進行しても気づきにくい肝臓疾患
健診の異常は必ず専門家に相談を
芦屋まどかクリニック
(芦屋市/芦屋駅)
最終更新日:2026/08/12
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「沈黙の臓器」と呼ばれる肝臓。病気が進行しても自覚症状がほとんど現れないため、健康診断で肝機能の異常を指摘されても、受診を先延ばしにしてしまう人は少なくない。しかし、その陰で脂肪肝や肝炎、肝硬変、肝がんなどが進んでいる可能性があるため、健診結果を軽視せず、専門の医師への相談が推奨されている。肝臓疾患は飲酒との関わりが深い一方、飲酒習慣がなくても肝臓に脂肪が蓄積し、肥満や糖尿病などの代謝異常を背景に発症する代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)にも要注意だ。「芦屋まどかクリニック」の遠山まどか院長は、日本肝臓学会肝臓専門医で、アルコール依存症専門病院での診療経験を持つ肝臓の専門家。肝硬度測定装置を導入し、早期発見と適切な治療に取り組む遠山院長に、肝臓疾患の特徴や治療について話を聞いた。
(取材日2026年7月30日/情報更新日2026年8月7日)
目次
病気が進行してもほとんど症状のない肝臓疾患。健康診断で異常が見つかったら早めに肝臓専門医へ
- Q健診の血液検査では、どの項目で肝臓の異常がわかるのですか?
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A
▲どんな些細なことでも気軽に相談してほしいと話す遠山院長
健康診断でわかる肝臓の異常は、血液検査のAST、ALT、γ-GTPの項目で確認できます。これらの数値が高い場合、肝臓の細胞が壊れている可能性があるため、放置せず受診することが大切です。飲酒習慣のある方は「お酒のせい」と考え、飲酒を控えれば改善すると自己判断しがちです。しかし、肝硬変が進行している場合、お酒をやめても数値は戻りにくく、気づかないまま病気が進行することも。また、肥満や糖尿病などを背景に発症する脂肪肝の中には、進行すると肝硬変に至ることがあります。従来、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)と呼ばれていましたが、現在は代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)に変更されています。
- Q早期発見のために気をつけるべきことは何でしょう?
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A
▲自覚症状が現れにくく、健康診断が重要となる
肝臓疾患はある程度進行するまで自覚症状が現れにくいため、健康診断による早期発見が重要です。B型肝炎・C型肝炎の検査案内が届いても、何年も血液検査を受けていない方もいますが、検査を受けなければ感染の有無を知ることはできません。また、糖尿病は家族歴との関連もあり、糖尿病を合併した肝疾患では、通常の脂肪肝よりも肝がんのリスクが高まる傾向があります。血液検査やエコー検査を行うことで、ウイルス性肝炎、脂肪肝、自己免疫性肝疾患などの可能性を確認できます。当院では肝硬度測定装置を導入し、肝臓の硬さや脂肪量を数値で測定。病状を数値で示すことで、ご自身の状態の理解や治療への意識向上にもつながると考えています。
- Q肝硬度測定装置でどのような検査を行うのですか?
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A
▲検査は数分で終わり、痛みはほとんどない
エコー検査は脂肪肝の有無を確認するのに対し、肝硬度測定装置では、肝臓の脂肪量と硬さを数値で評価することができます。検査では、右脇腹に専用のプローブ(探触子)を当てます。プローブからトントンと軽い振動が伝わる程度で、痛みはほとんどありません。数分で終わる検査ですが、得られる情報はとても多いですね。病状がかなり進行している場合には、肝臓に針を刺して組織を採取する肝生検が必要になることもあります。しかし、肝硬度測定装置による検査を行うことで、どの程度病気が進行しているか把握でき、肝生検が必要な状態なのか、より専門的な医療機関での精密検査が必要なのかを判断する手がかりになります。
- Q肝臓専門医を受診するメリットについて教えてください。
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A
▲脂肪肝があり血液検査で異常がある場合は、検査が保険適用となる
通常のエコー検査だけでは「脂肪がついていますね」程度の診断にとどまり、ダイエットや運動を勧められて終わることが少なくありません。かつては「脂肪肝は放っておいてもよい」という認識が一般的でした。しかし、現在では脂肪肝から肝硬変や肝がんへ進行するリスクがあることがわかっているため、脂肪肝があり、血液検査で異常がある場合は、肝硬度測定装置を用いた検査が保険適用になります。当院では、自費でも検査を行っており、「実際の数値を知りたい」と来院される方もいます。予約の上、5~6時間絶食して来院いただければ、その日のうちにエコー検査と肝硬度測定装置による検査の両方を受けることも可能です。
- Qクリニックの治療内容や特徴について教えてください。
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A
▲1日でエコー検査と肝硬度測定装置による検査を受けることが可能
アルコール性肝疾患では、まず禁酒や減酒、脂肪肝や代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)では、食事や運動による生活習慣の改善が基本になります。お酒は飲まないことが望ましいですし、飲んだら怒られると思う方もいらっしゃるかもしれませんが、私は来院して血液検査を受け、自分の状態を知ろうという気持ちがあるだけでも十分偉いと思っています。また、最近では、MASHと診断され、肝生検や肝硬度測定装置で肝線維化を評価し、適応条件を満たした場合は、GLP-1受容体作動薬が保険適用となりました。肝生検は負担の大きい検査です。そのため、肝硬度測定装置による検査は、薬物療法の適応を検討する上でも有用です。
自由診療費用の目安
自由診療とは肝硬度測定検査/2000円

