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小関 聡 院長の独自取材記事

小関産婦人科医院

(横浜市旭区/二俣川駅)

最終更新日:2025/06/09

小関聡院長 小関産婦人科医院 main

相鉄本線・二俣川駅南口バスロータリーからすぐの「小関産婦人科医院」は、長きにわたり、二俣川エリアを中心に多くの女性の健康を支えてきた。産科・婦人科のほかに一般的な内科診療も行っており、町のかかりつけ医でもある。院長の小関聡先生は、患者のちょっとした悩みにも真摯に耳を傾け、一人ひとりの患者に合う治療を提案。その一方で、病診連携の産科セミオープンシステムづくりにも早くから取り組み、地域医療に貢献してきた。母娘孫3代で通う家庭も少なくないという同院では、最近、月経困難症など若い世代からの相談が増えてきているという。「初対面の女子学生からも気さくに話かけられるんですよ」と、穏やかにほほ笑む小関院長に、地域への想いや若い女性へのアドバイスなどをじっくり聞いた。

(取材日2024年11月20日)

身近なクリニックとして明確な役割を持って地域に貢献

クリニックの歩みをお聞かせ願えますか。

小関聡院長 小関産婦人科医院1

1964年、私が5歳の時に父がさちが丘で開業しました。相鉄いずみ野線の建設工事でこの場所に移転したのが1971年。私は大学卒業後、横浜市立市民病院などを経て1990年頃から診療に加わり、2008年に2代目院長となりました。今でも父の時代の患者さんが来られますし、母娘孫3代で通ってくださるご家庭もあります。1990年ごろまでは分娩も扱っていましたが、現在、産科は妊婦健診のみ。国際親善総合病院をハブとする産科セミオープンシステムで、通常は当院で健診を実施し、分娩や異常、合併症などが見つかった場合の健診は専門的な設備が整う病院でという体制です。

病院とクリニックの役割を明確にした形ですね。

そのとおりです。私自身は週1回火曜の午後に同病院での婦人科の外来で、主に子宮がん検診で精密検査や経過観察が必要な患者さんを診ています。こうした分娩以外の連携もあり、先進の知見を共有する意味でも効果的だと感じています。当院の役割として、婦人科は月経不順や生理痛から子宮筋腫に子宮がん検診、更年期障害、それ以降の子宮脱・外陰部不快感などの加齢現象全般を幅広く対応しています。不妊については、不妊相談や原因を調べるための検査など入り口にあたる部分に対応し、必要に応じて専門機関をご紹介します。また、アレルギー、高血圧症などの生活習慣病や日常的な疾患も診ています。患者さんの比率は妊婦さん2割、婦人科6割、その他が2割という具合です。

子宮がん検診について教えてください。

小関聡院長 小関産婦人科医院2

横浜市では、2025年1月から子宮頸がん検診の内容が変わります。従来の細胞診からHPV検査へと切り替わるのです。HPV感染を調べることで、がんに進行する前の感染段階というごく早期にリスクを見つけることができます。HPV検査でウイルス感染が判明した場合細胞診を実施し、その結果が陰性であれば1年後の再検査、ウイルス感染がなかった場合には5年後の再検査となります。特に問題がない方にとって、検査間隔が5年と空くことは大きな負担軽減になりますが、一方で間隔が空くことにより卵巣の腫れなど他の病気の兆候を見つけられなくなることも懸念されています。検診体制の刷新と並行して、女性のライフステージをトータルに見守るヘルスケア体制を構築することを医師会では提言しています。いずれにしても、女性の皆さんが生涯のさまざまなステージで抱え得るリスクをきちんと理解し、自身の身は自分で守るという意識を持つことが大切です。

重すぎる生理や加齢による症状などは我慢せず受診を

最近、女子中高校生からの相談も増えてきているそうですね。

小関聡院長 小関産婦人科医院3

当院にはもともとお母さんが娘さんを連れてくるケースが見られていたのですが、最近はクラスや部活のお友達から紹介されたという学生さんが増えてきています。10代から20代前半の若い世代の方たちは、やはり生理痛など月経困難症の相談が多いですね。子宮内膜がその機能を発揮するには、排卵後一定時間を経過した内膜を再構築する必要があります。そういう状態の子宮の内膜を体外に押し出すというのが月経のイメージで、この時に子宮が強く収縮するために痛みを伴います。最近は生理痛の強い人は子宮内膜症の予備軍と考えられています。子宮内膜症自体は良性の病気ですが、月経を重ねるごとに進行し、症状も強くなるため、早めに治療を開始することが大切です。特に思春期以降、月経痛がだんだんひどくなって来た方は子宮内膜症の可能性が高いので、我慢せず受診してほしいですね。

低用量ピルを用いた治療には抵抗がある方もいるのでは。

月経困難症の治療には低用量ピルあるいは黄体ホルモン剤を用いますが、毎日飲み続けなければならないこともあり、確かに躊躇される方はいらっしゃいます。とはいえ、習慣づけてしまえば難しいことではないです。昨今、低用量ピルをオンラインで入手するという方もいて、自費で処方されることもあるようですが、ご自身の体に合った薬を状況に応じてきめ細かく選んで行くことが大切です。服用に際しては必ず専門の医師にご相談いただきたいですね。

他にどのようなご相談が多くありますか。

小関聡院長 小関産婦人科医院4

30代~40代では子宮筋腫で来院する方が多く、昔よりも増えている印象です。今では薬剤治療もいろいろありますし、手術も子宮鏡や腹腔鏡での手術の選択肢も広がっています。また、高齢の患者さんは子宮脱や膀胱脱、直腸脱といった骨盤臓器脱のご相談が多いですね。骨盤の底を支える筋肉が弱くなることによる病気ですが、来院されているのはごく一部の方で、実際にお悩みの方はさらに多いのではと思われます。外出を億劫に感じて家にこもりがちになり、体力が落ちてQOLを下げてしまう病気なので、気軽にご相談いただきたいですね。最近は、外陰部の違和感、ヒリヒリ感を訴えて来る方も多いです。加齢に伴うエストロゲンの減少が主たる原因と考えられているものの、他にも原因があり、なかなか治療は難しいのですが積極的に取り組んでいます。

よく「聞く」ことを大切に、気持ちに寄り添う診療を

診療ではきめ細かな配慮を大切にしていると伺いました。

小関聡院長 小関産婦人科医院5

妊婦健診で通ってくださる患者さんも多いので、きめ細かなサポートをするために複数の助産師さんに来ていただいています。妊婦さんにとって、なんでも相談できる助産師の存在は心強い存在だと思います。それと当院では、電話対応は看護師が担当しています。患者さんがどのようなことにお困りなのか、どのような疾患の可能性があるのか、急を要するのか否かなど、迅速、かつ適切に患者さんから情報を聞き出し、指示を与えてもらえる頼もしい存在です。

患者さんと接する時、どのようなことを心がけていますか?

患者さんのお話を丁寧に、誠意を持ってお伺いするよう心がけています。「よく来てくださいました」「大変でしたね」「つらかったでしょう」。まずは患者さんの気持ちに寄り添い、どうすればいいか考えるのはそれからです。外来では幼児から100歳以上の方まで診ているので、とにかく患者さんとはよく話すようにしています。また、患者さんから質問されたときは、1つだけでなく、3つくらい答えるようにします。親身な対応で患者さんに喜んでいただきたいという気持ちからですが、自然にいろいろ話してくれるようになると思うんです。薬の効きが悪かったとか、ご家族のこと、日常生活のことなど、なんでも気軽に話せる存在と思っていただけたら、かかりつけ医としてうれしいですね。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

小関聡院長 小関産婦人科医院6

医療機関はどこか悪くなったらかかるところと思っている方がほとんどだと思いますが、つらい時はもちろん、そうでない時もいつでも気軽に相談していただけるのがかかりつけ医の役目だと思っています。つらい生理痛や更年期の症状は、我慢しなくていいんです。薬に抵抗があれば、漢方もご提案可能です。また、ご自身の身を守るためのワクチンなど、さまざまな選択肢があります。いつでも気軽にご相談くださいね。

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