酒寄医院

酒寄 享 院長

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立会川駅から徒歩5分。坂本竜馬の銅像の建つ商店街を抜けた先の住宅街に「酒寄医院」がある。開業から100年余り。小さな子どもから高齢者まで、もう何世代にもわたって地元の人たちに信頼され続けてきた、この町になくてはならないクリニックだ。「なんでも診るのが開業医の基本。生まれ育った町で診療していくことが、理想でありライフワークでもあるんですよ」と、人懐っこい笑顔で出迎えてくれたのは三代目の酒寄享院長。下町の人情味あふれるあたたかさがいっぱいに感じられる、とても素敵なドクターだ。呼吸器内科を専門とするが、広く一般内科のさまざまな症状を診療。大学病院時代は胸部外科で経験を積み、外科的視点・内科的視点双方から的確な診断を行っている。「地域に密着しながら自然体で診療していきたい」という酒寄院長に、日々の診療で感じる思いや心がけていること、医師を志した理由や自由な時間の過ごし方などプライベートなお話まで、じっくりと伺った。
(取材日2012年7月25日)

地域に密着した診療を続けて100年。家ぐるみでかかれるホームドクターに

―こちらは開業されてもうずいぶん経つのですか?

もともとは祖父が開業しましたから、もう100年近く前になりますね。父を経て、僕は25、6年前から診療をしています。このあたりは生まれ育った地元。とても馴染みのある町なんですよ。父から引き継ぐにあたって、医院の建て替えをしたのですが、院内はとにかくできるだけシンプルに。どなたでも気兼ねなく通えるようアットホームな雰囲気を心がけました。ずっと地域に密着した診療をしてきたので、患者さんも、自転車で通院できる範囲にお住まいの方ばかり。おじいちゃん、おばあちゃんからお孫さんまで年齢層は本当に幅広く、もう何世代にもわたって家族ぐるみで通ってくださる方も大勢いらっしゃいます。最近は、近くにマンション建設も進み、そちらにお住まいの若い方々も来院くださるようになって。より一層、地域の方々に頼っていただけることを、とてもうれしく感じています。

―とくにどういった診療に力を入れていらっしゃるのでしょう?

地域密着型の医院ですから、広くどんな症状でも診ていますが、僕はもともと呼吸器が専門。肺疾患やぜんそくなど呼吸器系の疾患は専門性高く診療しています。ただ、患者さんの数としては、やはり生活習慣病の方が圧倒的に多い。生活習慣病の治療に力を入れざるをえない状況だと痛感しています。一般的な風邪などの受診がきっかけで生活習慣病のコントロールを始められる方もいらっしゃいますし、「健康診断で異常が見つかった」と来院くださる方も増えている。そういう意味では、健康に対する意識が高まっていると言えるのかもしれません。生活習慣病の治療は、例えばどういう家族構成かで食事の内容もずいぶん変わってきますから、その方の背景を知るのはとても大切なこと。当院は家族ぐるみで通ってくださっている方がほとんどで、それこそ、お顔を拝見しただけで家系図まで浮かんでくるような方ばかりですから(笑)、やりやすい部分も多いんです。細かい配慮が行き届きやすくなり、ご本人は「こうだった」とお話されている内容がご家族の話と辻褄が合わないところから認知症の発見に役立つこともあったりしますし。これらすべて、地元に密着した開業医だからこそのメリットと、日々、実感しています。

―診療する上で心がけていらっしゃるのはどのようなことですか?

正直言って、頭で考えていることはないんですよ。例えば「優しく接する」ことも無意識のうちにやっていなければダメ。それも、すべての方に対して同じであってはいけないと思うんです。話し方ひとつとっても、ズバッと言ったほうがいい方、あまり強く言い過ぎてしまっては気持ちが落ち込んでしまう方、患者さんそれぞれの性格や個性を把握して使い分けをしなければいけないでしょうし。いかに早くその方を把握するか。しいて言うなら、その部分を心がけているかもしれません。もちろん、1回お会いしてすぐにすべて把握できるわけではありませんが、しゃべり方や雰囲気、それにやはり家族関係などが見えてくると、わかりやすくなりますね。大抵はお顔を拝見すると、芋づる式にいろいろと浮かんでくるんですよ(笑)。結局、最終的に大切なのはキャラクター対キャラクター。どんなに名医と言われる医者に診てもらっても、ウマが合わなければいい治療は受けられるわけがありません。本当にご自分に合った医師を見つけることが何より重要。患者さんにとって一番幸せであり、大切なことだと思っています。



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