検診・治療前の素朴な疑問を聞きました！

QMRI検査にはどのようなメリットがありますか？

A

強力な磁力と電波を利用して行うMRI検査は、エックス線を使わないため被ばくのリスクがない点がメリットで、繰り返し検査を実施することも可能です。断面画像を撮る検査にはCT検査もありますが、CTはエックス線を使うので、低レベルとはいえ被ばくのリスクがあります。また、MRIは軟部組織や血流も撮影可能なことも特長です。一方、CTは固い組織や動きのある部位の撮影に強く、それぞれに得意分野が異なりますので、検査目的や患者さんの状態によって使い分けるのが一般的です。

Qどんな症状のときにMRI検査を受けるといいでしょうか？

A

脳神経外科の疾患の代表的な症状として、吐き気を伴う急な強い頭痛、長引く頭痛、めまい、手足のしびれ、頭部の外傷などがある場合には、検査をお勧めします。「最近物忘れが多くなった」という方への検査にも有用です。これは、脳の状態を認知症の鑑別診断の参考にするケースがあるためです。また、他の目的での検査中に、くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤、脳梗塞リスクを高める血管の詰まりなどが発見されるケースもありますので、定期的に検査を受けることもお勧めです。また、MRI検査は脳だけでなく、腹部、頸部、関節などに対しても行われます。

QMRI検査を受けるときの注意点はありますか？

A

強力な磁力が、人工内耳やペースメーカーといった体内の各種治療器具に影響する可能性がある場合は、受けられません。しかし、最近はMRIを利用できる素材も増えていますので、MRI検査が可能かどうかペースメーカーなどの治療をした医療機関に確認されるといいでしょう。また、狭い筒状の装置に入るため、狭い所が苦手な方は難しいかもしれません。マグネットネイル、髪染めスプレーなどの鉄粉を含むものは、検査中に発火の恐れがあるため当日は使用できません。一方で、入れ墨などは事前の十分な説明や同意書をもとに受けられるケースが増えています。

検診・治療START！ステップで紹介します

1問診票に記入する

受診理由や現在の症状の他、脳卒中などを検討するための情報として、食事、睡眠、運動といった生活習慣も記入する。問診票をウェブでダウンロードできる場合は、事前に記入しておくと落ち着いて考えることができ、来院後のスムーズな受診につながる。記入した問診票は看護師がまず目を通し、気になる部分は確認してくれる。

2検査前に医師による問診を受ける

問診表を参考に、医師が「いつから症状が続くか」「頭はずきずき痛むか」「どんな感じのめまいか」などの症状を確認。必要に応じてMRI検査を実施する。

3MRI検査を受ける

頭部のMRI検査の場合、所要時間は20分～30分ほど。基本的には、装置は医師と連携した技師が操作し、検査を進めていく。検査中はマイクで指示や進行状況を知らされる。同院にはMRIを2台設置しており、最短当日の検査が可能だ。

4検査結果を聞く

頭部をさまざまな角度でスライスした画像がモニターに表示され、どこに異常が見られるか、病気かどうかなどの説明を受ける。同院では、最短で即日診断が可能だ。また、すぐには症状が起きない病変については、必要なことはきちんと伝えつつ、患者が過度に不安を感じないように配慮し、生活習慣改善を意識したアドバイスも実施しているという。

5検査結果をもとに、必要に応じて治療を受ける

脳梗塞など緊急の治療が必要だと判断された場合は、救急車で病院に搬送される。それ以外は、薬の処方や生活習慣の改善指導などを継続して受ける。同院では基幹病院との連携を取っており、連携医療機関への紹介も可能。また、循環器疾患の疑いがある場合、循環器内科の医師が診断・治療に加わり総合的に患者を診ていく。