低年齢化する子どもの近視
眼科の専門家による近視管理を
かもい眼科 大山院
(板橋区/大山駅)
最終更新日:2026/07/10
学校健診での「視力低下」の指摘をきっかけに、近視と診断されたわが子の将来を心配する保護者は少なくない。「このままどんどん悪くなるのではないか」と不安を抱く一方で、子ども自身は見えにくさに気づいていないケースも多いという。「かもい眼科 大山院」の鴨居瑞加院長は、大学卒業後、慶應義塾大学眼科学教室で研鑽を積んだ日本眼科学会眼科専門医。地域の学校医として子どもたちの視力変化を見守る中、新型コロナウイルス感染症流行後、低学年から近視になる子どもが増えていることを実感し、現在はオルソケラトロジーや点眼薬治療などの近視治療にも注力する。近年はスマートフォンやタブレット学習の普及などを背景に、近視の低年齢化が進んでいる状況だ。そんな鴨居院長に、子どもの近視の実態や治療の選択肢などについて詳しく聞いた。
(取材日2026年6月24日)
目次
近視は進ませないことが重要。将来の目の健康を見据えた管理が大切
- Q子どもが近視と言われました。近視は治るのでしょうか?
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A
▲将来の目の健康を見据え、早期からの近視管理を提案
一度近視になると自然に治ることは難しいと考えられています。近視の多くは成長に伴って眼球の前後方向の長さが伸びることで起こりますが、伸びた眼球が元に戻ることはないためです。ただし、小さなお子さんの場合は、目の中のピントを合わせる筋肉の緊張によって一時的に視力が低下する「仮性近視」のこともあります。まずは眼科で検査を受けることが大切です。近視の進行を完全に止めることはできませんが、低濃度アトロピン点眼で進行を緩やかにすることが期待できます。また、外遊びの時間を増やしたり、近くを見る作業の合間に目を休めたりすることも大切です。近視と言われたら、進行を抑えることが重要です。
- Q「仮性近視」と「真の近視」は、どう違うのですか?
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A
▲保護者の不安に寄り添いながら、子どもの目の健康をサポートする
仮性近視とは、先ほどお話ししたように、近くを見る作業が続くことで目のピントを合わせる筋肉が緊張し、一時的に近視のような状態になっているものです。一方、真の近視は眼球の形が前後に伸びることで起こり、自然に元へ戻ることはありません。ご家庭でこの違いを判断することは難しく、眼科で詳しい検査を受ける必要があります。仮性近視であれば、点眼治療や生活習慣の改善によって対処できますが、学年が上がるにつれて本当の近視である可能性が高くなるため注意が必要です。また、仮性近視と診断されても、その後に真の近視へ移行することもあります。まずは現状を適切に把握し、必要に応じて定期的な検査や治療につなげることが大切です。
- Qお子さんの近視はなぜ増えているのでしょうか?
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A
▲近視の状態を正確に把握するため、各種検査を実施
その要因の一つは、タブレットなどのデジタル機器を長時間見る機会が増えていることでしょう。学校健診では、視力0.3未満のお子さんの割合が年々増加しており、近視の低年齢化も進んでいる印象があります。また、外遊びの時間が減っていることも影響しているといわれています。一方で、近視は生活環境だけでなく遺伝も関係しており、ご両親が近視の場合はお子さんも近視になりやすい傾向があります。予防につなげるためには、画面を見る際に30センチ以上距離を保つことや、30分ごとに目を休めることなど、日頃の生活習慣を見直すことが大切です。近視になってから対策を始めるのではなく、幼いうちから意識することが重要です。
- Q近視と診断されたらどのような治療や対策がありますか?
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A
▲治療の選択肢も幅広くなっている
近視と診断された場合の対応は、視力の程度や日常生活への影響によって異なります。比較的軽度で、お子さんが不自由を感じていなければ、まずは経過観察となることもあります。一方で、視力が0.7を下回るような場合は、安全面も考慮して眼鏡などによる視力矯正を検討します。また、近年は近視の進行を抑える目的の治療として、低濃度アトロピン点眼、近視矯正のための治療として、オルソケラトロジーも選択肢となっています。低濃度アトロピン点眼は1日1回で取り組みやすく、オルソケラトロジーは日中を裸眼で過ごせるというメリットがあります。それぞれ特徴が異なるため、お子さんの状態に合わせて選択し、必要に応じて併用も検討します。
- Q近視を放置するとどのようなリスクがありますか?
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A
▲気軽に相談できる窓口体制を整えている
近視を放置すると、単に見えにくくなるだけではありません。近視が進行し、病的近視へ移行した場合、網膜剥離や緑内障、黄斑症などの目の病気を発症するリスクが高まることがあります。そのため、お子さんの近視は将来の目の健康を守るという視点でも管理が大切です。また、「眼鏡を早くかけると近視が進む」と心配される方もいますが、現在は適切な度数の眼鏡を必要なタイミングで使用したほうが良いと考えられています。眼鏡をかけたこと自体が近視を進行させるわけではありません。視力低下を指摘された場合は、見え方の改善だけでなく、将来のリスク管理という意味でも眼科で相談することをお勧めします。
自由診療費用の目安
自由診療とはオルソケラトロジー(両眼)/14万8500円~、近視を抑制するための点眼薬/1箱:4400円

