鈴木 愛 院長の独自取材記事
国分寺なみき内科クリニック
(国分寺市/国立駅)
最終更新日:2026/10/13
国分寺市並木町の大通り沿いにある医療モールの一角に「国分寺なみき内科クリニック」はある。20台以上の駐車場を備え、大きな窓から光が降り注ぐ明るい院内はバリアフリー設計で、車いすや高齢の患者も安心して通うことができる。院長の鈴木愛先生は日本内科学会総合内科専門医の資格を持ち、自治医科大学卒業後、山梨県内の複数の病院で生活習慣病の管理から訪問診療まで幅広く経験を積んできた。開業後は呼吸器・循環器・消化器・糖尿病・血液・アレルギーと多彩な領域をカバーしながら、「体調が悪いけれどどこに行けばいいかわからない」という人がまず頼れる医療の窓口をめざす。自然体で飾らない語り口が印象的な鈴木院長に、かかりつけ医としての思いや診療の特徴を聞いた。
(取材日2026年10月1日)
「まずはここへ」と頼れる地域の医療の窓口に
先生のご経歴と、こちらでめざす医療についてお聞かせください。

自治医科大学を卒業後、山梨県内の複数の病院に勤務し、風邪などの日常的な不調から生活習慣病の治療・管理、訪問診療まで内科医として幅広く携わってきました。並行して血液内科を深く学び、日本内科学会総合内科専門医を取得しながら、血液内科の分野でも研鑽を積んでいます。振り返ると、大学病院の専門の外来で診療した期間よりも地域で幅広い患者さんを診てきた期間のほうが長くなり、その経験が今の診療の土台になっているのだと感じます。「体調が悪いけれど、どこに行けばいいかわからない」という声をよく耳にしますが、そうした方に最初の一歩として来ていただき、当院で対応できるものは引き受け、必要に応じて適切な医療機関におつなぎする。地域にとっての医療の窓口でありたいと考えています。
どのような悩みで受診する患者さんが多いのですか?
お子さんの急な発熱やちょっとしたケガから、働き世代の方の健診異常や生活習慣病のご相談、ご高齢の方の通院先の一本化まで、年齢や症状を問わず幅広い方にご利用いただいています。呼吸器・循環器・消化器・糖尿病・アレルギー・血液など複数の分野をカバーしていますので、いくつかの疾患が重なっているケースでも一貫して診ることが可能です。ご家族そろって通ってくださる方も少なくありません。特にご高齢になると複数の科を行き来すること自体が大変ですし、薬が重複したり必要以上に増えてしまうリスクもあります。患者さんの健康をトータルで把握することもかかりつけ医の大切な役目だと思っています。
院内の環境や検査体制についてはいかがでしょうか。

エコーや肺機能検査、ホルター心電図など一通りの検査ができる環境を整えています。この地域には呼吸器系のクリニックが少ないこともあり、患者さんのニーズが大きいことを感じて肺機能検査の機器を導入しました。喘息や慢性閉塞性肺疾患の診断にもつなげられる体制です。血液検査については一般的な項目であれば当日中に結果をお伝えでき、緊急性の高いケースにも迅速に対応できます。院内は清潔に保ち、一般の外来と発熱患者のための外来の動線を分けているほか、待合室や診察室に空気清浄設備を備えるなど感染対策にも力を入れています。またバリアフリー設計ですので、小さなお子さんのベビーカーでの受診も、車いすのご高齢の方も安心してご来院ください。
高血圧の裏に潜むことも。睡眠時の無呼吸を自宅で検査
中でも特に力を入れている分野はありますか?

最近は睡眠時無呼吸症候群の相談が増えており、その検査と治療は力を入れている分野の一つです。寝ている間の症状なのでご本人に自覚がないことも多く、ご家族から「いびきがひどい」「呼吸が止まっている」と指摘されて受診されるケースが目立ちます。自覚できる症状としては、朝起きたときの頭痛やすっきりしない感覚、日中の強い眠気などがあり、30〜40代の方にも珍しくありません。「夜に眠れないから」と睡眠薬を飲むとかえって悪化する場合もあるため、まず正しく見極めることが大切です。また、実はこの疾患が生活習慣病の根底に潜んでいることもあり、心臓への負担や動脈硬化等につながってしまうこともあるのです。血圧の薬をいくら増やしても下がらない場合に睡眠時無呼吸症候群が関わっていることもあり、治療によって血圧管理の改善が期待できるケースもあります。
睡眠時無呼吸症候群の検査や治療はどのように進めていくのですか?
まず自宅での簡易検査から始めます。提携先からご自宅に検査機器が届き、一晩装着して送り返していただくと、2〜3週間ほどで結果が出ます。数値が基準を超えればCPAP治療の保険適用となり、さらに詳しい評価が必要な場合は脳波を含む精密検査へ進みます。CPAPはマスクを通じて空気の力で気道を支える治療法です。現在の機器は装着感がソフトになり、呼吸に合わせた自動調整機能も備わっているため、以前に比べて継続しやすくなっています。軽症から中等症の方には体重管理や飲酒を控えるなどの生活改善、マウスピースの活用もご提案しています。簡易検査・精密検査ともにご自宅で手軽にできますので、気になる方はお気軽にご相談ください。
診療全般で大切にされていることを教えてください。

患者さんに納得していただいた上で治療を選んでいただけるよう、丁寧な説明と選択肢の提示を心がけています。一つの症状だけにとらわれず、体全体のバランスから原因を探ることも大切にしています。病気の手前の段階から生活習慣の改善を含めて、長く健康を支えていくことも私の役目です。薬を処方する際も、どういうリスクがあるかをきちんとお伝えした上で、最終的にどうするかは患者さんご本人の価値観を大切に決めていきます。飲まないからといって怒るようなことは一切ありません。初診時にはアレルギーの有無や他院での薬の処方、これまでの病歴なども丁寧に確認させていただいています。少しお時間をいただくこともありますが、安全な診療のために省くことのできない部分です。
医療機関と手をつなぎ、患者の暮らし全体を支えたい
他の医療機関との連携体制も大切にされていますね。

開業にあたって、連携体制の構築には力を注いできました。地域の医師会を通じて、立川病院、東京都立多摩総合医療センター、公立昭和病院などの先生方とつながり、CTやMRIなどの精密検査や専門的な治療が必要な場合には速やかにおつなぎしたり、手術を終えて経過観察となった患者さんを受け入れたりと、紹介・逆紹介がスムーズに行える関係を整えています。また、他科のクリニックとの間でも、検査や治療で補い合う体制ができています。大切にしているのは「自院でできること」と「専門機関にお任せすべきこと」を明確に判断することです。
スタッフとのチームワークや、今後の展望についてお聞かせください。
スタッフとは毎日の昼礼と終礼で、その日の出来事や課題を共有するようにしています。「あそこに相談すれば大丈夫」と地域の方々に信頼していただけるクリニックをめざして、皆で力を合わせて取り組んでいるところです。今後はその場の症状だけでなく、患者さんご本人の生活背景にもっと目を向けていきたいと考えています。ご高齢で身の周りのことが難しかったり、お一人では薬を飲めなかったりする方もいらっしゃいます。ゆくゆくは外来診療に加えて訪問診療にも取り組み、通院が難しくなった方をサポートできる体制を整えたいですね。地域包括支援センターとも連携しながら、介護を含めた包括的な支援にも注力していくつもりです。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

休日は山梨に住む家族のもとへ帰り、子どもたちと虫取りに出かけたり犬と散歩をしたりして過ごしています。また、時間があればジムに通って体を鍛えていまして、おかげで患者さんに「運動しましょう」と胸を張ってお伝えできるようになりました。とはいえ、私の知識や実体験に基づいたアドバイスを差し上げることはありますが、決して無理強いすることはありません。まずはお話を伺い、その方に合った方法を一緒に考え、当院では難しいと判断したときには適切な医療機関にすぐご紹介します。不調を感じたときに気軽に頼れる場所があることが、地域の健康を守るためには欠かせないと思っています。「どこに相談すればいいかわからない」という方こそ、年齢や症状を問わず、ぜひ最初の相談窓口として気軽にお越しください。

