安西 紘幸 院長の独自取材記事
横浜あおば胃腸肛門内視鏡クリニック
(横浜市青葉区/こどもの国駅)
最終更新日:2025/04/16

公園のように気軽に立ち寄れる場所をめざして、院内環境にもこだわった「横浜あおば胃腸肛門内視鏡クリニック」。こどもの国駅からほど近いビルの2階に開業したばかりの真新しい院内は、天井が高く、開放感のある空間になっている。院長の安西紘幸先生は、消化器外科の医師として東京大学医学部附属病院やその関連病院、埼玉県立がんセンターなどで、炎症性腸疾患や消化器がんの治療経験を積んできた。そこで予防医療の大切さを実感し、胃・大腸内視鏡検査の普及をコンセプトに開業を決意。「居心地良い空間と苦痛の少ない検査を行い、もう一度受けてもいいと思ってもらいたい」と語る安西院長に、院内のこだわりから、内視鏡検査のこと、もう一つの診療の柱である肛門疾患の診療についてまで、熱い想いを聞かせてもらった。
(取材日2025年3月31日)
内視鏡検査と肛門外科に対するハードルを下げたい
診療の特徴を教えてください。

当院は内視鏡検査をまだ受けたことがない人や抵抗がある人に向けて「これならもう一度受けてもいい」と思っていただける検査の提供をめざしています。鎮静剤を用いて検査の苦痛を軽減し、不安な気持ちにも寄り添い、できる限りリラックスして検査を受けていただけるようにさまざまな配慮をしています。肛門外科も同様に、受診のハードルを下げ、専門的な治療を提供しています。イボ痔、切れ痔、脱肛といった肛門疾患全般の診療や、便秘や胃の不調なども診ていきます。また、大学では潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患を専門とし、博士号も取得しました。当院では先進の知見に基づき、大学病院と同水準の診療診断・治療を提供し、患者さん一人ひとりに寄り添った医療を心がけています。また、急な症状の悪化や、専門的な治療が必要となる場合には、専門医療機関と連携を取り、スムーズに対応できる体制を整えています。安心してご相談ください。
先生の配慮が随所に感じられる、きれいで落ち着く雰囲気の院内ですね。
ありがとうございます。開業に際して居心地のいいクリニックをつくりたいと思い、木目やタイル、壁紙など優しい雰囲気のものを選び、自然を感じられるような内装をめざしました。公園のようにフラッと立ち寄れるクリニックになれたらと考えています。ここはもともと建物の天井が高く、それが圧迫感のない空間づくりにひと役買っています。待合室も開放感があることで、待つストレスを少し軽減できるのではないでしょうか。加えて、診察と検査を行うゾーンを分けて、それぞれに中待合スペースも設けました。目的によって中待合室に移動していただくことで、スムーズに当日の検査や外来受診ができるように配慮しています。同時に、スタッフが働きやすい環境も大切にしています。スタッフ間の空気は患者さんに伝わってしまいますので、朝起きたときに気持ち良く仕事に向かえるクリニックづくりも目標です。
診療室や内視鏡検査に関する設備には、どんなこだわりがありますか?

診察室は衛生面の関係から消化器内科と肛門外科で分けていますが、2つの科の入り口は分けていません。肛門外科を受診していることを知られたくない方も多いですから。また、説明室という小部屋もつくりました。ここは内視鏡検査の説明や同意書の署名をいただくスペースなのですが、診察室でそれを行うと、どうしても診察の延長になってしまい患者さんも緊張してしまうんです。説明室で看護師や受付スタッフから話を聞き、ドクターには聞きにくい部分も気軽に相談していただきたいと思います。内視鏡検査では、検査室の前にリカバリールームを6ブース設け、それぞれにロッカーを設置して着替えができるスペースも兼ねました。特に女性の方は検査着のまま移動するのに抵抗があると思いますので、着替えたらその場で待っていただけます。
消化器がんの予防につながる内視鏡検査の普及が目標
開業までのご経歴を教えてください。

東北大学医学部を卒業後、東京大学医学部附属病院での初期研修を終え、東京大学医学部の腫瘍外科に入局しました。外科医としての技術や知識の向上をめざし、大学院に進み、そこで炎症性腸疾患の研究に従事して博士号を取得。大学院修了後には、大学病院や総合病院、埼玉県立がんセンターなどで、食道がんや胃がん、大腸がんなどの消化器がん、肛門疾患の診療に携わり、手術も数多く経験してきました。
外科医として勤務する中で、開業に至ったのはどのような経緯があったのでしょうか?
当院は「内視鏡検査を普及させたい」という想いで開業したクリニックになります。病院では大腸がんをはじめとする下部消化管のがんの手術を中心に行ってきましたが、大腸がんはステージ1~4まであり、ステージ2以上は化学療法を含めた治療が必要となり、治療後も5年間経過を見ていかなくてはなりません。長期的な治療は患者さんも、そのご家族も、負担や不安がずっと続きます。そういった方たちをたくさん診てきた中で、がんになる前に治療したいという想いを持つようになりました。そのためには何が必要なのか考えたときに、健康診断で一般的な便潜血検査ではなく、内視鏡検査を普及させなければならないという結論に至りました。内視鏡検査の普及を拒むのは、検査を受けるハードルの高さです。ですので、当院ではさまざまな工夫で、受けやすい内視鏡検査の提供に努めていきます。
肛門外科でも経験を積まれたのですね。

もともと肛門疾患に関しては十分な知識と経験がありましたが、クリニックでは特に多くの方がお悩みになるイボ痔や切れ痔などの疾患に、より一層きめ細かに対応できるよう、さらに学びを深める必要があると考えました。そこで、肛門疾患を専門とする横浜の松島病院で実践的かつ先進の知識と技術を学び、安心してご相談いただける体制を整えました。痔は生活習慣病のようなものですので、当院では生活習慣、排便習慣のコントロールを重視しています。手術を希望される方もいますが、正しい排便習慣が身についていなければ再発してしまいます。手術を行う提携病院の紹介はもちろんできますが、手術をせずとも悪化させないようめざすことが当院の治療の特徴です。肛門疾患は非常に専門性の高い分野で、身近に相談できる場所も多くはないと思います。受診する恥ずかしさを極力減らせるように努めていますので、お尻の悩みも気軽にご相談ください。
患者と向き合い、「本質的に優しい医療」の提供を
先生が医師として大切にしていることは?

医師として優しくあることを大切にしています。スタッフにも共有していますが、患者さんが医療機関にかかるときは、何か解決してほしいことがあるからです。例えばおなかの痛み、お尻のトラブル、それに伴う不安など、患者さんがそれぞれ抱えてきた受診理由に対して、できる限り解決して、来て良かったと思っていただけるように向き合っていきたいです。もう一つ、苦痛を軽減することも優しさだと考えています。特に内視鏡検査は、苦痛を伴ってしまうと、「何もなくて良かったですね」となったとしても患者さんは納得しがたいと思うんです。何もないのに苦痛だけが残るのなら、もう一度受けたいとは思いませんよね。ですから、定期的な内視鏡検査が必要となる消化器がんの予防において、検査の苦痛を減らすことはとても大切です。そんな本質的に優しい医療の提供をめざしています。
今後、地域にとってどのようなクリニックになっていきたいですか?

おなかのこと、お尻のことを気軽に相談できるクリニックでありたいと思っています。内視鏡検査も肛門外科の診療もハードルが高いと感じる方は多いですが、居心地良く受診しやすいクリニックづくりを行っていますので、来ていただければ不安が解消できるのではないでしょうか。また、地域において、胃がんと大腸がんに関する啓発活動も行っていきたいと考えています。大腸がんは女性の死亡原因上位の病気ですが、早期に発見できれば、完治をめざせることを皆さんに知っていただきたいです。幸い当院の待合室は広いスペースを取れましたので、そこで昼休みなどを使って市民講座を開くのもいいかもしれませんね。