川村 敏 院長、有田 和旦 先生の独自取材記事
川村内科クリニック
(品川区/大井競馬場前駅)
最終更新日:2026/01/23
数多くの集合住宅が並ぶ品川区の団地・八潮パークタウン内、大井消防署八潮出張所前バス停から徒歩2~3分の場所にある「川村内科クリニック」。院長の川村敏(さとし)先生は団地が造成された当初から地域住民のかかりつけ医として40年以上、幅広い診療に対応してきた。外来診療と訪問診療を兼ね、通院が難しくなった患者の自宅に日々、足を運んできめ細かなケアを提供している。2025年4月からは、この団地出身の有田和旦(かずあき)先生も同院で診療に従事、医師2人体制となり、さらに利便性を高めている。クリニックの特徴や地域医療への思いなどについて、川村院長と有田先生に話を聞いた。
(取材日2025年9月10日)
外来診療と訪問診療を兼ね、幅広い診療を提供
40年以上、この地で診療されているのですね。

【川村院長】この「八潮パークタウン」ができたのとほぼ同時、1984年に開業しました。診療方針として、総合的にできるだけ幅広い症状の患者さんを受け入れ、必要に応じて専門の医療機関に適宜、ご紹介できる体制をとっています。また、当院は外来診療と訪問診療の両方を兼ね、院内で患者さんを診る一方で、1日あたり複数件の在宅患者さんの訪問診療も行っています。この団地内には他にも医療施設があって、当院はその中でも中心地からは離れた所にありますから、普通にやっていたのではさほど患者さんが集まらないという思いもありましたので、開業当初から高齢者世帯を中心とした在宅訪問診療には力を入れてきました。地域のニーズにも合っていたと思いますし、今後ますます需要は高まっていくと思います。
2025年4月からは、新たに有田先生もクリニックに加わりましたね。
【有田先生】はい、私は0歳からこの八潮団地で育ち、団地内の幼稚園・小中学校に通いました。現在も実家は八潮団地内にありますし、私や私の家族も、もともと川村院長がかかりつけ医だったんです。私自身は医師になる以前、臭気判定士という国家資格を取得し、空気環境系のコンサルテーション業務に従事していました。その後、一念発起して滋賀医科大学に学士編入、卒業後は東京大学医学部附属病院などで救急・集中治療に携わってきました。その経験を通じて得た知識を生かしながら、故郷である八潮に貢献できればという思いで、当院で診療することを決めました。
診療にあたっては、どのようなことを心がけておられますか?

【有田先生】患者さんが入って来られた段階から、もう診療は始まっていると思っています。患者さんのお困り具合は表情にも表れますし、診察室に入られる際の歩き方などまで含めて、最初の印象から気をつけて見るようにしています。困っていることについては積極的に話を聞いて、どのように医療として介入できるかを考えていきます。訪問診療の場合には、できる限り自宅で生活したいなど患者さんのご希望がそれぞれにありますから、そうした患者さんご本人の意思にどのように添えるかということと、医療をいかに間違いのないよう提供できるかとの兼ね合いを考えながら方針を決めていくことを心がけています。
アメリカでの研究経験を生かし地域医療に貢献
川村院長はアメリカで学ばれた経験が礎になっておられるとか。

【川村院長】1967年に日本大学医学部第二内科に入局して腎生理学を主体に研究したのち、1972年にアメリカのテキサス大学に留学しました。セルディン主任教授やレクター教授の下で腎生理学の研究を続け、毎日400倍顕微鏡下で行うミクロの世界の研究に没頭しました。1年半が過ぎた頃に予想を超える研究成果が出て、最終的に1975年までアメリカに滞在することになります。その期間は全く臨床から離れ、言葉や研究で泣く思いをした苦労の連続でしたが、アメリカでの生活は強烈な印象として残っていますし、現在、日々診療をしていく上でも自分の根本には当時の経験があります。
在籍する医師が2人体制になってから、クリニックにはどのような変化がありますか?
【川村院長】以前から当院の後継者を探して体制を維持したいと考えていたところ、この団地出身の有田先生が入ってきてくれました。2025年の5月頃から院内の床や壁面なども改装し、CT検査機器も導入するなど、院内設備も新しくした箇所があります。また、多くのクリニックは外来診療と訪問診療のいずれかに重点が置かれるものだと思いますが、当院はどちらも同じように行っていますので、その点でも有田先生がいてくれるのは大きいですね。
【有田先生】医師が2人になったことで、外来の患者さんの待ち時間も軽減できるようになっていると思います。また、医師同士で医学的な知識の共有や、さまざまな確認などを行えるのもメリットですね。
スタッフの方々も皆さん、長く勤められているのですね。

【川村院長】看護師や事務スタッフを含めて皆、長年勤務してくれていますね。クリニックが始まった頃から、もう40年ほど当院で働いているスタッフも複数います。ベテランぞろいだからこその厚みのある診療は当院の大きな強味だと思っています。糖尿病のインシュリン注射では、実践的な指導は看護師が時間をかけて行います。認知症患者さんに対する簡易診断スケールの準備、予診、家族からの聞き取りなどにおいても看護師の役割はとても大きいですね。電子カルテの作成や患者さんの接遇まで含め、看護師・事務スタッフともに息の合った仕事をしてくれています。
発熱患者用診察室やCT検査機器も導入
2025年に新たに導入された機器や院内の体制変化についても教えてください。

【有田先生】CT検査機器については、疾患の可能性を拾い上げるために胸部のスクリーニングを行うなどの目的で活用していきます。何か異常があれば、より専門的な医療機関に紹介して、適切な診断につなげるための設備として導入しました。また、通常の診察室とは別に、換気に優れた部屋を院内に設けて、発熱症状がある外来患者さんを診るための環境も整えました。その他、歴史があるクリニックということもあり、内装にも経年の変化がみられたので、床や壁紙なども以前よりも明るい色味になるよう新しく変え、より親しみやすい雰囲気になるよう改装しました。患者さんにとって、より来院しやすい印象になればと思っています。
今後の展望について教えてください。
【有田先生】川村院長が40年、この場所で診療を続けてこられて、地域に根づいたクリニックになっていると思います。今後、高齢世帯はさらに増えていきますし、いわゆる老老介護で次世代の方がおられない家庭も少なくありません。その他にも、地域とのつながりが比較的少ない方もいらっしゃいますし、そうした方々にとって身近なクリニックの存在はますます重要になります。外来診療と訪問診療の双方を行えることが当院の強みですし、これからの地域のニーズにも応えられるようなクリニックになっていければと考えています。
読者へのメッセージをお願いします。

【有田先生】私もこの八潮の団地で育ち、当院をかかりつけにしていました。もし健康に関することで何かお困り事がありましたら、いつでもご相談ください。同じ「八潮仲間」として、親身になって診療いたしますので、お気軽に頼っていただきたいと思います。
【川村院長】八潮パークタウンは広いですから、長年この地域に住んでいる方でも当院の存在を知らない方、なじみのない方は少なからずいらっしゃると思います。団地内に幅広く診療できるクリニックがあることは、皆さんの安心にもつながると思いますし、現在は私と有田先生の医師2人の充実した体制で外来診療と訪問診療を行っています。何かありましたら、ぜひお気軽にご相談いただければと思います。

