慢性上咽頭炎とBスポット療法
鼻・のどの原因治療
右京みみはなのどクリニック
(奈良市/高の原駅)
最終更新日:2026/08/13
- 保険診療
アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などで、長年にわたり鼻やのどの不快感に悩む人は少なくない。鼻水や鼻詰まり、咳・痰などの症状には、軽減をめざす治療法や治療薬も数多くあるが、治療を続けても思うような改善が得られなかったり、薬を飲み続けることに不安を覚えることもあるだろう。そのような症状の背景に慢性上咽頭炎が隠れていることもある。Bスポット療法(上咽頭擦過療法)は、この慢性上咽頭炎に直接アプローチし、症状の改善をめざす治療法だ。患部に薬を塗るというシンプルな治療だが、「対応できる症状は鼻やのどをはじめ幅広く、慢性上咽頭炎が関与している場合には症状の改善が期待できます」と話すのは、「右京みみはなのどクリニック」の鈴木良院長だ。開業を機に、Bスポット療法に力を入れていきたいと語る鈴木院長に詳しく話を聞いた。
(取材日2026年7月30日)
目次
上咽頭の炎症を治療し、鼻やのどの不快な症状の改善をめざす。わかりやすい説明と鼻うがいで治療をサポート
- QBスポット療法とは、どのような治療なのでしょうか?
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A
▲鼻やのどの諸症状の改善をめざすのがBスポット療法
口から見える範囲が中咽頭で、その上に位置する鼻とのどの境目が上咽頭です。上咽頭は扁桃と同様に免疫に関わる組織で、花粉やほこり、ウイルスなどの影響を受けやすく、炎症が長引くことがあります。Bスポット療法は、この上咽頭に塩化亜鉛を浸した綿棒を用いて処置を行い、炎症の軽減をめざす治療です。塩化亜鉛にはたんぱく質を変性させて組織を引き締めたり、血管を収縮させたりする作用があり、炎症の改善が期待できます。「Bスポット療法」の「B」は、上咽頭の別名である「鼻咽腔(びいんくう)」の頭文字に由来します。現在は、より正式な名称として「上咽頭擦過療法(EAT)」と呼ばれることも増えています。
- Qどのような症状が治療の対象になりますか?
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A
▲日々の不快な症状があれば気軽に受診を
鼻やのどなど上気道に関わる症状が対象です。鼻水、鼻詰まり、嗅覚障害、後鼻漏、咳、痰などが代表的ですね。アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎、いわゆる蓄膿症を患っていることが多いですが、こうした症状の背景に慢性上咽頭炎が関与している方は意外に少なくありません。鼻咽腔内視鏡検査で上咽頭に炎症を認めた場合には、Bスポット療法によって症状の改善が期待できます。また、上咽頭の背後には舌咽神経や迷走神経が走行していることから、炎症との関連についてさまざまな研究が行われており、自律神経や全身症状との関係が報告されていますが、現時点では個人差もあるため、患者さんごとの状態を丁寧に評価しながら治療を進めています。
- Q先生がBスポット療法に注力する理由をお聞かせください。
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A
▲小学生から高齢の患者まで幅広い年齢に対応
鼻やのどの症状を和らげることが望めるだけでなく、その背景に慢性上咽頭炎が関与している場合に、炎症そのものに直接アプローチできる点に魅力を感じているからです。鼻やのどの病気では、症状を抑えるための対症療法が中心となることも多く、服薬を中止すると症状が再び現れるケースもあります。一方、慢性上咽頭炎の炎症を改善することで、症状の軽減だけでなく、薬に頼る機会を減らせる可能性が見込めます。この治療は定期的に継続する必要があり、処置に痛みを伴うこともありますが、小学生からご高齢の方まで多くの患者さんに受けていただけます。治療をきっかけにご自身の健康管理に積極的に取り組んでいただける方が多いと感じています。
- Q治療の流れや治療期間、注意点はありますか?
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A
▲治療は原則的に週1回の間隔で、症状が消失すれば終了
塩化亜鉛を浸した長い綿棒を鼻の穴から片方ずつ通し、上咽頭を擦ります。もう一方の鼻の穴から内視鏡を挿入し、炎症の程度や処置する範囲を確認しながら行うこともあります。処置時間は片側1分程度です。炎症が強い部分を擦るため少量の出血を伴うことがありますが、多くは自然に止まります。また、処置後に翌日頃まで痛みを感じることがあるため、必要に応じて鎮痛薬を処方します。細菌感染の合併が疑われる場合には、抗菌薬を使用することもあります。治療は原則として週1回程度の間隔で行い、症状や上咽頭の状態を確認しながら継続します。数回で終了する方もいれば、10回以上治療を行う方もいます。
- Qこちらならではの特徴があれば教えてください。
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A
▲わかりやすい表現で丁寧に説明するよう心がけている
当院ではBスポット療法と併せて鼻うがいもお勧めしています。鼻腔や上咽頭を清潔に保つことは、感染予防や慢性上咽頭炎の再発予防にも役立つと考えています。また、この治療では痛みを心配される方も少なくありません。そのため、患者さんのお話を丁寧に伺い、内視鏡のモニターで実際の炎症をご覧いただいたり、イラストを用いて治療の目的をご説明したりするよう心がけています。治療を始める理由や期待できることだけでなく、痛みや治療期間についても率直にお伝えし、十分にご納得いただいた上で治療を進めています。安心して治療を続けていただけるよう、一人ひとりに寄り添った診療を大切にしています。

