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小関 聡 院長の独自取材記事

小関産婦人科医院

(横浜市旭区/二俣川駅)

最終更新日:2024/03/29

小関聡院長 小関産婦人科医院 main

相鉄本線・二俣川駅前のロータリーすぐの「小関産婦人科医院」は、長きにわたり、二俣川エリアを中心に多くの女性の健康を支えてきた。産科・婦人科のほかに一般的な内科診療も行っており、町のかかりつけ医でもある。院長の小関聡先生は、患者のちょっとした悩みにも真摯に耳を傾け、一人ひとりの患者に合う治療を提案。その一方で、病診連携の産科セミオープンシステムづくりにも早くから取り組み、地域医療に貢献。母娘2代で通う家庭も少なくないという同院では、最近、月経困難症など若い世代からの相談が増えてきているという。「初対面の女子学生からも気さくに話かけられるんですよ」と、穏やかにほほ笑む小関院長に、地域への想いや若い女性へのアドバイスなどをじっくり聞いた。

(取材日2023年11月15日)

早くから産科セミオープンシステムを採用

まずはクリニックの歩みについてお聞かせください。

小関聡院長 小関産婦人科医院1

1964年、私が5歳の時に父が二俣川駅から少し先にあるさちが丘で開業しました。相鉄いずみ野線の建設工事でこの場所に移転したのが1971年。私は大学卒業後、横浜市立市民病院などを経て、1990年頃から父と一緒に診療し、2008年に私が2代目院長となり現在に至ります。今でも父の時代の患者さんが来られますし、母娘3世代で通ってくださるご家庭もあります。今は産科は妊婦健診のみ。不妊については、不妊相談や原因を調べるための検査など入り口にあたる部分に対応し、必要に応じて専門機関をご紹介します。婦人科は月経不順や生理痛から子宮筋腫に子宮がん検診、更年期障害、それ以降の子宮脱・外陰部不快感などの加齢現象全般を幅広く対応しています。また、主たる標榜科目は「産婦人科」ですが、アレルギー、高血圧症などの生活習慣病や日常的な疾患も診ています。患者さんの比率は妊婦さん2割、婦人科6割、その他が2割という具合です。

以前は分娩も扱っていたそうですね。

1990年頃までは当院でも分娩も行っていましたが、当時、関内から移転してきた国際親善総合病院が、地域の開業医と連携して患者さんを診ていく産科セミオープンシステムの取り組みを始めるというので、当院も試行錯誤しながら運用に協力しようと思ったのです。近年は病診連携が重要視されていますが、その先駆的な取り組みですね。このシステムにより、妊娠の異常や合併症などのない妊婦さんは近くの診療所で健診を受け、分娩は専門的な設備が整う病院で行うという新しい体制が整いました。当初は、通い慣れた当院で産みたいという声もありましたが、今ではメリットをきちんと理解していただけています。このシステムのもと、病院では重症な患者さんに集中することができるようになり、病院勤務の先生の負担を減らせていると思います。正常分娩の方への細かな対応は、われわれ開業医の役目です。互いの役割分担で患者さんに適切に対応していきたいですね。

病院とクリニックの役割を明確にして、連携を深めていったのですね。

小関聡院長 小関産婦人科医院2

そのとおりです。私自身は1990年の病院の移転以来、週1回現在は火曜の午後に同病院での婦人科の外来を非常勤で務めています。私は子宮がん検診で精密検査や経過観察が必要な患者さんを診ており、分娩以外の連携も続いています。さまざまな専門分野をお持ちの先生の話を聞くことができるので、非常に勉強になります。

女性のライフステージに合わせてさまざまな悩みに対応

最近、女子中高校生からの相談も増えてきているそうですね。

小関聡院長 小関産婦人科医院3

当院にはもともとお母さんが娘さんを連れてくるケースが見られていたのですが、最近はクラスや部活のお友達から紹介されたという学生さんが増えてきています。10代から20代前半の若い世代の方たちは、やはり生理痛など月経困難症の相談が多いですね。子宮内膜がその機能を発揮するには、排卵後一定時間を経過した内膜を再構築する必要があります。そういう状態の子宮の内膜を体外に押し出すというのが月経のイメージで、この時に子宮が強く収縮するために痛みを伴います。最近は生理痛の強い人は子宮内膜症の予備軍と考えられています。子宮内膜症自体は良性の病気ですが、月経を重ねるごとに進行し、症状も強くなるため、早めに治療を開始することが大切です。特に思春期以降、月経痛がだんだんひどくなって来た方は子宮内膜症の可能性が高いので、我慢せず受診してほしいですね。

子宮がんについてはどうでしょう?

子宮頸がん、子宮体がんともに増えてはいますが、今は早期発見できれば完治も見込めるようになっています。子宮頸がんは定期検診が大切で、公費の子宮頸がん検診は2年に1回受けることができます。「がんで命を失わないため」の検査周期ですが、ある程度がんが進行していると、命は助かっても手術で子宮を失うこともあります。HPVウイルス検査が一般化していない現在、20代~30代では毎年の検診をお勧めしたいですね。問題は、自分は大丈夫と思い込んだり多忙だったりで検診を受けない人が多いことと、20歳時に検診の案内が来てもその時点で性交経験のない方はまだ検査適応とならないことです。2022年4月にHPVワクチンが再開され、当院で相談も受けております。一方、子宮体がんは不正出血があった時の受診が重要なので、ぜひ検診について真剣に考えてもらいたいですね。

他にどのような疾患の相談があるか教えてください。

小関聡院長 小関産婦人科医院4

30代~40代は子宮筋腫で来院する患者さんが多いですね。昔よりも増えている感じがします。今では薬剤治療もいろいろありますし、手術も子宮鏡や腹腔鏡での手術の選択肢も広がっています。また、高齢の患者さんは子宮脱や膀胱脱、直腸脱といった骨盤臓器脱のご相談が多いですね。骨盤の底を支える筋肉が弱くなることによる病気ですが、来院されているのはごく一部の方で、実際にお悩みの方はさらに多いのではと思われます。QOLを下げてしまう病気なので、気軽にご相談いただきたいですね。最近は、外陰部の違和感、ヒリヒリ感を訴えて来る方も多いです。加齢に伴うエストロゲンの減少が主たる原因と考えられているものの、他にも原因があり、なかなか治療は難しいのですが積極的に取り組んでいます。

いつでも気軽に相談できる女性のためのかかりつけ医

診療ではきめ細かな配慮を大切にしていると伺いました。

小関聡院長 小関産婦人科医院5

妊婦健診で通ってくださる患者さんも多いので、きめ細かなサポートをするために複数の助産師さんに来ていただいています。妊婦さんにとって、なんでも相談できる助産師の存在は心強い存在だと思います。それと当院では、電話対応は看護師が担当しています。患者さんがどのようなことにお困りなのか、どのような疾患の可能性があるのか、急を要するのか否かなど、迅速、かつ適切に患者さんから情報を聞き出し、指示を与えてもらえる頼もしい存在です。

患者さんと接する時、どのようなことを心がけていますか?

患者さんのお話を丁寧に、誠意を持ってお伺いするよう心がけています。「よく来てくださいました」「大変でしたね」「つらかったでしょう」。まずは患者さんの気持ちに寄り添い、どうすればいいか考えるのはそれからです。外来では幼児から100歳以上の方まで診ているので、とにかく患者さんとはよく話すようにしています。また、患者さんから質問されたときは、1つだけでなく、3つくらい答えるようにします。親身な対応で患者さんに喜んでいただきたいという気持ちからですが、自然にいろいろ話してくれるようになると思うんです。薬の効きが悪かったとか、ご家族のこと、日常生活のことなど、なんでも気軽に話せる存在と思っていただけたら、かかりつけ医としてうれしいですね。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

小関聡院長 小関産婦人科医院6

医療機関はどこか悪くなったらかかるところと思っている方がほとんどだと思いますが、つらい時はもちろん、そうでない時もいつでも気軽に相談していただけるのがかかりつけ医の役目だと思っています。つらい生理痛や更年期の症状を我慢しなくていいんです。薬に抵抗があれば、漢方という選択肢もあります。いつでも気軽にご相談くださいね。

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