自覚症状がなくても進行する糖尿病
早期診断と治療の継続が重要
古淵駅前 まさき糖尿病・甲状腺クリニック
(相模原市南区/古淵駅)
最終更新日:2026/10/15
- 保険診療
健康診断で血糖値の異常を指摘されても、なんとなく受診を後回しにする人は少なくない。糖尿病は初期症状がなく、気づかないうちに進行していく病気で、受診をためらっている間も合併症のリスクは高まっていく。「古淵駅前 まさき糖尿病・甲状腺クリニック」の正木嗣人院長は、北里大学病院で約15年にわたり糖尿病や内分泌疾患の診療に携わる中で、治療を中断して悪化した患者を少なからず診てきた経験から、患者一人ひとりの生活に寄り添い、無理なく続けられる治療を一緒に探すことを大切にしている。受診をためらっている人や、通院が途切れがちな人にこそ、正木院長の思いを知ってほしい。
(取材日2026年9月29日)
目次
治療の中断は合併症を招くおそれも。一人ひとりに合った無理のない目標で「続けられる」治療を
- Q糖尿病はどのような病気なのでしょうか?
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A
▲患者が無理なく続けられる治療を大切にする正木院長
糖尿病は、血糖値が慢性的に高い状態が続く病気です。「尿に糖が出る病気」というイメージがあるかもしれませんが、それは病気の本質ではなく、膵臓から出る「インスリン」という血糖値を下げるホルモンの分泌が不十分になったり、効きが悪くなったりするのが根本です。「贅沢病」と言われることもありますが、発症には遺伝的要因と生活習慣の両方が関わっているため、暴飲暴食のみが原因という世間の認識を変えていかなければと感じています。初期はほとんど症状がなく、健診などがきっかけで見つかる方が多いですね。喉が渇いて水をよく飲む、尿の回数が増えるといった症状が出てから受診した場合、病気はかなり進んでいると考えられます。
- Q血糖値の異常を指摘されたら、すぐに受診したほうが良いですか?
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A
▲血糖の状態を確認しながら診療に生かしている
はい、受診してください。症状がないからといって、病気が進んでいないわけではありません。糖尿病は気づかないうちに進行する病気ですが、早い段階であれば、食事や運動だけで改善が期待でき、血糖値などが正常に近い値まで戻せることも望めます。たとえ病気が進行していても、食事と運動が治療の基本であることは変わりません。私自身、これまで糖尿病や内分泌疾患の診療に携わってきた中で、受診が遅れたり治療を中断したりして悪化した方を見ることがありました。進行するほど治療の選択肢は狭くなるため、健診での異常を放置せず、早いうちから取り組むことが大切です。
- Q「糖尿病治療は継続が重要」と言われるのはなぜですか?
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A
▲木目を基調とした温かみのある院内
今の医学では、糖尿病を完治させる治療法はなく、糖尿病は「治す」病気ではなく「付き合っていく」病気だからです。一時的に数値が改善できたとしても、治ったわけではありません。大切なのは血糖管理を続けることで、それがご自身の将来につながります。「最近は健診でも指摘されていないから」「数値が良いから」と通院をやめてしまう方もいますが、症状がないから通院しなくて良いということではありません。早期に発見し、治療を継続していれば、健常な方と同じように生涯を終えることが望める病気ですので、必ず続けていただけたらと思います。
- Q糖尿病治療を中断すると、どのようなリスクがありますか?
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A
▲生活背景にも耳を傾け、それぞれに合った治療方針を一緒に考える
糖尿病そのものの進行はもちろんのこと、合併症のリスクが増えます。特に注意が必要なのが、「三大合併症」と呼ばれる網膜症、腎症、神経障害です。網膜症は、目の奥にある網膜の血管が傷み、視力に影響が出る病気で、腎症は、血液をろ過して尿をつくる腎臓の働きが低下する病気です。神経障害になると感覚が鈍くなり、やけどや傷などに気づきにくくなります。いずれも年単位でゆっくりと進行していき、ひどくなると透析を導入しなければならなくなったり、失明や足の切断が避けられなくなったりすることもあります。その他にも、心筋梗塞や脳梗塞などの発症率が高まります。こうした事態を防ぐためにも、血糖管理を続けることが何より大切です。
- Q治療を続けるために先生が大切にしていることを教えてください。
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A
▲糖尿病や甲状腺疾患など幅広い悩みに向き合う
患者さん一人ひとりに合った、無理なく続けられる治療を一緒に考えることです。治療の目標値はありますが、仕事や家庭環境などの生活スタイルは人それぞれで、目標どおりにいかない方もいます。理想論を押しつけていては、患者さんは通院から離れてしまいます。そのため、初診ではじっくりお話を伺い、その方にできることを見極めた上で目標を決めるようにしています。また、低血糖も高血糖と同じくらい危険なので、血糖値を下げることだけを目標にはしません。どのように感じて治療に取り組んでいるのか、どんな結果になっているのかを確かめながら、できる範囲で最善の治療を探していきます。

