頻尿は睡眠時無呼吸症候群が原因のことも
放置せず、早めの受診を
小林大濠公園クリニック
(福岡市中央区/大濠公園駅)
最終更新日:2026/05/14
- 保険診療
1日に何度もトイレに行きたくなる頻尿。夜、何度も起きてしまう夜間頻尿。「ごくありふれた症状だから」、「年齢のせいだから仕方がない」と泌尿器科を受診せず、放置している人も多いのではないだろうか。しかし、頻尿をそのままにすると社会生活に支障を来すこともあり、高齢者の夜間頻尿では、暗い中でトイレに行く途中に転倒して骨折する恐れもある。また、近年、夜間頻尿に睡眠時無呼吸症候群が影響している場合があることもわかってきた。そこで、頻尿や夜間頻尿の治療に力を入れる「小林大濠公園クリニック」の小林宏州院長に取材した。同院は、内科も含めて幅広い診療を行う「受診しやすい泌尿器科」で、頻尿に悩む女性患者の来院も多い。「年のせいだと諦めず、頻尿を放置しないでほしい」と話す小林院長に頻尿について説明してもらった。
(取材日2026年4月28日)
目次
睡眠時無呼吸症候群が原因のこともある頻尿・夜間頻尿。循環器疾患につながることもあるため、早めの受診を
- Q「頻尿」は、なぜ起こるのでしょうか?
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A
▲オンライン予約やオンライン診療など医療サービスの向上に努める
頻尿にもさまざまな原因があり、例えば女性では、膀胱炎や膀胱が過敏に反応する過活動膀胱が原因のことも多いですし、出産後、頻尿や尿漏れが起こりやすくなったり、加齢に伴う骨盤臓器脱で頻尿になったりすることもあります。男性では、前立線肥大で尿が出にくくなって残尿が増え、膀胱がすぐにいっぱいになることから頻尿になりやすくなります。また男女を問わず、睡眠時無呼吸症候群で夜間頻尿になることや、糖尿病の初期症状として頻尿や多尿になることもあります。そのほか、高血圧や気管支喘息などの薬の副作用である場合や、尿の生成量が多すぎる、水分やカフェインの取りすぎ、日中の足のむくみなども頻尿の原因となることがあります。
- Q頻尿に、睡眠時無呼吸症候群が関わることもあるのですか?
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A
▲コンサルタントの経験から患者目線の診療を心がけている
そうなのです。睡眠時無呼吸症候群では、睡眠中に呼吸が止まったり、苦しくなったりして眠りが浅くなって目が覚めやすく、トイレに行きたくなるという頻尿になりやすくなります。また、病気のメカニズムとして、睡眠時無呼吸症候群で無呼吸になっているときには、胸腔内圧が低下し、その結果、静脈環流が増加となるため、心臓に戻ってくる血液量と圧力が増加します。その心臓負荷により体液が多すぎると体が勘違いを起こし、心房組織から心房性ナトリウム利尿ホルモンが放出されることで、夜間頻尿を起こします。つまり、夜間頻尿の裏に、睡眠時無呼吸症候群という恐ろしい病気が隠れていることがあるわけです。
- Q頻尿を放置すると、どのようなリスクがありますか?
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A
▲日本泌尿器科学会泌尿器科専門医が在籍
昼間の頻尿では、トイレに行く回数が増えることで仕事や家事など生活に支障を来すことになります。トイレが近くにないと不安になり、旅行やスポーツなどにも消極的になれば、生活の質が低下するでしょう。また、夜間の頻尿は、暗い中でトイレに行くことになるので、家具やドアにぶつかったり、転倒したりするリスクが高まります。特に高齢者の場合、転倒による骨折から、要介護の状態になることや、最悪の場合、寝たきりの状態につながることも考えられます。さらに、睡眠時無呼吸症候群が原因の頻尿を放置すると、睡眠時無呼吸症候群も放置することになりますから、高血圧や肥満が進み、心筋梗塞や脳卒中などのリスクも高まります。
- Q頻尿の治療は、どのように進めるのですか?
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A
▲尿検査、超音波検査で原因を探っていく
診療では、まず頻尿の状況や、どのようにお困りなのか、患者さんのお話をよく聞き、うまく尿を出せず尿がたまっているのか、たまっていないのに尿意を感じるのか、あるいは睡眠時無呼吸症候群といった病気が関係していないかなど頻尿の原因を探っていきます。また、尿検査で細菌感染を確認し、超音波検査で残尿や膀胱の形、男性であれば前立腺の状態などを確認します。生活習慣が関係することもあるので、水分の取り方もお聞きし、水分摂取とトイレのタイミングを記録する排尿日誌をつけていただくこともあります。これらの結果から診断を行い、治療へと進みます。睡眠時無呼吸症候群と診断できたら、CPAP治療も行います。
- Qどのようなタイミングで受診すれば良いのでしょうか?
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A
▲頻尿の原因は多岐にわたるため、早めの受診が重要だと院長は話す
1日に8回以上の排尿がある、夜間に1回でもトイレに起きる場合は頻尿と定義されています。ただし、患者さん本人がつらいと感じられたり、生活に支障があったりする場合は、回数に関わらず泌尿器科に相談すると良いでしょう。男性でも女性でも、「年齢のせいだから仕方がない」と諦められる方が多いのですが、他の原因による頻尿かもしれませんし、また、加齢によるものでも治療によって頻尿の改善が望めることは多くあります。一方で、頻尿を放置すると、さまざまなリスクがありますし、命に関わる病気につながることも少なくありません。頻尿は治療によって早期に改善が見込めることが多いので、ぜひ早めに受診していただきたいですね。

