコンポジットレジン修復もありますが、当院の白い詰め物の外来では自由診療で行っています。
- Q審美面以外の、コンポジットレジンのメリットを教えてください。
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A
▲天然歯に色合いが近く、自然な仕上がりが望める
最も大きなメリットは、歯髄を守るのに有用な修復方法だということです。当院では歯質や歯髄への侵襲を最小限に抑え、悪くなったところだけを除去して修復する「MI治療」を実践しています。従来の虫歯治療では、虫歯やその周辺の組織を削って空いた部分に詰め物をはめ込む方法が主でしたが、この方法では詰め物の形に合わせるために虫歯に感染していない、健康な歯質を削る必要がありました。一方、コンポジットレジンは虫歯の部分だけを取り除き、削った部分に直に歯科材料を詰めていくため、歯を削る量は最小限で済みます。また、詰め物を作製するための型採りが不要なので、基本的には1日で治療が完了。治療期間が短いこともメリットです。
- Q保険診療と自由診療の違いはどこにありますか?
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A
▲虫歯の部分だけを削って歯の神経を守る
使用する歯科材料にほとんど違いはありません。しかし保険診療の場合、治療にかけられる時間に制限があるためスピーディーな治療となるのに対して、自由診療の場合は制限がないので、一つ一つのステップを丁寧に行うことができます。虫歯になった部分を注意深く取り除き、かつ健康な部分を削らないようにするには、やはり時間がかかります。なるべく侵襲の少ない治療で天然歯を長持ちさせたい、虫歯の再発リスクを抑えたい、見た目もきれいに仕上げたいと希望される方には、自由診療のコンポジットレジン修復が適していると思います。
- Qどのような場合の治療に適していますか?
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A
▲マイクロスコープを用いて精密な治療を心がけている
虫歯を削った後の修復や、過去の治療で入れた詰め物の脱落や破損、詰め物が変色してしまった場合などは、コンポジットレジンが適していると思います。また、見た目が気になるので銀歯を白い詰め物に変更したいと希望される患者さんも多いですね。虫歯以外にも、歯が折れたり欠けたりした部分をコンポジットレジンで補うこともあります。金属やセラミックに比べると強度はやや劣るため、以前は力のかかりやすい奥歯や、広い範囲の修復には向いていないといわれていました。しかし、近年は歯とコンポジットレジンを接着する接着剤の性能が向上し強度も上がってきたため、比較的大きな奥歯にも使われるなど適用範囲は広がってきています。
- Q治療を受けるにあたって気をつける点はありますか?
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A
▲定期的に通院してメンテナンスを受け、虫歯を予防しよう
治療前・治療後に関わらず、虫歯や歯周病の予防が大切です。当院では、まず位相差顕微鏡や歯垢の染め出しで口腔内の細菌をチェックしています。細菌の数が多い状態で虫歯治療を行っても、再発するリスクは高いままです。また、歯肉炎などで歯茎が腫れた状態ではコンポジットレジンをきれいに詰めることはできません。ですから、プラークコントロールをしっかりと行った上で治療を開始することが大切です。もちろん、コンポジットレジンで歯を修復した後、その状態を維持するためには、毎日のブラッシングと定期的なメンテナンスが欠かせません。3ヵ月に1度は歯科医院でチェックを受けましょう。
自由診療費用の目安
自由診療とはコンポジットレジンを用いた虫歯治療/4万4000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。