鴨居 瑞加 院長の独自取材記事
かもい眼科 大山院
(板橋区/大山駅)
最終更新日:2026/05/15
大山駅から徒歩3分、ビルの1階に「かもい眼科 大山院」はある。院内はバリアフリー設計で、待合室は通りに面した大きな窓から陽光が差し、明るく開放感にあふれている。鴨居瑞加院長は、東海大学卒業後、慶應義塾大学眼科学教室に入局し、専門の外来にて、血液疾患に伴う造血幹細胞移植や自己免疫疾患に伴う重症度の高いドライアイを長年研究してきた眼科医だ。地域のクリニックで診療にあたり学校医を務める中で、新型コロナウイルスの流行を契機に低学年から近視になる子どもが急増したことが、近視抑制に力を注ぐきっかけになったという。「患者さんとしっかり向き合って信頼関係を築いていきたい」と誠実なまなざしで語る鴨居院長に、診療への思いや同院の特徴を聞いた。
(取材日2026年4月9日)
幅広い年代の「目」を診る、地域のかかりつけ医
ご経歴と開業までの経緯をお聞かせください。

大学で長く取り組んできたのは「ドライアイ」の研究です。血液疾患の造血幹細胞移植に伴うドライアイや、シェーグレン症候群などの自己免疫疾患から起こるドライアイを対象に、専門の外来で臨床と研究を行ってきました。その後、地域のクリニックで院長を務めながら学校医を担当したのですが、ちょうど新型コロナウイルスの流行中で、低学年から近視になるお子さんが目に見えて増えていたんですね。その経験がお子さんの近視に力を入れたいという思いにつながっています。祖父が開業医だったこともあり、幼い頃からいつかは自分もという気持ちがあり、ご縁のあったこの大山で開業に至りました。
どのような患者さんが来院されますか?
この辺りはご高齢の方が多くお住まいで、白内障や加齢黄斑変性のご相談をよくいただきます。健診で緑内障を疑われて来院される方も少なくありません。一方で若いファミリー層の方も多く、特にお子さんの近視に関するご相談が増えています。働き盛りの世代ではドライアイのお悩みが非常に多い印象ですね。また、糖尿病をお持ちの方が内科の先生から眼科受診を勧められていらっしゃるケースもあります。お子さんの受診がきっかけで、保護者の方、ご兄弟・ご姉妹で通ってくださるようになったりと、ご家族全体のかかりつけとしてお任せいただけることも増えてきました。幅広い年代の方にご来院いただけているのはうれしいことですね。
院内の雰囲気づくりでこだわった点はありますか?

地域にはご高齢の方やベビーカーをお使いのファミリー層の方が多いので、院内全体をバリアフリーで設計しました。入り口や検査室、診察室の幅も車いすがそのまま入れるようにしており、「助かります」とお声をいただくこともあります。白を基調にした空間で、検査室には明るくはっきりとした照明を、診察室にはリラックスしてお話しいただけるよう温かみのある照明を取り入れました。検査から診察への動線もスムーズです。待合室には大きなガラスから日の光が差し込み明るい雰囲気ですので、リラックスしていただけると思います。通りに面した1階にあるのでわかりやすく、土日祝日も診療していますので、お仕事やお買い物の合間にも気軽に受診していただける環境です。
子どもの近視抑制から働き盛りの世代のドライアイまで
お子さんの近視が早い時期に始まった場合、注意すべきことはありますか?

今は学校でもタブレットを使う授業が普通になり、低学年で近視を指摘されるお子さんが増えています。近視は眼球の成長とともに20歳頃まで進行しますが、以前は高学年や中学生くらいから始まる方が多かったんですね。それが今は7〜8歳から始まるケースが増えているため、近視が進行する期間がその分長くなります。期間が長いほど最終的な近視の度数が強くなりやすく、将来的に緑内障や網膜剥離を発症するリスクが高まることが心配されています。ご両親が近視の場合はお子さんが近視になる確率が高くなるとされていますので、早めに気にかけていただきたいですね。対策としては外遊びの時間を増やすこと、勉強やタブレット視聴を一定時間行った後は、目を休める時間をつくることを意識していただくと良いと思います。
近視を抑制するための治療の具体的な流れを教えてください。
オルソケラトロジーは就寝前に専用レンズを装用します。近視抑制効果が期待できること、視力補正が図れた場合はオルソを装用している期間は眼鏡なしで過ごせるようになることが大きなメリットです。体育やプールでも眼鏡の心配がなく、保護者の方と一緒に管理できる点も大きな安心材料です。当院では小学2年生から対応しており、まず適応検査で目に問題がないか、オルソケラトロジーをできる状態かを確認し、院内で装用の練習をします。保護者の方のサポートのもとで問題なければ、自宅で1週間のトライアルへ。その後、ご本人が継続を希望されたら本格開始です。その後は1ヵ月後、以降3ヵ月ごとの定期検診で経過を見守ります。特に知っていただきたいのは、近視を抑制するための点眼薬との併用で、より高い近視抑制効果を期待できる点です。予備眼鏡の準備や日々のケアなど保護者の方のご協力も欠かせませんので、気になることは何でもご相談ください。
働き盛りの世代に多いドライアイには、どのように対応されていますか?

大学でドライアイの臨床と研究を長く続けてきましたので、その経験を日々の診療に生かしています。ドライアイの目薬にはいくつかの種類があり、作用の仕組みが異なる物を組み合わせることで改善が期待できるケースがあります。市販薬でも処方薬でも、数を増やすほど良いというわけではなく、かえって状態が悪化することもありますので、なかなか楽にならない方はぜひご相談いただきたいですね。最近は保湿以外にも粘液の分泌を促すための目薬や痛みを和らげるための目薬など、選択肢が広がっています。ドライアイは目の渇きだけでなく見え方の質にも影響しますし、そのまま放っておくと角膜の傷や感染症、目の疲れや頭痛、集中力の低下にもつながりかねません。症状が気になったときは、お早めに眼科を受診していただければと思います。
一人ひとりの声に寄り添い、チームで目の健康を守る
診療で大切にされていることは何ですか?

信頼と誠実を何よりも大切にしています。検査の所見に大きな異常がなくても、ご本人がつらいと感じているのであれば「気のせいですね」で終わらせたくありません。何かしら原因があるはずですし、今の検査ではまだはっきりしていないだけかもしれない、そう考えて患者さんのお話をよく伺うようにしています。ドライアイ専門の外来で多くの患者さんと向き合う中で、この姿勢を培ってきました。説明の際はモニターに画像を映しながら、目の状態と、なぜその治療が必要かをわかりやすくお伝えします。私たちにとっては何人もお会いする患者さんの一人でも、その方にとっては一度きりの受診かもしれません。だからこそ十分にお話しを伺い、信頼関係を築きたいと思っています。
スタッフの皆さんについて教えてください。
視能訓練士が在籍しており、オルソケラトロジーに関わる検査、斜視の検査、眼鏡のご相談など、専門的な領域を幅広く担当しています。スタッフ全員がそれぞれの持ち場でしっかり力を発揮しているんです。患者さんを笑顔で迎え、その気持ちに寄り添えるスタッフたちは当院の自慢ですね。私自身、スタッフ同士がお互いを信頼し尊重し合える関係をとても大切にしています。忙しいときほど連携と思いやりが重要になりますから、普段から声をかけ合い、チームとして患者さんをお迎えできる雰囲気を大事にしています。
読者へメッセージをお願いします。

症状がなくても定期的に眼科を受診していただくことで、病気を早期に見つけられる可能性が高まります。特に40歳を過ぎたら、目の健康にも意識を向けて検診を受けてみてください。例えば緑内障は日本人の失明原因の第1位であり、40代以上では20人に1人が緑内障であるといわれています。自覚症状が出にくく、症状が出る頃にはある程度進行していることが多いため、早い段階で見つけることがとても大切です。そうした背景から、当院では眼科の総合検診も始めました。これまで眼科受診の機会がなかった方や、ご家族に目のご病気がある方も、どうぞ気軽にご相談ください。お忙しい毎日の中でご自身のことを後回しにしがちな方も多いと思いますが、年に1回でも検診の機会を大切にしていただけるとうれしいですね。患者さんに「受診して良かった」と感じていただけるよう、丁寧な診療と患者さんの気持ちに寄り添ったスタッフ対応に努めてまいります。
自由診療費用の目安
自由診療とはオルソケラトロジー(両眼)/14万8500円~、近視を抑制するための点眼薬/1箱:4400円、眼科の総合検診/8800円

