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小幡 進一郎 院長の独自取材記事

京浜健診クリニック

(横浜市金沢区/金沢八景駅)

最終更新日:2020/04/01

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京急線金沢八景駅近くの「京浜健診クリニック」で、にこやかに対応してくれた小幡進一郎院長。同施設が開設された40年以上前、日本では健康診断はさほど重視されていなかったが、「がん治療の現場で手遅れになった患者さんを数多く診てきた父が、何としても早期発見に取り組みたいとの思いで始めたのです」と小幡院長はそのルーツを語る。当時からの思いを受け継ぎ、現在も健診に熱心に取り組む同施設の方針や健診を受ける際のアドバイスなどを詳しく聞いた。
(取材日2016年10月4日)

横浜市で40年以上続く、健診施設の老舗的な存在

こちらは健康診断を専門とする施設と聞きました。

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ええ、当施設は私の父が1972年に人間ドック専門の施設としてスタートさせ、がんや婦人科の病気など特定の病気に対する検査も行うなど、健康診断の専門施設として発展してきました。当時の医療機関はまだ病気やけがを治すところという意識が強く、病院で入院形式の人間ドックがようやく定着し始めたような状況。病院に付属しない個人立の健診施設などは無く、その意味で当施設は「健診施設の老舗」と呼んで差し支えないでしょう。40年以上も健診一筋でやってきた施設はごく少数で、ここで始めた工夫が全国に広がったものも多いのですよ。

例えばどのような工夫をされてきたのですか?

一例を挙げると、健診結果をお伝えする書類、施設で医師が説明する際の資料などに、検査項目の5年分の結果を一覧表示する形式をいち早く採り入れました。健康診断では以前の結果との比較が重要なためで、そうしたデータが比較しやすいやり方を当施設で工夫して始めたのです。また単に健診結果が届くだけでは、「どの結果に注意して、これから何に気をつけて暮らせばいいか」までわからないため、かなり前から検査項目のコメント欄に簡単な解説や今後の注意点などを書き込んでいます。おかげさまで継続受診の大切さをご理解いただき、当施設で健診を受けられる方の約9割がリピーター。企業にお勤めのときから退職後も続けていただき、お付き合いが30年という方もいらっしゃいます。

健診施設を始められるきっかけは何だったのでしょう?

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父は横浜市立大学医学部を卒業してがん研究会の病院に入り、外科の医師として患者さんを救うため手を尽くしていました。しかしがんの早期発見が難しい時代で、手術をしても手遅れのケースが多く、非常に悔しい思いをしたと聞きました。その頃、アメリカでは大統領だったニクソンが「がん撲滅宣言」を出すなど、がんで亡くなる人を減らすトライアルを始めていました。父は手遅れになる前にがんを見つけて治療できないかとそれら海外の事例を調べる中、カイザー財団が始めた健診センターに興味を持ち、自分でも健診施設を持ってがんの早期発見に役立てようと考えたのです。ここは江戸時代からの景勝地ですが、分譲が始まったばかりでの土地に自前のビルを建て、個人で人間ドックを始めたのですから、父の思いは相当強かったのでしょう。そうした熱意が当施設の根底にあったからこそ40年以上も続けてこられたのだと思います。

健康状態の変化にいち早く気づくために継続受診を

健康診断で継続して受診することがなぜ大切なのですか?

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その方が健康なのかどうかは、1回の検査結果ではわからないことも多いからです。一般的に正常値とされる数字は多くの検査結果にもとづく標準偏差に過ぎず、何度も健診を受けていただくことでその方にとっての適切な値がわかってきます。それが正常値の上限あたりだとしても、ずっと安定して特に異常がなければ問題ないでしょうし、逆に長年高かった値があるとき下限ギリギリに落ちた、というような変化には注意を払う必要があります。正常値の範囲だとしても、急激な変化には何かしら原因があると疑うのが自然で、早く病気を見つけるにはこうした変化を追える継続受診が大切なのです。もちろんその方の家族構成や生活の様子などをお聞きすることで、検査結果だけではわからない部分も見えてきますから、検査後の問診では受診された方とのコミュニケーションも大切にしています。

そのほか健診時に心がけていることはありますか?

健診に来られた方は、どの分野の相談にも担当した医師が答えてくれると考えておられるでしょう。当施設ではその期待に応えるよう医師が幅広い知識を持ち、同時に足腰の痛みなどの悩みまでお聞きして、適切な医療機関のご紹介も行っています。検査後は検査結果の見方やご本人の健康状態をお伝えするだけでなく、「何かお聞きになりたいことはありませんか」とこちらからお尋ねして、その方が不安に感じていること、気になっている点をどうしたらいいか、解決の糸口をご提供するまでが当施設での健診の役割と考えているのです。そうした健診を行うことで、地域の皆さんから「何かあったらあそこに行って聞こう」と頼っていただける存在をめざしています。

どんな人がどの健診を受けるべきかなど目安はありますか?

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そこで悩まれる方も多いのですが、当施設としては通常の健診で構わないので、まず毎年受けていただくようお勧めしています。がんなど気になる病気を詳しく調べる検査の追加、人間ドックへの切り替えなどは、ご自分で必要と思われるものを選ばれるといいでしょう。健診を続けていただく中でデータが蓄積され、食事や運動の指導、次に受けていただく検査など適切なアドバイスができるようになります。また私はずっと健診に来なかった方が受診されたときはより注意深くチェックし、重大な病気を見つけたことが何度もあります。虫の知らせではないですが、その方も「最近体調が気になる」「久しぶりに健診を受けよう」と感じていらしたのでしょうし、私の経験からも病気が潜んでいる可能性は高いと感じるからです。ただこうした発見ができるのも、健診に来ていただいてこそです。

これからは高齢者に適した健診が必要な時代に

先生がこちらで診療されるまでの経験を教えてください。

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病院でのがん治療から健診施設の運営まで意欲的に仕事をする父の姿を見て育ち、私も早くから医師になると決めていました。医学部卒業後は東京慈恵会医科大学循環器内科に入局し、地域の総合病院で経験を積んで循環器を専門にと考えた時期もありましたが、やはり父の健診に対する思いを継ごうと当施設に戻り、1998年に院長に就任したのです。その父が数年前に誤嚥性肺炎で亡くなって以来、何か防ぐ手だてはなかったのかと自答しています。現在、高齢の方の死因はがん、心疾患に次いで3番目が肺炎。これは年とともに飲み込む力が弱くなることで、食物や唾液に含まれる雑菌が気管から肺に入ることが主な原因です。健康で長生きをしてもらえることは介護の範疇と考えていましたが、健診にお見えになる方も高齢化している現状から、高齢の方への健診も真剣に考える時期が来たと思っています。

高齢の方への健診はどのように違うのでしょうか?

以前は受診者の平均年齢は50歳前後でしたが、そうした働き盛り世代でコレステロール値などが高いとわかれば、将来病気になるリスクを下げるよう食事や運動の指導を行うでしょう。しかし75歳を過ぎた方で同じ結果が出ても、好きな食事をやめるような指導は必要ないと考えます。これからの人生で何を重視されるかをお聞きしながら、おいしい物を食べたい方には「食べ過ぎに注意を」といったアドバイスで十分。その方が幸せな人生を送ることができるでしょうし、高齢の方にはそれなりの対応が今後求められるはずです。一方で65歳を超えると、食事や運動に気をつけても病気にかかりやすくなることは間違いありません。ですからお勤め先を退職されても、健診を毎年受ける習慣はぜひ続けていただきたいと思っています。

先生ご自身はプライベートをどんなふうに楽しまれていますか?

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学生時代から音楽が好きでギターなどもよく弾いていました。仕事を始めた忙しさからしばらく中断していましたが、少し前から再開したんです。しかも妻がフラダンスを習い始めたので、ギターに加えてウクレレも練習しようと思って教室にも通いました。ウクレレは手軽に持ち運べますからいろいろなところで演奏ができ、以前は湘南のビーチで踊るフラダンスチームのバックバンドに参加したこともあるんですよ(笑)。こうして仕事を離れてリフレッシュすると、これからの健診についていろいろと考え、新しい取り組みを実行していく気力も充実しますね。

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