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森田 啓嗣 院長の独自取材記事

もりたこどもクリニック

(神戸市兵庫区/兵庫駅)

最終更新日:2026/06/15

森田啓嗣院長 もりたこどもクリニック main

JR神戸線・兵庫駅南口から徒歩1分。小児科の専門クリニックが少なかった神戸市兵庫区に、2026年4月「もりたこどもクリニック」が開院した。院長の森田啓嗣先生は、大学病院や関連病院で一般小児科や新生児医療、小児神経を専門に経験を重ね、発達の悩みや不登校など子どもの体と心に向き合ってきた。木目調で温かみのある院内には動物をあしらった壁紙が飾られ、親子でリラックスして過ごせる空間が広がる。自身も子育て中の父親であり、「小児科医は待つのが仕事」と穏やかに語る姿が印象的だ。一般診療から発達・心の相談まで、地域の子育てを幅広く支えたいという森田院長に、開業への思いや診療の特徴を聞いた。

(取材日2026年4月28日)

小児科の温かさに惹かれ、地域の子育て支援を志す

まずは開業までの経緯についてお聞かせください。

森田啓嗣院長 もりたこどもクリニック1

もともと産婦人科か小児科を志望していたのですが、小児科の先輩方が明るくて誠実な方ばかりで、その温かい雰囲気に惹かれて小児科の道を選びました。勤務医として経験を積む中で、自分が大事にしているものを共有できる仲間と一緒に楽しく仕事がしたいという思いが強くなり、開業を決意しました。兵庫区はもともと小児科を専門とするクリニックがほとんどない地域だったのですが、クリニック周辺は落ち着いた住環境で若い世代も多く、とても住みやすい場所だと感じたんです。地域に根づいた小児科ができることで、お子さんのいるご家庭が安心して子育てできる環境が整えばうれしいですし、その一助になりたいと思い、この場所での開業を決めました。

勤務医時代はどのような経験を積んでこられましたか?

兵庫医科大学を卒業後、大学病院の小児科に入局し、関連病院で一般診療や新生児の診療に幅広く携わりました。専門は小児神経です。てんかんや発達障害、不登校といった領域を中心に診てきました。県立病院では発達に遅れのあるお子さんをフォローし、必要に応じて療育センターなどへ橋渡しをする役割も担っていました。その中で、紹介した先でお子さんたちがどう過ごしているのか気になり、重症心身障害児者施設でも勤務する機会をいただきました。いろいろな疾患について学ばせてもらえた貴重な経験です。さまざまな現場を経る中で、お母さんたちの子育てにおける孤独感にふれることも多く、ねぎらいの声かけは当時から意識するようにしていました。

クリニックづくりでこだわった点を教えてください。

森田啓嗣院長 もりたこどもクリニック2

一番こだわったのは動線です。設計士さんと20回以上図面を引き直し、患者さんにもスタッフにも動きやすい空間をめざしました。特に、一般外来と発熱患者のための外来を分けた点がポイントです。小さなお子さんや赤ちゃんを連れて来られる方にとって待合室での感染が気になるのは当然ですので、安心して受診いただけるよう設計しました。機器面ではエックス線を導入しています。日曜診療時の検査に加え、成長ホルモンの負荷試験にも対応するための設備です。そのためだけに他院を受診いただくのは負担になりますので、できるだけ当院で完結できる体制を整えました。内装は木目調で温かみのある雰囲気に仕上げ、トイレも保護者同伴で使えるよう広めに取っています。

心と体の両面から、子どもの成長を見守る

小児科クリニックとして、どのような診療を大切にされていますか?

森田啓嗣院長 もりたこどもクリニック3

まずは一般診療をしっかりと行うことが大前提だと思っています。この地域はこれまで小児科を専門とするクリニックが少なく、内科の先生が小児科を診療しているケースがほとんどでした。私たち小児科医は、例えば予防接種一つをとっても打って終わりではなく、その場で保護者の様子やお子さんの発育を確認しています。そうした日々の関わりの中で、「ちょっと気になるけれど、どこに相談したらいいかわからない」という声を受け止められる存在でありたいと考えています。必要に応じて専門の医療機関へおつなぎすることも大切な役割です。心と体の両方を小さい頃から見ていくというのが当院のコンセプトですので、「これを聞いていいのかな」と迷うようなことも気軽に相談していただける関係性を築いていきたいですね。

一般診療の他に、力を入れている分野はありますか?

当院では、発達検査や不登校のカウンセリングを行っています。開業して間もないですが、不登校についてのお問い合わせはすでに多く、お子さんの心の悩みを抱える保護者の方の受け皿が求められていると実感しました。私自身、勤務医時代に神経発達の分野を専門にしてきましたので、その経験を生かしながら対応しています。また、アレルギーの舌下免疫療法にも取り組んでおり、これは4〜5年ほど継続して行う治療です。将来的に成長ホルモンの負荷試験も院内で実施できる体制を整えており、低身長が気になるお子さんの検査にも対応していこうと考えています。いずれも長い期間にわたってお子さんの変化を見守っていく診療ですので、かかりつけ医としてお力になれればと思っています。

先生はクリニックの他にも、病児保育施設を運営されていると伺いました。

森田啓嗣院長 もりたこどもクリニック4

兵庫区は神戸市内で病児保育施設が見られない地域でした。保護者の方はお子さんが病気になると、多くの場合区外まで預けに行くか、仕事を休むしかなかったんです。そうした中、神戸市や医師会からも強い要望をいただき、当院の開業に合わせて病児保育施設を開設しました。正直に言うと、クリニックを開いたこと以上に病児保育の反響が大きかったですね。それだけ地域の方々が困っていらっしゃったのだと思います。お子さんの急な体調不良で仕事との両立に悩む保護者の方にとって、安心できる選択肢の一つになれたらうれしいですね。

まず、ねぎらうことから。親切さを大切にした診療を

お子さんや保護者の方と向き合う上で心がけていることはありますか?

森田啓嗣院長 もりたこどもクリニック5

診察の中でまず大事にしているのはあいさつです。保護者の方にはもちろん、お子さん本人にも目線を合わせて声をかけるようにしています。それから、もし保護者の方が一般的な子育て対応と少し違ったことをしていたとしても、頭ごなしに否定はしません。まず「頑張ってこられたんですね」とねぎらった上で、少しずつ軌道修正していくような形を心がけています。お子さんが怖がっている場合、「怖いよね」「頑張ったね」と声をかけながら、その子のペースを待ちます。小児科医は待つのが仕事だと思っていますので、大人の都合では急ぎません。私自身も子どもを育てている真っ最中で、人の家のことは客観的に言えるのに自分のことになると悩むこともあります。だからこそ、保護者の方の気持ちには自然と共感できる部分があるのかなと感じています。

クリニックを支えるスタッフについてお聞かせください。

スタッフは全部で15人おり、子育て中の方や子育て経験者が多いのが特徴です。看護師の中には小児科での勤務は初めてという方もいるのですが、自分がお子さんを連れて受診したときに「されてうれしかったこと」を患者さんにもしてみようと考えてくれていて、その姿勢にはとても頼もしさを感じています。看護師チームと受付チームの仲が良いのも、当院の雰囲気を支えてくれている大きな要因ですね。また、経験豊富な保育士も在籍しており、保育園の先生や知り合いには相談しにくい子育ての悩みをお聞きする保育相談も行っています。その他、待ち時間をできるだけ短くするためにウェブ予約やウェブ問診を導入していますし、日曜診療も実施しているので、お忙しい方にもご利用いただきやすいのではないかと思います。

最後に、子育て中の読者へメッセージをお願いします。

森田啓嗣院長 もりたこどもクリニック6

当院の理念として「安心して楽しく過ごせる生活の実現」という言葉を掲げています。子育ては正直、大変なことのほうが多いと思います。ですが、その中で少しでも悩みや不安を軽くできる場所、何かあったときに頼れる存在になりたいと考えています。お子さんの体調のことだけでなく、発達や成長のこと、日々の子育てで感じるちょっとした心配事まで、何でも気軽にお話しいただけたらうれしいです。声をかけ、ねぎらい、相手の立場に立って接する。当たり前のことですが、それを私もスタッフも大切にしていきたいと思っています。至らない部分もあるかもしれませんが、この地域で子育てをされているご家庭の日々が、少しでも楽しいものになるよう、お力になれる存在をめざしてまいります。