新地 秀也 院長、新地 直子 先生の独自取材記事
ここまち内科
(鹿児島市/鹿児島中央駅)
最終更新日:2026/05/15
鹿児島市永吉の地で2026年4月に新規開業した「ここまち内科」は、アースカラーの洗練された外観が目印。大きな窓からたっぷりと光が差し込む待合は、医療機関であることを忘れてリラックスできる空間だ。同院を率いるのは、鹿児島大学で糖尿病内科と循環器内科の両分野で研鑽を積んだ新地秀也院長と、麻酔科で多くの手術に携わってきた妻の新地直子先生。クリニックの温かい雰囲気は、二人の朗らかな人柄があってこそだろう。生活習慣病が引き起こす循環器疾患の予防から治療まで一元的な管理を強みとして、合併症ゼロをめざすともに、内科全般の幅広い悩みに向き合う。「ここに来て良かったと思ってもらえる町のかかりつけ医になりたい」と笑顔で語る秀也院長と直子先生に、開業の経緯や地域への思いを聞かせてもらった。
(取材日2026年4月27日)
自身の通院経験から「町のかかりつけ医」に憧れて
開院おめでとうございます。温かみのあるすてきなクリニックですね。

【秀也院長】ありがとうございます。40年以上にわたりこの場所で地域医療を支えられてきた牧光紘先生から受け継ぎ、今年4月に新規開業しました。院名は、「ここに来て良かった」と思ってもらえる「町のかかりつけ医」というイメージを皆さんに抱いていただきたいという想いから名づけています。院内ではゆったりと過ごしていただけるように、待合の椅子もゆとりを持って設置したほか、アースカラーで目にも優しい色をあしらっています。クリニックには発熱者専用の待合室を設け、発熱の方とそれ以外の方がほとんど交わらない形で動線を分けていますので、安心してかかっていただけるのではないでしょうか。現在は、永吉にクリニックが少なくて困っていた、という方や、心臓の検査を希望されて来る方が多いです。「なんだか具合が悪い感じがする」という、ちょっとした違和感に困っている方が多いことを実感しているところです。
お二人のこれまでの歩みをお聞きします。
【秀也院長】幼い頃、喘息で病院に行く機会が多く、かかっていた先生にすごく良くしてもらったんです。その時から「町のお医者さんになりたい」という思いが芽生え、将来開業することを考えて内科に進みました。初期研修後は糖尿病内科で内科一般と生活習慣病について学んでいたのですが、糖尿病の合併症の一つである心筋梗塞で生活が一変する方を診ていくうちに、循環器疾患も学びたいという思いが強くなり、循環器内科に転科しました。カテーテル治療などやりがいのある診療をしていく中で、もともと考えていた開業をするかどうか悩んだ時期もありましたが、親族が血管の病気で突然亡くなって。「病気になる手前でどうにかできたのではないか」という思いが再び強くなり、予防の段階から携われる開業の道を選びました。地域の方々の合併症をゼロにすることをめざし、症状のない時期からしっかり治療をしていくことが大切だということを、伝えていきたいです。
直子先生はいかがでしょうか。

【直子先生】私も小学生の頃から医師を志していました。きっかけは祖母の死だったのですが、病気になると本人ももちろん大変な思いをしますが、その周りにいる家族もこんなに悲しい気持ちになるんだなということを実感したんです。こうした患者さんや家族の不安や悲しみに寄り添うことができればと思い、この道に進みました。初期研修後は、麻酔科で周術期の全身管理を中心に学ばせていただきました。大学病院の麻酔科では、緊急手術の時など命の危機に直面することも多くあり、大変である一方やりがいも非常に大きく、合併症を有する患者さんの全身管理を通して、多くのことを経験させていただきました。当院がめざす「町のかかりつけ医」は、私も憧れがありました。これから、地域の方々の支えになっていけたらなと思っています。
生活習慣病の予防、合併症の治療まで一元的に対応
診療を行う上で大切にされていることを教えてください。

【秀也院長】私は生活指導を行う機会が多いので、独り善がりな指導にならないように、患者さんと一緒に伴走するイメージで診療にあたっています。患者さんと相談しながら、一人ひとりに寄り添った治療の提案ができるよう心がけています。
【直子先生】私も同じですね。どうしても病院や医師に対して怖いイメージを持たれる方も多いかと思うので、患者さんと同じ目線に立って接するようにしています。患者さんにとって「いつでも相談できる人」と思ってもらえるような存在になりたいです。
診療内容の特徴についてもお聞きします。
【秀也院長】生活習慣病と合併症の予防から治療まで、一元的に対応できることが一番の強みです。鹿児島県内ではあまり居ないと思いますが、糖尿病と循環器の2つの分野に主に携わってきました。これらの経験を生かし、糖尿病をはじめ高血圧や脂質異常症のコントロールがうまくいかなかった際、実際にどのような治療が行われ、日常生活がどのように変化していくのか、より具体的に伝えることができます。また、当院である程度検査を受けられるよう、最低限の機器はそろえたいという思いから、心臓の超音波検査や心電図、血管年齢や動脈硬化の進展度を評価するための機器もそろえています。数分で結果が出るHbA1cやCRPと末血の血液検査もあるため、その日のうちに患者さんにフィードバックできるので、よりリアルタイムに治療が可能です。
睡眠時無呼吸症候群にも対応されていますね。

【秀也院長】はい。近年、睡眠時無呼吸症候群は心臓領域でも問題になっているので、当院でも詳しい検査ができるようにしています。睡眠時無呼吸症候群の精密検査は、通常1泊入院が必要なPSG(終夜睡眠ポリグラフ)検査が必要ですが、当院は入院せずにご自宅で精密検査を行える装置を導入しています。また、再診の方が対象になりますが、オンライン診療を行える体制も整えています。働き世代の方々が、時間がなくて治療を中断することを防ぐためにも、活用していただければと思います。
患者と伴走しながら末永く地域医療を支えたい
開業なさってどんな時にやりがいを感じますか?

【直子先生】私はこれまで手術麻酔に主に従事してきたので、このように患者さんの日々の悩みを直接聞く機会はあまり多くはありませんでした。悩みだけではなく、たわいのない世間話を患者さんとできることがすごく楽しいですし、うれしいです。
【秀也院長】直子先生の診察室から、患者さんと楽しく話している声が聞こえてきます(笑)。これまで、地域の基幹病院で勤務していた頃は、患者さんを治療すること自体がやりがいでしたが、今は悩みを抱えて来られた方のお話を聞いて、「来て良かった」と言っていただけた時、開業して良かったなと実感します。
患者さんとの接し方で心がけられていることや、スタッフさんの雰囲気はいかがですか?
【直子先生】私は患者さんの話に耳を傾け、思ったことを本音で伝えることを大切にしています。そうすることで、患者さんの心もほぐれて、リラックスしてお話ししてもらえるのではないかと思っています。
【秀也院長】私も直子先生と同じです。日々のちょっとした疑問や体調不良など、気軽に相談していただけるような雰囲気づくりを大切にしています。オープニングスタッフは私と直子先生以外に4人いますが、理想のクリニックにするためにどのようにしていけば良いのか、一生懸命考えてくれるので、頼もしいですし、本当にうれしく思っています。この方たちと一緒に働けて良かったです。
最後に、今後のご展望と読者へメッセージをお願いします。

【直子先生】「こんなことで病院に行ってもいいのかな」と思うような些細なことでも、遠慮なさらずに相談しに来ていただけたらうれしいです。
【秀也院長】予防から治療まで患者さんと伴走しながら診させていただきたいなと思っています。地域に根差し、合併症ゼロ、そして永吉の皆さんの健康寿命を延ばしていくことが一番の目標です。その上で、病気にかかってから来る場所というこれまでの医療機関へのイメージを変え、地域の方々が安心するために来られるようなクリニックになっていきたいと思います。ちょっとした体の不調から息切れ、胸の痛みまで、何でもお気軽にご相談ください。末永くよろしくお願いします。

