睡眠不足や学習への影響も
子どもの生活を左右する鼻炎
おんたけ耳鼻咽喉科
(大田区/御嶽山駅)
最終更新日:2026/08/10
- 保険診療
近年、子どものアレルギー性鼻炎は低年齢化しており、乳幼児期から症状がみられるケースも増えている。鼻炎は鼻水、鼻詰まりだけの問題にとどまらない。睡眠不足や集中力の低下、学習や運動のパフォーマンス低下、さらには中耳炎を引き起こしたり、集中力や行動面に影響が出る場合もある。鼻炎を放置することで具体的にどの程度の損失があるのか、また7歳以下と8歳以上で、それぞれどのようなことに注意すればよいのか。「おんたけ耳鼻咽喉科」の山田哲也院長に教えてもらった。
(取材日2026年7月28日)
目次
鼻炎の放置が子どもの心身に大きな影響を及ぼすことも。勉強・スポーツに悪影響が出る前に早めの治療を
- Q子どものアレルギー性鼻炎は、どの程度で受診すべきですか?
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A
▲鼻の不調が集中力低下の原因につながることもあると話す山田院長
中等症以上の方はもちろん、「朝少しくしゃみが出る」「ちょっといびきをかく」といった軽症の方でもぜひ治療を受けてください。なぜならば、鼻炎による損失が大きいからです。例えば鼻炎は軽症でも経済損失が10%程度あるとされており、小学生から鼻炎を放置すれば、高校・大学受験の頃には約1年分勉強が遅れると言われています。重症となると、この差はさらに顕著です。また、鼻炎による睡眠不足から、落ち着きや集中力が欠け、イライラしたり、ぼーっとするなどの症状につながることもあります。これはADHDの症状に似ており、鼻炎の治療不足がADHDの診断の妨げになる恐れもあるのです。
- Q7歳以下の子どもが鼻炎の場合、注意すべき点を教えてください。
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A
▲鼻炎の治療が中耳炎の予防につながることも
1~2歳で中耳炎を起こしやすいことは比較的知られていますが、実は6~7歳も同様に中耳炎のリスクが上がります。そして、滲出性中耳炎を引き起こす原因の一つがアレルギー性鼻炎です。スイミングに通うお子さんも多いかと思いますが、鼻炎を放置してスイミングをしていると中耳炎のリスクはさらに上がり、中耳炎の経過次第では全身麻酔の手術を必要とする場合もあります。また、中耳炎で聞こえが悪いと、コミュニケーションが取りにくくなり、ADHDや自閉症スペクトラム障がいの診断の妨げになる恐れがあります。花粉症、副鼻腔炎など、大したことないと思っても鼻炎の原因を特定して治療を始めることが大切です。
- Q8歳以上ではいかがでしょうか?
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A
▲学校や塾帰りでも通いやすい環境を整える
8歳以上になると中耳炎のリスクは下がっていくのですが、勉強の重要度が上がってきます。「塾通いが忙しくて、鼻炎のために受診する時間がない」とおっしゃる方もいますが、鼻炎は睡眠不足や集中力の低下を招くため、鼻炎の治療は学習をする上でかなり重要といえるでしょう。当院では、月・水・金は20時までアレルギー診療を行っており、学校帰りや塾の前後に通いやすいよう環境を整えています。また、スポーツでの活躍をめざすお子さんもスポーツで重要な鼻呼吸をスムーズに行うために、鼻炎治療はぜひ受けてほしいです。子どもの鼻炎治療は、保険診療内で対応可能ですので、積極的に受けてほしいですね。
- Q鼻炎にはどのような治療法がありますか?
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A
▲おむつ替え台を用意し、多様な年齢が通いやすいように配慮
西洋薬・漢方薬などの内服薬、点鼻薬、レーザー治療、舌下免疫療法などがあります。レーザー治療は子どもにはハードルが高いため、それ以外を主に考えるのが良いでしょう。国内では内服薬が用いられる傾向にありますが、薬によっては集中力の低下などが懸念されるものもあります。一方、点鼻薬は強めの内服薬と同程度の効果が期待できる上に、体への負担が少ないのが特徴です。とはいえ、点鼻薬が苦手なお子さんもいますので、慣れないうちは内服薬を中心に治療を行い、様子を見ながら点鼻薬を中心とした治療に切り替えていくタイミングを相談しています。点鼻薬にも種類があるので、一度受診していただきご相談することをお勧めしたいです。
- Q舌下免疫療法についても教えてください。
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A
▲子どもが怖がらないような工夫を凝らし、診療を行う
効果が期待できるまでには早くて6ヵ月、治療期間は3~5年かかりますが、現存する治療法の中でも根本的原因にアプローチできる方法です。数年後を見越して治療を始める必要がありますが、ハウスダストやダニのアレルギーの改善を図ることで年間を通して薬の使用量の減少が見込め、スギ花粉症の改善を図ることで2~3月の受験本番中に薬で眠くなることを避けることも期待できます。中学受験を考えるなら小学1年生頃に、高校受験を考えるなら小学4年生までに、大学受験を考えるなら中学1年生までに開始することをお勧めします。また当院では、舌下投与が不安な年齢のお子さんのために、お菓子を使った服薬の練習などのご提案もしています。

