患者一人ひとりの状態に応じた
食いしばりのケア
のもとデンタルクリニック
(品川区/西小山駅)
最終更新日:2021/10/12
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技工物が割れたり欠けたりするだけでなく、歯根破折、歯槽膿漏にもつながるといわれる食いしばり。「のもとデンタルクリニック」の野本恵子副院長は、技工物がすり減ることに悩んでいた患者の診療を通して食いしばりを防止することの重要性に気づき、早くから診療方法の開拓と実践に力を入れてきた。自費で入れた技工物が長くもたない、首や肩に不調があって毎日つらい、歯がすり減っているといった日々寄せられる訴えに向き合い、一人ひとりの状態に応じた診療を提供する野本先生に、食いしばり防止の重要性と同院での診療の特徴を聞いた。
(取材日2020年2月13日)
目次
さまざまな影響を及ぼす食いしばりに、個々人に合わせた丁寧な診療を提供
- Qまずは食いしばりとはどのようなものか、教えてください。
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A
食いしばり、そして歯ぎしりは、眠っている時や起きている時、上下の歯をぐっと噛み締めたり、ぎりぎりとこすり合わせたりすることです。ストレスや緊張など原因はさまざまですが、もともと噛みしめる力が強い方も多いですね。通常、上の歯と下の歯の間は軽く開いていて、ご飯を食べたり喋ったりする時以外は重なり合わないのですが、食いしばりや歯ぎしりがあると頻繁にぶつかり合うため、歯や顎とその周辺の筋肉、関節などに強い負荷がかかって、さまざまな症状を引き起こしやすくなります。
- Qどんな患者さんが多いのでしょう。
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A
無意識で行う食いしばりや歯ぎしりの力は非常に強く、歯や歯周組織にも影響を与えます。「歯の根にヒビが入ったり、歯そのものが割れたりする」「詰め物が外れる「冠が割れる」という訴えや、朝起きると顎が痛い、疲れが取れないという訴えもよく聞きます。目の疲れや歯槽膿漏も、食いしばりに起因していることが少なくないんですよ。歯が割れるほど強く噛めば、当然ながら口周りの筋肉が緊張状態になり、毛細血管が圧迫されて血流が悪化しやすくなるので、肩こりや首こり、ひいては脳梗塞や心筋梗塞のリスクも高まると考えられます。
- Q診療はどのように行うのですか?
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A
まずはじっくりカウンセリングをして、症状の出るタイミングや出方を伺った上でどのような対処方法が適しているかを見極めます。睡眠時の歯ぎしりが多いようであれば、睡眠時に装着して歯と歯が触れるのを防ぐ保険適用のマウスピースをご提供しています。また、患者さんそれぞれの歯の神経の有無、対合歯の状態、噛む力に合わせ補綴物をご提案することもあります。いずれにせよ、ご来院いただいた当日にケアを始めることは原則的にありません。個別の状況を総合的に見極めて選択肢を提示し、じっくり検討していただいてからケアを始めるようにしています。
- Q食いしばりの診療で大事にしているお考えはありますか?
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A
マウスピースによる対処などを行っても食いしばりや歯ぎしり、およびそれに伴う諸症状が改善しない方には、噛み締める筋肉を緩めるアプローチも必要なのでは、と考えています。食いしばりや歯ぎしりを根本的に解決するには、ストレスなどの原因を排除することや、体に影響を及ぼす理由の一つである「噛み締める力」を緩めることも有用なのではないかと考えているのです。何をやってもよくならないという方は、セカンドオピニオンという形で構わないので、ぜひ一度ご相談ください。
- Q食いしばりを防ぐため、日常生活でできることはありますか?
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A
食いしばりや歯ぎしりがある人は、寝る前に腹式呼吸でゆったり呼吸をしたり、「歯と歯を離す」といったことを意識したりすると、改善に向かうことが多いようです。また、食いしばりなどがあると口腔内の環境を悪化させやすく、歯周病などを引き起こすこともあるので、丁寧に歯磨きをして、口腔内の環境を整え、口腔内からの全身疾患予防・改善を心がけましょう。なかなか自分では磨ききれない、という方は、歯科医院のクリーニングで歯がきれいになる感覚を実感して、意欲を高めることをお勧めします。
自由診療費用の目安
自由診療とはマウスピース型装置を用いた矯正/80万円~
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マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。