井澤 瞳美 院長の独自取材記事
あおと耳鼻咽喉科クリニック
(葛飾区/青砥駅)
最終更新日:2026/06/01
青砥駅西口から続く商店街のビルの3階に入る「あおと耳鼻咽喉科クリニック」。さまざまな機器類をそろえ、幅広い年代の耳・鼻・喉の症状に対応しているクリニックだ。院長の井澤瞳美院長は、穏やかな空気感と親しみやすい笑顔の持ち主。慶應義塾大学病院の耳鼻咽喉科をはじめいくつかの大規模病院で研鑽を積み、隣駅に父親の診療所があったことからも縁のあるこの場所に開業した。耳の診療も得意としている院長のもとには、聞こえづらさに悩む高齢者の相談も多いという。「気づかないまま難聴が進んでいるご高齢の方もいますので、何か違和感があれば気軽にご相談ください」と、患者の些細な変化もキャッチしようと誠実に診療に向き合う院長に、同院での診療のことや地域医療に携わる思いなどを聞いた。
(取材日2026年3月24日)
高齢者の難聴に対する検査や治療にも力を入れていく
開業から1年たちましたが、現在のご状況はいかがでしょうか。

だんだんと地域の方に知っていただけているようで、なじみの方も増えてきています。駅から徒歩1分という通院しやすい場所にありますが、まだまだここにあると知らなかったという方もいますので、些細な症状でも気軽にかかれる場所があると知っていただきたいです。患者さんは、ご高齢の方が多く、また、開業時に想定していたよりも子どもの患者さんも来てくださっています。お子さんの場合は風邪でかかる子が多いですね。大人でも診察されるのを苦手に感じる場所だと思いますので、なるべく怖がらせないように声をかけながら診療をしています。どの年代の方でも、耳、鼻、喉のことで気になる症状があれば、気兼ねなく来ていただきたいと思います。
ご高齢の患者さんが多いのですね。
そうですね、耳の炎症や聞こえのことで受診されるご高齢の方が多いです。葛飾区は高齢者の加齢性難聴の早期発見に力を入れており、当院でも区の検診事業である「耳の健康診査」に対応しています。そこから聴力について興味を持って来てくださる方もいます。実は高齢者の難聴は認知症とも関わりがあると言われているのです。加齢性難聴はじわじわと進行するため、ご高齢の方はご自身の耳が聞こえづらくなっていると気づいていない方も少なくありません。難聴と気づかず、耳からの刺激がない状態でいると認知症のリスクが増えるという研究が進んでいるのです。そのように聞こえづらさや耳の違和感は思わぬところに影響が出てしまうこともありますので、何か異変があれば早めにご相談ください。なお、「耳の健康診査」は今年度は6月から開始予定となっております。
難聴に対する検査・治療はどのように行われますか?

まずは一般的な聴力検査、鼓膜の状態を調べる検査などを行い、炎症の有無も確認します。治療方法は難聴の種類にもよりますが、高齢者の加齢性難聴だった場合、それが特に高度な難聴であれば補聴器のご案内もします。中等度の難聴でしたら、ライフスタイルによって補聴器を使うかどうか患者さんと相談をして決めていきます。補聴器の使用は、聴力の程度と患者さんがどれくらい困っているかが大事で、お困り度合いが低いのに補聴器を使ってもうるさく感じて挫折してしまうのです。初めて検査を受ける方も少なくありませんから、難聴のこと、補聴器のことをどれくらい理解しているのか判断しながら、丁寧な説明を心がけています。
同時に症状が出やすい耳、鼻、喉をトータルで対応
耳鼻咽喉科へはどんなときに通うといいのでしょうか?

一般的な風邪でも、鼻や喉に症状があれば耳鼻咽喉科を受診するのがお勧めです。風邪は内科というイメージがあると思いますが、鼻や喉などの局所の診察や処置をすることで詳しい原因の究明や迅速な改善をめざせるケースも多いのです。また、風邪の症状だと思っていた声のかれが喉の腫瘍が原因だったなどの重大な病気の発見につながることがあります。耳の場合、聞こえにくいなどの症状があっても放置されてしまう方も多いのですが、突発性難聴のような早期で治療が必要な疾患は、検査をしないと発見に至りません。耳鼻咽喉科では、耳については聴力検査、鼻や喉は内視鏡検査、副鼻腔炎を疑う場合はエックス線撮影など、それぞれの局所に対応した検査を行うことで、早期発見がめざせることが大きなメリットです。大きな病院での検査が必要な場合は連携している病院をご紹介していますので、安心してご相談ください。
子どもの場合も同様ですか?
耳、鼻、喉はつながっているため、鼻の調子が悪いと耳にも影響が出やすく、特にお子さんの場合は中耳炎を起こす可能性が高いため注意が必要です。保育園などに通うお子さんは、感染機会も多く、なおさらリスクが高まります。小児科でも耳を診察しますが、より専門的に診られるのは耳鼻咽喉科のため、「耳鼻咽喉科で耳を診てもらってください」と言われてしまうこともあります。お子さんに風邪の症状があるときは、鼻の吸引や喉の吸入など症状を改善するための処置も行えますので、風邪をひいたらぜひ耳鼻咽喉科を受診していただければと思います。私自身にも小さい子どもがおり、病院を受診させることにハードルを感じやすいお気持ちはよくわかります。当院ではキッズスペースも設け、待ち時間はここで遊んだり、ゴロゴロしたりして過ごすことができますし、診察時も不安を感じさせないような声がけを心がけております。お気軽にご受診いただければと思います。
午後は勤務医の先生がいらっしゃるそうですね。

今は私が午前中の診療を担い、午後は2つの医局から先生が来てくれています。毎週火曜日は私が所属していた慶應義塾大学病院から、月・木・金曜日は順天堂大学病院から来ている先生たちです。どの先生も先進の治療に対して真摯に取り組んでいる信頼できる方たちですし、当院での診療に関しても共有していますので、ご心配なく頼っていただきたいと思います。
違和感をすぐに相談できる身近なクリニックをめざして
患者さんとの接し方で心がけていることを教えてください。

耳鼻咽喉科の病気は、疾患の場所の説明が難しいという特徴があります。例えば喉と一口にいっても、喉のどこに疾患があるのかは一人ひとり異なります。一般的に患者さんは耳や喉などの詳しい構造を知らないものです。そのため内視鏡で写真を撮っている場合はそれを提示しながら、場合によっては図を使って解説し、何が起きているのかをわかりやすく説明するように心がけています。聴力検査も結果の表の見方がわかりにくいので、基本的なことから説明しています。また、不安なことは何でも話してもらえるよう、話しやすい雰囲気づくりを心がけています。たいしたことはないと思われる話の中に、病気発見につながる大きなヒントが隠されていることもあるので、何でもお話しいただくことはとても大切なのです。クリニックは患者さんが不調を感じたときに、最初に相談される場所。接し方を常に意識しながら丁寧に診察しています。
耳鼻咽喉科の医師になられたきっかけを教えてください。
父も耳鼻咽喉科の医師で隣の駅に診療所があり、その姿を小さい頃から見ていて、医師という仕事を身近に感じていました。実際の現場を見て育ってきたことで、患者さんと親身に向き合いながら病気を治療できる部分に魅力を感じたことが大きな理由ですね。耳鼻咽喉科は他の診療科と異なり、聞こえや匂いなど感覚器を扱う科です。普段は特に気にとめなくても、失うとつらいその感覚の改善をサポートできることに魅力を感じ専攻しました。大学卒業後、大学病院などに勤務しましたが、やはり病院に比べクリニックは患者さんにとって身近です。患者さんの身近な存在でありたいという原点から今日に至っています。
今後、どのようなクリニックをめざされますか?

当院が開業し、近隣の方々から「ようやく耳鼻咽喉科ができた」とのお声をいただき、うれしく思っています。その期待に今後も応えていきたいです。耳、鼻、喉の違和感は生活の質に直結しますし、「こんな症状で受診したら迷惑かな」と遠慮せずご相談ください。早めに診ることで改善をめざせることも多く、処置が必要かどうかを確かめることも大切です。特に突発性難聴などの耳の違和感は早期の治療が鍵になります。片側だけ聞こえづらい、耳鳴りがするなどの異変があればすぐにご相談ください。また、今年度は6月から開始予定の葛飾区が行う高齢者を対象にした「耳の健康診査」に対応するなど、地域医療にも関わっていきたいと思います。これからも地域の方の健康を守るために、気軽に来てもらえるクリニックをめざしていきます。

