尾藤 康行 院長の独自取材記事
京橋・蒲生びとうハートクリニック
(大阪市城東区/蒲生四丁目駅)
最終更新日:2026/06/05
蒲生四丁目駅から徒歩8分、京橋駅から徒歩10分の医療ビル3階にある「京橋・蒲生びとうハートクリニック」。院長を務めるのは、大阪市立総合医療センターなどで、長年にわたり心臓血管外科で研鑽を積んできた尾藤康行先生だ。「心臓血管外科の医師としてではなく、一人の医師として、患者さんの日常のお困り事に向き合う医療をしたい」との思いから、2026年5月に開業した。循環器疾患の診療や生活習慣病の管理はもちろん、「なんとなくつらい」「少し体調が悪い」といった漠然とした不調や、ちょっとしたけがでも気軽に相談してほしいと話す尾藤院長。地域に根差したクリニックとしてめざす姿や、診療への思いについて話を聞いた。
(取材日2026年5月25日)
循環器から日常の不調・けがも対応する街の開業医
まず開業に至った経緯からお聞かせください。

実は、1年ほど前までは開業を考えていませんでした。ただ、年齢を重ねる中で、自分としては心臓血管外科の医師としてやりきってきたという実感がありましたし、後輩たちもどんどん育ってきて、手術の現場では指導に回る機会が増えていました。もちろん、それもやりがいのある大切な仕事でしたが、一方で、まだまだ自分自身も医師として患者さんに向き合う中で力を発揮していきたいという思いがあったんです。そこで、手術とはまた違う形で、患者さんの日常のお困り事に寄り添える医療をしようと考え、開業を決意しました。今は、医師として第二の人生が始まったような感覚ですね。循環器疾患だけにこだわるのではなく、できる範囲のことなら何でも対応し、地域の皆さんに頼っていただける街のお医者さんとして力を尽くしていきたいと思っています。
院内設備について教えてください。
超音波検査装置やエックス線検査装置、HbA1c測定機器などを導入しているほか、特に循環器疾患については、患者さんの状態を適切に判断し、必要な医療へ迅速につなげられるよう、高度医療機関へ紹介する前段階の検査にも幅広く対応できる設備を整えています。例えば、心筋梗塞など緊急性の高い疾患の診断に必要な血液検査については、院内ですぐに結果を確認できる機器を導入しています。また、心臓に人工弁が入っている患者さんは、血液を固まりにくくするための薬を生涯飲み続ける必要がありますが、その効果は体調によって変化するため、血液検査をもとに薬の量を細かく調整しなければなりません。そうした検査についても、院内ですぐに結果を確認できる体制を整えています。
内装でこだわられた点はありますか?

患者さんにリラックスして過ごしていただけるよう、やわらかで開放感のある空間づくりにこだわりました。待合室をはじめ、診療室や処置室、トイレに至るまで、ゆったりとした印象になるよう色合いや細かなデザインにも配慮しています。内装はグレージュを基調に、アクセントとして緑を取り入れました。院内はバリアフリー仕様で、トイレも車いす利用者も使いやすい広さを確保しています。処置室には、患者さんが点適時などに落ち着いて過ごせるよう、調光機能つきの照明を採用しました。また、受付横には発熱患者専用の個室を設け、診療から会計までその場で完結できる動線にしています。予約についても、電話に加えてウェブ予約に対応。さらに、クレジットカードを登録していただくことで、アプリ上で会計まで済ませられるシステムも導入しています。
さまざまな角度から患者の悩みにアプローチする
京橋に開業された理由と、現在どのような患者さんが多いのか教えてください。

長く勤務していた大阪市立総合医療センターの患者さんがこの地域に多くいらっしゃったので、退院後も通っていただきやすいよう、この場所で開業しました。内科ですので、開業前は高齢の患者さんが中心になるのかと思っていたのですが、実際には働き盛りの世代も多く来院されていて、私自身も少し驚いています。ご高齢の方では生活習慣病の相談が中心で、若い世代では風邪症状や健康診断で異常を指摘されて受診されるケースが多いですね。
クリニックではどのような診療を受けられますか?
風邪や胃腸炎といった一般的な内科症状をはじめ、循環器疾患についても幅広く検査・診療できる体制を整えています。循環器疾患につながる生活習慣病については、これまで数多くの心臓や血管の外科手術に携わり、実際の血管の状態を見てきた経験を生かしながら、将来を見据えた治療や管理をご提案しています。また、転倒による擦り傷や、調理中の切り傷・やけど、他院で処置を受けた傷の抜糸や消毒など、「どこに相談したらいいかわからない」と迷うようなけがにも、できる限り対応しています。さらに専門的な検査や高度な治療が必要と判断した場合には、連携する医療機関へ速やかにご紹介しています。私は大阪市総合医療センターで長く勤務してきましたので、必要に応じて適切な医療機関へつなげやすいことも強みの一つだと思っています。どんな症状でも、まずは気軽に相談していただければうれしいですね。
患者さんに接する際に大切にしていることはなんでしょうか。

当たり前のことかもしれませんが、まずはしっかり話を聞くことを大切にしています。客観的には大きな問題ではないように見えることや、今の医学では考えにくいことであっても、ご本人にとっては真剣な悩みであることが少なくありません。それを医師が最初から完全に否定してしまうのは、少し傲慢なのではないかと私は思うんです。実際、検査では異常が見つからなくても、社会的なストレスなどによって体に不調が現れることもあります。ですから、まずはきちんと受け止めて向き合うようにしています。心配の原因そのものを解決するのが難しい場合でも、症状に対して別の角度からアプローチできることもありますので、自分がどういう形で力になれるのかを丁寧に提案していきたいと考えています。
より近い距離で患者さんに寄り添う医療を大切にしたい
医師をめざされたきっかけと、これまでの経歴を教えてください。

医師をめざしたことに特別なきっかけがあったわけではないんです。実は、物理が得意だったので、高校3年生の冬頃までは工学部へ進学するつもりでいました。ただ、将来について考える中で、機械を相手にするよりも、人と関わる仕事のほうが面白いのではないかと思い、医学の道を志すようになりました。当時は十分に勉強ができていなかったので1年間浪人し、滋賀医科大学へ進学しました。学生実習でさまざまな診療科を回る中で、全身の血液循環のダイナミックな変化を促す循環器分野に強く惹かれたんです。最初は循環器内科を考えていたのですが、「病気を直接治療する」という観点から外科に魅力を感じるようになり、最終的に心臓血管外科を選択しました。それ以来、心臓血管外科一筋。大阪市立総合医療センターなどで、外科手術に加え、薬物療法やカテーテル治療にも携わりながら、研鑽を重ねてきました。
クリニックの役割をどのようにお考えですか?
生活習慣病をはじめとする大きな病気につながる疾患を日頃から適切に管理し、健康な状態を維持していくお手伝いをすることも重要な役割です。しかしそれ以上に、私は「何か困ったことがあった際に、真っ先に相談できる場所」であることが大切だと感じています。もちろん、医療や医者の力でできることには限りがありますが、できる範囲で患者さん一人ひとりの困り事に真摯に向き合い、少しでもお力になることこそが、街のお医者さんの役割だと考えています。
最後に読者へメッセージをお願いいたします。

勤務医時代は、高度な医療技術によって患者さんを治療する場面が中心でしたが、今は、より近い距離で患者さんに向き合う医療を大切にしたいと思っています。対話を通じて、体の不調だけでなく、気持ちの面でも少し楽になっていただき、毎日を前向きに過ごすお手伝いができたら幸いです。熱や咳、腹痛といったわかりやすい症状はもちろん、「なんとなくつらい」「どこが悪いのか自分でもわからない」といった時でも構いませんので、気軽に相談していただければと思います。今後は、ご高齢で足腰が弱く、通院が難しい患者さんに向けた訪問診療にも取り組んでいきたいと考えています。街のお医者さんとして、地域の皆さんの生活を支える存在になれたらうれしいですね。

