平田 寛明 院長の独自取材記事
高槻整形外科・再生医療クリニック
(高槻市/高槻市駅)
最終更新日:2026/10/19
高槻市にある「高槻整形外科・再生医療クリニック」は、膝関節疾患やスポーツ障害を中心に、幅広い整形外科診療に携わってきた平田寛明院長が開院したクリニック。院内には広いリハビリテーション室が設けられ、医師と連携する理学療法士が運動療法など、一人ひとりの状態に合わせたリハビリに力を注いでいる。痛みを和らげるだけでなく、「何ができるようになりたいのか」を患者と共有し、その目標から治療を考えるのが同院のスタイル。日常生活からスポーツまで、その人らしい活動への復帰を支える平田院長に、開業までの経緯や診療に込める思いについて話を聞いた。
(取材日2026年10月3日)
スポーツへの思いを原点に、整形外科の道へ
まず、開業された理由を教えてください。

大学病院や関連医療機関で、膝関節疾患やスポーツ障害を中心に多くの手術に携わってきました。転機となったのは子どもの誕生です。家族との時間を大切にしたいと考え、自分自身の働き方や今後の医師人生を見つめ直しました。その中で改めて強く感じたのが、「手術を決める前に、もっとできることがあるのではないか」という思いです。手術が必要な方もいらっしゃいますが、薬や注射で終わりではなく、減量や運動器リハビリ、超音波(エコー)を用いた注射など検討できる治療は数多くあります。また、手術をすればすべて解決するわけではなく、術後のリハビリも重要です。「手術を知る医師だからこそ、手術前にできる治療を大切にし、手術後の生活まで支えたい」。 そんな医療を自分の理想とする形で実現したいと考え、開業を決意しました。
そもそも、整形外科医をめざしたきっかけは何だったのでしょうか?
小学生から高校生まではバスケットボールに打ち込み、全国大会への出場や県選抜のキャプテンも経験しました。将来は体育教師やトレーナーなど、身体を動かすことに関わる仕事を考えていたのですが、歯科医師である父から医師としてスポーツに携わる道もあることを教えてもらい、医学部を志しました。医学を学ぶ中で整形外科の魅力はスポーツ医療だけではないと感じるようになりました。高齢の方の変形性関節症や骨折なども、手術やリハビリによって身体の機能を回復させ、元の生活に戻ることをめざせる。そうした「身体を動かすことを通じて回復を支える医療」に強く惹かれたんです。大学でもバスケットボールを続けましたが、両膝の前十字靱帯を損傷し手術とリハビリを経験しました。医師を志した後に患者の立場も経験したことで、治療の先にある生活や活動まで支えることの大切さを実感しました。
クリニックの特徴を教えてください。

一番の特徴は、運動器リハビリを治療の中心に据えていることです。整形外科では診察や画像検査による診断をもとに、薬の処方や注射などを行いますが、それだけでは解決できないことも少なくありません。そこで当院では、日本整形外科学会整形外科専門医である私と、理学療法士が連携し、筋力や関節の動き、体の使い方なども評価し、一人ひとりの症状や目標に合わせたマンツーマンのリハビリを提供しています。また、薬で改善しなければすぐに手術というのではなく、リハビリを軸に注射や末梢神経ラジオ波焼灼療法など、手術前にできる治療を幅広く検討します。患者さんの希望やその先の生活まで見据え、一緒に治療方針を考えることを大切にしています。
痛みではなく、その先の「したいこと」を診る
診療する上で、大切にしていることは何ですか?

痛みそのものだけでなく、「その痛みによって何に困っているのか」を知ることを大切にしています。同じ膝の痛みでも、スポーツをしている方なら「練習を続けたい」「次の大会に出たい」でしょうし、働き盛りの人であれば「仕事をしなければいけない」、ご高齢の方なら「身の回りのことは自分でしたい」「孫を抱っこしたい」といった暮らしの中の願いかもしれません。治療の先に望むことは本当に一人ひとり違うんです。ですから私は、まず患者さんのお話をじっくり聞き、何をできるようになりたいのか、どこをゴールにするのかを共有することから診療を始めます。痛みがなくなることだけが治療のゴールではありません。病気だけでなく、その人の生活を診る。それが私の診療の基本です。
それぞれのゴールに導くために、リハビリを重視されているのですね。
リハビリというと、マッサージのようなものと思っている人も多いかもしれません。しかし、リハビリの本当の良さは「気持ち良さ」だけではなく自分自身で体を動かし、少しずつできることを増やしていけるところにあると思います。例えば、痛みがあるとどうしても動くことを避けてしまいますよね。その状態が続くと筋力や体の機能が落ち、さらに動きにくくなってしまいます。だからこそ、その時々の状態に合わせて適切な運動を続けることが大切なんです。当院がリハビリ室を広く設けているのも、患者さんに十分に体を動かしてもらいたいからです。理学療法士とともに、「できなかったことができるようになる」喜びを感じていただきたいですね。
痛みが強く、リハビリが難しい場合はどうすればよいのでしょうか?

痛みが強い状態で無理に体を動かす必要はありません。そういった場合は、まず痛みの緩和を図りリハビリに取り組みやすい状態をつくります。当院では薬や注射に加え、適応を見極めながら末梢神経ラジオ波焼灼療法なども治療の選択肢として提案しています。痛みを和らげることが最終的な目的ではなく、その先のリハビリに取り組める状態をつくることも重要だと考えています。 痛みの軽減が図れたら理学療法士とリハビリに取り組み、筋力や体の機能の回復をめざしましょう。また、手術が必要と判断した場合や患者さんが希望された場合には、適切な医療機関へ紹介し、手術後のリハビリを当院で引き継ぐことも可能です。患者さんの症状や生活、めざすゴールを踏まえ、必要な治療を組み合わせていけることも当院の強みです。治療法ありきではなく、手術を選ぶ前にできることも一緒に整理し、納得できる方法を考えていきたいと思っています。
「こんなことで受診していい?」にも応えられる場所へ
どのような症状の方に受診してほしいですか?

膝や腰、肩などの痛みはもちろん、手足のしびれや動かしにくさ、スポーツによるけが、骨粗しょう症など、整形外科では幅広い症状を診ています。特に「年齢のせいだから仕方ない」「検査では異常がないと言われたけれど、痛みが続いている」といった方にも相談していただきたいですね。また、手術を勧められて迷っている方や、手術後も痛みや動かしにくさが残っている方もいらっしゃると思います。手術が必要な場合もありますが、その前後にできる治療がないか一緒に考えていきたいですね。症状が軽くても日常生活で気になることがあれば、我慢せずに相談していただければと思います。
今後、クリニックとしてさらに力を入れていきたいことはありますか?
一番は、運動器リハビリテーションをさらに充実させていくことです。現在は4人の理学療法士が在籍していますが、今後はさらに体制を整えより多くの患者さんに、一人ひとりの状態や目標に合わせたリハビリを提供していきたいと考えています。また、痛みが改善したら終わりではなく、再発予防や身体機能の維持・向上を支えられる場所にしたいですね。保険診療のリハビリに加えより時間をかけて身体の状態を評価し、運動に取り組めるパーソナルコンディショニングにも力を入れていきたいと考えています。痛みがあるときだけでなく、健康な身体を維持するためにも頼っていただけるクリニックが理想です。
最後に、受診を迷っている方へメッセージをお願いします。

「こんなことで整形外科に行ってもいいのかな」と思うような小さな悩みでも、気軽に相談していただきたいですね。私自身、患者さんとお話しすることが好きなので、診察ではできるだけ堅苦しくならず、何でも話していただける雰囲気を大切にしています。強い痛みがなくても違和感やしびれ、動かしにくさなど気になることがあればぜひ受診してください。「治療までは考えていないけれど、リハビリだけ受けてみたい」といったご相談も歓迎です。また、すでにほかの医療機関で治療を受けていて、「このままで大丈夫かな」と不安な方も歓迎です。お話を聞いて、今の治療を続けることが良いと判断すればそうお伝えします。「もう年だから」「どこに行っても同じだから」と諦める前に、一度ご相談ください。きっと私たちにできることがあると思います。

