金子 昌史 院長、金子 真紀 副院長の独自取材記事
松阪かわいまち内科・内視鏡クリニック
(松阪市/松阪駅)
最終更新日:2026/08/13
松阪市川井町、県道59号線沿いに「松阪かわいまち内科・内視鏡クリニック」は立つ。その名のとおり、内視鏡検査を得意とするクリニックだ。金子昌史(かねこ・まさぶみ)院長と金子真紀副院長はJA三重厚生連松阪中央総合病院に長く務めた、内科、消化器内科の医師。夫婦でもある二人は、多くの進行がんを診てきた経験から「がんで苦しむ人を減らしたい」という思いを抱き、開業した。「胃、大腸のがんは内視鏡検査で早期発見につなげ、早期に治療することが肝心です」と話す昌史院長と真紀副院長。広い院内には一般待合室や診療室とは別に内視鏡検査専用エリアがあり、複数のトイレや個室を設けるなど患者への配慮も徹底。終始笑顔で質問に答えてくれた二人。優しい雰囲気の中にも地域医療にかける真摯な思いが伝わってきた。
(取材日2026年7月22日)
先進のスキルを学び、身近な開業医へ転身
開業された理由について教えてください。

【昌史院長】私も副院長もこの近くにある松阪中央総合病院にて消化器領域を中心に内科診療に長く携わってきました。同院は第三次救急医療機関として急性期治療を行うことが役割です。内視鏡検査はクリニックで担い、多忙な病院の負担を分散したいと考えたことが理由の一つ。もう一つは、病院でがんが進行した患者さんを多く診てきて、もっと早く発見できたらと常々思っていたことが理由です。胃がんや大腸がんは内視鏡検査で早期に発見し、早期に治療介入することが望めますので、地域のクリニックで気軽に検査を受けてもらいたいと考えたのです。開業することで、病院とはまた違う形で地域医療に貢献できるのではないかと思いました。病院で若手医師が育ってきたこと、また私たちの下の子どもが中学生になったことも開業を考えるきっかけとなりました。この場所を選んだのは、松阪中央総合病院時代の患者さんが来やすいと考えてのことです。
病院時代、お二人とも救急医療に携わったり、北海道の病院へ国内留学されたりしていますね。
【真紀副院長】はい、私が先陣を切って大阪にある救命救急センターに出向しました。病院の救急にはさまざまな重病患者さんが搬送されてきますので、しっかり学んで研鑽したいと思ったのです。翌年、院長も同センターに出向しました。また、札幌の病院には国内留学させてもらい、数年間、消化器内科のエキスパートである先生方の下で先進の治療や機器について学ぶことができました。私は当時、胆膵領域が専門で、院長は胃、大腸、食道、消化管が専門。私が先に留学したのですが、リーダーの先生に「家族なら一緒においで」と言っていただき、院長も留学しました。
医療に対する副院長の前向きなご姿勢が伝わってきます。

【昌史院長】副院長は勉強熱心な努力家で、頑張り屋さん。病院時代は、胆道、膵臓を観察する先進の超音波内視鏡の検査、評価にも携わり、英語で論文を発表するなどしていました。何事も意欲的に取り組む姿勢は尊敬しています。
【真紀副院長】勉強は好きなのです。自分の知らない新しいことがあると勉強したいという気持ちが抑えられません。夜、動画を見ながら寝落ちしたこともあります(笑)。
安心して過ごせるように内視鏡検査専用エリアを用意
院長の魅力もお聞きしたいです。

【真紀副院長】病院時代は、全科の中でもとても多くの患者さんを主治医として担当していて、頑張っているなという印象を持っていました。今は、診療中の院長の声がふと聞こえることもあるのですが、いつでもとても優しい。内視鏡検査の腕も尊敬していて、撮影は丁寧、画像を見る視点は厳しく注意深く診断します。勉強熱心なのは2人ともで、家でミーティングのように議論することもあります。
【昌史院長】患者さんへの説明では専門用語を使わずわかりやすく、内視鏡検査のときはスコープをさっと通さず、丁寧にゆっくりするように心がけています。私自身、何回か内視鏡検査を受けたことがあり、その経験を当院の検査に生かしているのです。画像診断の重要性は若い頃から叩き込まれましたので、慎重に診断しています。
こちらの内視鏡検査の特徴について教えてください。
【昌史院長】一つは、内視鏡検査専用エリアがあることです。一般待合室、診療室とは別に内視鏡検査専用の待合室を設け、ロッカー室、計4つのトイレ、また大腸の検査の前処置のための半個室を3つとトイレつきの完全個室を2つ用意しました。大腸の検査では検査着に着替えてそのまま他人の目にふれずに検査室へ移動できます。内視鏡検査室は2室ありいずれもブルーライトを使用し、モニターの視認性が高いというだけでなく、患者さんの心理的な安心感にも寄与すると思います。内視鏡検査は、胃は午前に、大腸は午後診療の前の時間帯に行い、2室とも高頻度で稼働しています。
ほかに特徴はありますか。

【真紀副院長】私たちが2人とも日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医で豊富な経験を持つことです。大腸ポリープは約1cmまで当院で切除術を行え、胃と大腸の同日検査もできます。私が女性であることから、女性に受けていただきやすいということもありますね。また、声がけには配慮していて、「今から喉を通りますよ」「十二指腸へ行くので押さえられる感じがします」など患者さんに逐次情報をお伝えして不安の軽減に努めています。私は診療時からのコミュニケーションを大事にしていて、患者さんと目線を合わせて「一緒に頑張りましょう」と寄り添う気持ちで検査をしています。患者さんの状態やご希望により鎮静剤が使用できることも強みです。
「がんで苦しむ患者を1人でも減らしたい」という理念
スタッフの方々についても教えてください。

【真紀副院長】現在、看護師、看護助手、医療事務スタッフの計10人がいます。良い人ばかりがそろいました。当院の「がんで苦しむ患者さんを1人でも減らしたい」という理念に共感してくれた人たちです。内視鏡検査の経験が豊富な看護師、また開業に合わせて内視鏡検査を専門的に学んだ看護師もおり、心強いです。みんなクリニックのため、患者さんのために「自分に何かできることはないか」「できることをしたい」という思いが強く、開業初日は慣れない上にとても忙しくて、仕事終わりに泣いてしまったスタッフもいました。自分がふがいない、もっといろいろできたのではないかと悔しかったようです。それほど思いを持ってくれている人たちで、互いに助け合い、協力し合う関係も頼もしく、うれしく思っています。
お話を伺って内視鏡検査への強い思いを感じました。
【昌史院長】ちょうど私が専門を決める頃、日本の内視鏡検査機器の発展が目覚ましく、以降、その技術は世界をリードしてきたといっても過言ではないと思います。画像が飛躍的に鮮明になり、その追究、診断に学問的な興味を持って消化器内科を専門にしました。私たちは内視鏡検査をすることで、その技術を患者さんに還元することができます。患者さんには先進の機器を使用しての内視鏡検査をぜひ受けていただきたい。当院は病院との連携も強いので、がんなど何かあればすぐに紹介することもできます。開業以来、当院には幅広い年齢層の患者さんが来てくださっており、近隣クリニックからは内視鏡検査のご依頼もあります。とてもありがたいことで、これからも何でも相談しやすいクリニックとして地域に貢献していきたいです。がんで苦しむ患者さんを1人でも減らしていきたいと思います。
読者へのメッセージをお願いいたします。

【真紀副院長】繰り返しになりますが、進行がんを見つけた時「もっと早く検査をしていれば」と思ってしまうことがつらかったです。進行した状態ではなく、内視鏡検査で早期の段階で見つけたい。働く世代は仕事や育児で自分のことは後回しになりがちですが、早期発見・早期治療のためにも少しでも何か気になることがあれば受診してほしいと思います。女性医師を希望されて、私のところへは小学生の女の子や若い女性、遠方からの女性も来られます。風邪や腹痛のほか、中には更年期障害のご相談も。超音波検査機器や血液検査機器、エックス線撮影装置など内視鏡以外の設備も充実させていますので、病院に行くのはちょっとためらってしまうというときでもお気軽に来ていただければと思います。

