松崎 時夫 院長の独自取材記事
高輪ゲートウェイ駅前整形外科クリニック
(港区/高輪ゲートウェイ駅)
最終更新日:2026/04/06
2026年3月、国際的なビジネス・文化の拠点としてオープンした「TAKANAWA GATEWAY CITY」。「100年先の心豊かなくらしのための実験場」と銘打たれた街で、一生付き合える体作りをサポートするのが「高輪ゲートウェイ駅前整形外科クリニック」だ。経験と勘に頼ったアプローチではなく、患者個々の状態をデータで可視化して根拠のある治療を提案し、多様な痛みの要因に応じて、手術以外の選択肢を組み合わせた個別化医療を実施できるのが強みだ。松崎時夫院長は、専門の整形外科を皮切りにロボティクスやAI、再生医療、医療機器開発などにも携わってきたドクター。豊富な知見と技術を生かし、「年だから仕方ない」と諦める患者をなくしたいと話す松崎院長に、治療やリハビリテーションの特徴、患者への思いなどを聞いた。
(取材日2026年3月17日)
「見える化」「根本解決」「再発予防」が診療の軸
眺望が開けていて、とても明るい空間ですね。気持ち良く通えそうです。

大学時代の友人である建築家に設計を依頼し、物理的にも心理的にも快適に過ごせる空間をめざしました。院内は待合室を起点にリハビリ室と診察室への動線が明確に分かれており、ストレスなく移動していただけます。また、待合室からリハビリ室にかけて空間の抜けを作り、閉塞感をなくす工夫をしました。リハビリ室の大きな窓からは自然光が差し込み、眼下に広がる都心の風景を眺めながらリハビリに取り組むことができます。筋肉の質を高めるのに有用な半面、単調になりがちなエアロバイクは、飽きずに続けてもらえるよう窓際の特等席に設置しました。
クリニックのコンセプトを教えてください。
画像診断技術やリハビリ技術が未発達だった時代、整形外科疾患は「手術ありき」の治療方針が主流でした。しかし現在では、手術以外にも有用な治療法が多くあり、必ずしも手術が正解とは限りません。むしろ、日常生活を維持しながら根本的な解決をめざす保存療法が第一選択になることが多いでしょう。当院では、エビデンスのある保存療法の選択肢を複数用意し、データを用いて可視化した患者さんの状態に合わせて適切な治療をご提案します。また、リハビリを治療の一環と位置づけ、個別化したプログラムで回復の促進と再発予防に取り組むことも特徴の一つです。「見える化」「根本解決」「再発予防」の3つを軸として、納得感と効果のある治療を提供していきたいですね。
保存療法には、どんな選択肢があるのでしょう。

大きく分けて、薬物療法、注射療法、物理療法、リハビリの4つがあります。薬物療法は、痛み止めの服用ですね。注射療法は、神経や関節、筋肉などへ直接ヒアルロン酸などを注入することによって、痛みや炎症の抑制をめざす方法です。膝関節の慢性的な痛みによく使われ、原因や痛みの程度によってはヒアルロン酸の注射だけで症状の緩和が見込めるケースも少なくありません。次に物理療法は、患部に物理的なエネルギーを与えて症状の改善を図る方法です。体外衝撃波治療(ESWT)、ラジオ波焼灼療法などがあり、患者さんの状態に応じて選択します。
個別化したリハビリで、根本解決と再発予防をめざす
物理療法について、詳しく教えてください。

体外衝撃波治療は、その名のとおり体の外側から痛みの原因に衝撃波を当て、患部を物理的に刺激することで組織の回復を促す治療法です。足底腱膜炎による慢性的な痛みに高い効果が見込めます。ラジオ波焼灼療法は、ラジオ波で発生させた熱によって患部の神経を焼灼し、痛みの伝達を一時的に遮断する方法です。比較的新しい保険診療の一つで、従来は人工関節になっていた可能性が高い患者さんにも行うことができます。年齢的なリスクや合併症があって手術ができない、メスを入れたくない、他の保存療法で充分な効果が見込めなかった、という方はぜひ検討してみてください。
こちらのクリニックの特徴である、個別化されたリハビリについてもお聞きしたいです。
「膝が痛い」「腰が痛い」といった症状は、体重や筋力、過去のけが、日常動作の癖など、さまざまな要因が複雑に絡み合って起こることがほとんどです。当然、その方の体格や生活ぶりなどによって要因の組み合わせは異なりますから、リハビリも個別的であるべきだというのが私の考え方です。当院では、AIを活用した歩行解析や姿勢解析、筋力計測器などを活用して筋力やバランスを定量的に評価し、客観的データに基づいてプログラムを検討することで個別化を可能にしています。その方が痛みを感じる要因を、多角的なアプローチで一つ一つ解消を図っていくことによって、根本的な解決と再発予防につなげるのです。
リハビリでは、理学療法士さんの役割も重要ですね。

経験豊富で熱心な理学療法士が入ってくれたおかげで、安心してリハビリを任せることができそうです。リハビリには弱い筋力を強化するイメージがあるかもしれませんが、当院は神経と筋肉の連動を整えることを目的としたアプローチも取り入れ、痛みの原因となる動作そのものの改善をめざしていきます。誰が担当しても同じリハビリのレベルを維持できるのも、データに基づくリハビリの良さですね。ゆくゆくは、個人情報を除く評価データをAIに分析させ、見えにくい原因や体の変化の発見につなげることも計画しています。
複数の領域にまたがる経験を、クリニックの診療に集約
多彩な治療を、高いレベルで提供できる背景をお聞きしたいです。

背景には、臨床と研究の両面で積み重ねてきた経験があると思います。大学卒業後、幅広い症例に携わる中で加齢や動作に起因する疾患の多さ、多様さを実感し、大学院で人工関節の動態解析やエイジングに関連する遺伝子研究に取り組みました。その後、アメリカ・サンディエゴに留学し、遺伝子研究からロボティクスへと関心を広げました。手術支援ロボットの遠隔手術における技術開発に従事したほか、AIの可能性にも着目し、医療への応用や倫理に関する研究を進めました。帰国後は、東京大学の医療機器開発プログラムに参加し、再生医療にも携わりました。こうした経験のすべてが、多様な治療法から適切な選択肢を提案する現在の診療スタイルにつながっていると思います。
診療の際に心がけていることはありますか。
痛みの原因を適切に見極めることと、治療法や予後予測をわかりやすく説明することです。膝や股関節などの痛みを「年だから仕方ない」で片づけられた経験がある方は多いでしょう。しかし、患者さんが知りたいのは「加齢によってどんな変化が起こっていて、なぜ痛いか」であるはずです。意味のある検査で痛みの理由を解明し、納得感のある説明をする。それが治療に対するモチベーションを維持することにもつながるでしょう。こうした方針の根底には、丁寧な説明がないまま薬を塗り続け、皮膚疾患の悪化と合併症の発症につながった私自身の経験があります。患者さん自身が自分の体を理解し、前向きに治療に臨めるよう支えていきたいと思っています。
最後に、今後の展望をお聞かせください。

アスリートを専門に診る医師などを招聘し、専門性の高いスポーツ医学チームを構成することができました。痛みからの回復だけでなく、プロをめざす選手やスポーツ愛好家のパフォーマンス向上にも貢献していきたいですね。一方で、そうした専門的な医療やリハビリをスポーツを好む患者さんだけに提供するのではなく、日常生活の中での動作改善や再発予防といった視点で一般の患者さんにも還元していきたいと考えています。基本的には予約制ですが、急な痛みなどはいつでも気軽にご相談ください。地域で働く方、暮らす方のより良い人生に貢献できるよう、技術と知見を更新し続けていきたいと思います。

