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小林 城治 院長の独自取材記事

Jメンタル五反田駅前クリニック

(品川区/五反田駅)

最終更新日:2020/06/04

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独自のリワークプログラムを行う「Jメンタル五反田駅前クリニック」。自然光あふれる院内には心地良い音楽が流れ、木の葉の合間から小鳥の置物が顔をのぞかせるなど、患者をもてなすこまやかな配慮であふれる院内。院長の小林城治先生は、「患者さんが自己肯定感を取り戻し、自分の足で新たな1歩を踏み出すお手伝いができれば」と目を細める。驚いたのは、壁面に飾られている絵は患者の作品だということ。「心の状態が安定してくると、皆さん良い絵を描けるようになるんです」と目を細める小林先生に、同院ならではの取り組みについてじっくり聞いた。
(取材日2020年3月6日)

心と体の両方に向き合いアプローチ

まずはクリニックの概要を教えてください。

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最初に戸越銀座で開院したのは2008年。主に不眠症やうつ、不安障害などを診ていたのですが、患者さんが復職してしばらくするとまた休職してしまうケースがとても多いことが不思議でした。そこで従来の心療内科や精神科の治療に加えて、作業療法や集団療法を取り入れたリワークプログラムを始めたんです。分院も設けたのですが、手狭になってしまったため、2019年4月に「Jメンタル五反田駅前クリニック」として新たなスタートを切りました。当院の特徴は、医師による診療のもと、臨床心理士や看護師、管理栄養士など各専門家による多彩なプログラムを提供できること。院内には診察室の他にカウンセリングルームやリワークデイケアルームを設け、カウンセリングやデイケア、ヨガ、瞑想、集団療法など多角的なアプローチで症状の改善と職場復帰をめざしています。

どのような患者さんが多いのでしょうか。

男女とも20代から40代の患者さんが多いですね。20代では女性の比率が高く、年齢が上がるにつれて管理職の方や男性が増えてきます。相談内容はうつ病や、パニック障害、社会不安障害、PTSD、更年期障害から不眠や発達障害、適応障害、パワハラといった職場の悩みなどさまざまです。最近は不登校のお子さんに関する相談も増えています。精神科の薬の中には依存性のあるものがあり、「一生薬を飲み続けなければいけないと言われた」「薬の量がどんどん増えてきた」という相談も少なくありません。

診療方針について教えてください。

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患者さんはさまざまな悩みや不安を抱えて来院されるので、どのような訴えに対しても、まずはしっかり受け入れることを大切にしています。それと薬物に頼りすぎないこと。最初は薬を使ったほうが良いという場合は薬を使いますが、調子が良くなってきたら徐々に薬を減らし、最終的には薬に頼らずに自立できるようサポートしていきます。また、心と体は連動しているので、心身ともに調子を整えていくことを目的に漢方薬も取り入れています。なにより大切なのは、悩みの根本が心の問題なのか、体の健康状態の問題なのかをしっかり見分けること。当院では専門家と心理士のもと、心と体の両方に向き合いながら、根本的な問題の解決と治療をめざしています。

「社会脳」を育み、スムーズな職場復帰をめざす

精神科の医師の診療と心理士によるカウンセリングの両方を受けられるのですね。

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薬である程度安定したとしても、その方が抱えるトラウマや心の傷がそのままでは、本当に改善したとは言えないと思うんです。心の問題で1番多いのは、幼年期から思春期にかけての親との関係です。患者さん本人が無意識に封印してしまっていることもあるので、心理士と連携しながら、時間をかけて絡み合った問題の糸を解きほぐしていきます。原因がわかれば、薬や瞑想、カウンセリング、絵画、食事などその方に合う方法でアプローチし改善をめざします。カウンセリングとメンタルクリニックのどちらを受診したらいいのか悩んでいる患者さんにも、安心して受診していただけるのではないかと思います。

発達障害や不登校の相談に対してはどのように対応しているのでしょうか。

最近はインターネットなどで調べて自分は発達障害ではないかという方が非常に多いですね。でも、診察してみると、ADHDや自閉症など専門的な治療が必要な発達障害の方は3割いるかいないかで、適切な時期に適切な人間関係を築くスキルを習得できていなかった方がほとんどです。また、不登校のお子さんは、登校時間になると腹痛を起こして、そのあとはケロッとしていることが多いため、親や先生から嘘つき呼ばわりされているお子さんもいます。家でも学校でも否定されてしまった子どもはどうなるでしょうか。当院では否定しないことから治療をスタートします。また、お子さんに対しては絶対に睡眠薬や抗うつ剤は使用せず、症状に対して漢方薬を処方するようにしています。お悩みの方はご相談ください。

リワークプログラムについて教えてください。

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うつ病などメンタルヘルスの不調で休職中の方のための復職支援プログラムをリワークプログラムと言います。当院では患者さんごとに心理士が作成しており、多彩な内容を用意していることが特徴です。これまで何度も復職に失敗している方を積極的に受け入れています。当院がめざすのは、ただ職場復帰することではなく、その人らしさを発揮しながら社会貢献のできる人材となること。人間的成長と言ってもいいかもしれません。最初のうちは通院すらつらく感じていた患者さんが、次第に集団の中に身を置くことに慣れ、グループ内に仲間意識が芽生える課程は、見守るスタッフにとっても大きな喜びです。社会脳とは、自己と他者と社会を結ぶ脳の働きのこと。現代社会においては、社会脳の一部がうまく働かないことで、依存症や発達障害、引きこもりやうつなどの社会不適応が生まれるとも言われています。

めざすのは自主自立。自分らしく生きることをサポート

先生自身も医師になるまでに、いろいろあったそうですね。

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実は私、最初は教育学部で心理学を学び、教員になったんです。ただ、どうしても教員生活になじめない自分に気づき、医学部を再受験しました。教員だった父と精神科の医師だった母、そして恩師との出会いが私を精神科の医師に導いてくれたのだと思っています。もともと興味のあった分野だったとはいえ、父と母の両方の職業を経験できたことは、私にとって大きな収穫でした。長い人生の中には、さまざまな出会いがあります。中には「絶対に許せない」という相手もいるでしょう。でも、誰かを許せないと思っている間は、無意識のうちに相手を許せない自分に苦しんでいるものです。他人を許すことが自己肯定につながるといきなり言われても受け入れられないかもしれませんが、さまざまなプログラムを通じて自分と向き合う中で、ふと他人を許せるようになった自分と出会えるかもしれません。

今後の展望をお聞かせください。

最近気になっているのはスマホ依存。ゲームの他、女性に多いのが課金式の占いで、依存していることに本人も周りも気づかないまま、どんどん深みにはまってしまうケースが多いようです。占いや薬物に依存してしまう人に対して当院がめざすのは、自主自立。自分らしく生きていくためにどうすればいいか、他者と関わり、社会の中で生きていくための道しるべを見つけるお手伝いをしています。今、生きづらさを感じている方、社会の中に自分の居場所を見つけられず苦しんでいる方、本当に困っている方に、ここへ来ればあなたは一人ではないですよというメッセージを届けたいですね。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

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視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚など人間の感覚に対する刺激を遮断すると、多くの人は正常な心理状態を保つのが困難となり、幻覚を見たり、自分が何者なのかがわからなくなったりするそうです。そこで明かりをつけて被験者に話しかけると、はっとわれに返ったとのこと。このことから、人は他者の存在を通して自分を認め、心の安定を得るということがわかりました。人は独りでは生きられないといいますが、相手の存在を認め、相手が何を望んでいるのかをくみ取り、相手のために何かをするということは人として生きていく上で欠かせない行為です。当院では人との関わりを通して自分を取り戻し、人として歩みだすお手伝いをしています。お困りごとやお悩みのある方は、お気軽にご相談ください。

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