早期発見が重要な膵臓がん
専門クリニックへの受診を
きむら内科・外科、膵臓クリニック
(大阪市阿倍野区/西田辺駅)
最終更新日:2026/07/15
- 自由診療
日本国内で年間4万人以上の人を死に追いやっているとされる膵臓がん。自覚症状が乏しい、進行が速い、転移が多いといった性質があり、他のがんと比べて早期発見や治療が難しいとされている。発見された段階でステージ4というケースも多い難治性の疾患だ。それにもかかわらず、膵臓がん検診は自治体の対策型検診に含まれず、早期発見につながるプログラムが確立されていない。大阪市の「きむら内科・外科、膵臓クリニック」の木村健二郎院長は、これまで多くの膵臓がん症例を診てきた経験から、膵臓がんの早期発見や啓発に注力してきた。同院では造影超音波検査や造影CT検査などを積極的に行っているそうだ。今回は木村院長に、膵臓がんの特徴や発見に役立つと期待される検査について詳しく教えてもらった。
(取材日2026年6月23日)
目次
予後が悪い膵臓がん。早期発見には専門の医師による検査を受けることが重要
- Q膵臓がんとはそもそもどのような病気なのでしょうか?
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A
▲早期発見が非常に重要となる膵臓がん
膵臓は消化液をつくる働きと、血糖値をつかさどるインスリンをはじめとするホルモンを血中に排出する役割を担っています。膵臓がんは、膵液の通り道である膵管から発生する浸潤性膵臓がんがほとんどを占め、それ以外には膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)や、神経内分泌細胞が腫瘍となる膵神経内分泌腫瘍(PNET)があります。糖尿病や喫煙習慣などがリスク因子ともいわれていますが、原因は明らかになっていません。誰にでもなり得る病気です。そして浸潤性膵臓がんは比較的小さなサイズから遠隔転移しやすい性質を持ち、発見された時にステージ4と診断される方が非常に多いがんです。そのため早期発見が非常に重要です。
- Q日本では、膵臓がんの死亡数が多いとお聞きしました。
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A
▲日本国内のがん死亡数の順位、各がんの罹患数と死亡数
膵臓がんは罹患数は男女ともにそこまで多くはないものの、死亡者数は多い、恐ろしい病気です。部位別のがん死亡数の統計を調べてみると、男性は4番目、女性は3番目であり、ここからも難治性のがんであることがわかります。では、なぜ膵臓がんは罹患数が多くはないにもかかわらず、死亡数はここまで多いのでしょうか? その理由はいくつかありますが、膵臓が内臓の奥のほうにあり、病気を見つけにくいことがまず挙げられます。その上膵臓がんは初期症状が少なく、これも発見が遅れてしまう原因になります。そして、がんが小さいうちから転移しやすく、他のがんに比べて増殖しやすく比較的短期間で大きくなることも、死亡数の多い理由でしょう。
- Q自治体の膵臓がん検診を受ければいいのですね。
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A
▲国が推奨するがん検診の一覧
いえ。膵臓がんの死亡数は多いにもかかわらず、市区町村が推進する対策型検診に膵臓がんは含まれていません。膵臓がんの検診は定期プログラムに入っていないため、リスクを抱えている人でも見逃されてしまうのです。腫瘍マーカーという血液検査で発見できるのでは?と思う方もいらっしゃるかもしれませんね。しかしながら、膵臓がんの場合、膵臓腫瘍と関連のある糖鎖抗原CA19-9は、がんが進行しないと数値が上がりにくいため、腫瘍マーカーでは初期段階の膵臓がんを見つけることは困難なのです。そのため、膵臓がんの早期発見のためには、ご自身で有用な検査を受ける必要があります。
- Q膵臓がんは早期発見が鍵になるのですね。
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A
▲臨床進行度別5年相対生存率
先ほどお伝えしたとおり、膵臓がんは進行が早く診断時にステージ4であるケースが多く、非常に治療が難しいがんです。一方で腫瘍が膵臓内に限局している限局型の段階で発見できると5年生存率は約40%と、進行期と比較して大幅に高くなります。手術や治療によって根治がめざせる可能性も広がります。限局型の段階で発見するには、定期検査が何より重要です。早期膵臓がんの発見に有用なのが腹部超音波検査です。加えて精密に診断するためには、豊富な経験や高度な専門知識を持つ臨床検査技師や医師の力が必要です。専門家のもとでエコー検査を受けていただくことが早期発見の鍵となるといえるでしょう。
- Qこちらでできる検査について教えてください。
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A
▲「少しでも多くの方に検査を受けていただきたい」と話す院長
当院では、患者さんの希望に応じて造影剤を使った腹部超音波検査も提供しています。造影剤を使用するとより詳細な診断につなげられます。膵臓がん総合検診も行っています。こちらは、腫瘍マーカー検査、腹部超音波検査を軸に、造影CT検査やMRI検査も併せて受けていただくことができます。膵臓の状態、硬度、血流の評価をはじめ、膵臓がんの初期診断に重要な膵管の拡張や狭窄の有無、腫瘤の有無の評価を行います。体重が減った、最近食欲がない、急に糖尿病になったなどといったリスクファクターのある人は、膵臓専門の医師がいるクリニックで膵臓がんの検査を受けていただくことをお勧めします。
自由診療費用の目安
自由診療とは造影剤を使った腹部超音波検査/3万8000円~、膵臓がん総合検診/7万2000円~

