荒川 卓也 院長の独自取材記事
鶴橋整形外科クリニック
(大阪市東成区/鶴橋駅)
最終更新日:2024/12/12
鶴橋駅より徒歩2分の場所にある「鶴橋整形外科クリニック」は、医師と理学療法士が力を合わせ、2024年11月に開業したクリニック。「これまで我慢していた人、リハビリテーションを諦めていた人たちにも元気になってもらいたい」と笑顔で話す荒川卓也院長は、脊椎脊髄を専門に研鑽を積んだだけでなく、訪問診療専門クリニックにも勤務していたベテランドクター。経験を生かして整形外科疾患だけにとどまらず、地域のかかりつけ医として全身のさまざま悩みに耳を傾けると力を込める。リウマチや骨粗しょう症の早期発見・治療や、専門性を要する治療、そして何よりもマンツーマンリハビリにこだわるその思いとは? 今後の展望とともに、詳しく聞いた。
(取材日2024年12月2日)
整形外科のイメージを覆したい
まずはクリニック開設の経緯から聞かせてください。
大学卒業後は脊椎脊髄を専門に、多くの手術や診療を担当していました。重症の患者さんを診ることも多く、手術後に明るい笑顔を見せてくれる患者さんと接することは、医師として大きなやりがいがあることだと感じていました。しかし同時に手術に対して不安がある人、年齢や体調によって手術そのものが難しい人が多くいることも実感していました。私の父も開業医ですので、大学病院での手術に至る前の患者さんの声もよく聞いていたからです。そういった方々の健康を支えるためにはどうしたらいいだろう?と考えた時に、必要だと思ったのがリハビリと手術の前の治療です。でも、整形外科は「湿布をもらって電気を当ててもらう所」だと思っている人は意外と多く、私はそれが残念でした。そこで、そういった整形外科のイメージを覆せるようなクリニックを作ろうと開設を決めました。
鶴橋にはゆかりがあったのですか?
これまで鶴橋の近辺に整形外科が少なかったんです。それなのに高齢者は多くお住まいですから、整形外科クリニックがあれば喜んでもらえるのではないか?と思って鶴橋を選びました。実際にクリニックに足を運んでくださる患者さんには「これまで医療機関が遠くて通院できなかった」とお話ししてくださる方も多く、この街に開院できて良かったなと感じています。我慢できなくなったら、誰しも多少遠くても無理して通院されるとは思います。しかし「我慢できないほどではない」と我慢している人は結構いらっしゃるのではないでしょうか。仕事や子育て、家事など日々の忙しさの中で自分のことを後回しにしてしまうことは少なくないと思います。しかしつらい症状を放置すると、さらにつらい状況を生み出してしまうことになるかもしれません。そうならないよう、皆さんのお近くにいるわれわれを便利に使っていただけたらいいなと考えています。
患者さんの主訴で多いのはどのような悩みですか?
当院は整形外科ですから、骨折や脱臼、打撲、捻挫、裂傷の検査・処置、肩・腰・首・膝・手足や腕の痛み、変形、しびれなど、運動器の不調に対応しています。相談が多いのはやはり、膝・肩・腰の痛みですね。変形性膝関節症や四十肩・五十肩、ヘルニアや脊柱管狭窄症は特に多い疾患です。スポーツ整形にも対応していますので、学生やアスリートが多い時間帯もありますね。また、リウマチの外来を設けていますのでリウマチのご相談も多いです。リウマチは早期治療が非常に大切な疾患ですが、診断が難しい病気でもあります。当院ではリウマチを専門とする医師とも連携して治療を行っていますので、気になる症状があれば早めにご相談ください。
理学療法士と連携しマンツーマンリハビリにこだわる
クリニックの特徴は?
リハビリに注力していることです。リハビリと聞くと電気治療やウォーターベッドをイメージする人が多いと思うのですが、当院では電気療法、けん引療法、温熱療法といった機械や道具などを使ったリハビリを行わず、すべてのリハビリを理学療法士による手技を中心とした、マンツーマンで対応しています。ですから、すべてのリハビリがお一人お一人に合わせたオーダーメイド。実際に患者さんの声を聞き、実際にお体の動きや痛みの程度を一つ一つ確認しながら進めていきますので、これまでのリハビリに物足りなさを感じていた方にも喜んでいただけるのではないでしょうか。
マンツーマンリハビリにこだわるのはなぜですか?
物理療法が悪いわけではないのですが、痛みなどの症状は個人の感覚による部分も大きく、感じ方や困り事もさまざまです。せっかく整形外科を受診しリハビリまでするのですから、その有用性を感じてもらいたいのです。そのためには、患者さんと深くコミュニケーションを取り、患者さんの体の声を聞きながら治療を進めることが大切です。しかし、診察室での時間は長くても10分程度しかありません。その点リハビリは十分な時間を確保できますし、体を気持ち良く動かしていれば心もほぐれてきます。診察室では緊張して話せなかったことも、リハビリ中には話しやすくなったりと、患者さんの悩みを解決するヒントを見つけやすくなります。機械の素晴らしさもありますが、当院では人と人のふれあいの中で生まれる信頼と、人ならではの温かさを大切に治療をしていきたいと思っています。
理学療法士さんたちとは、どんなふうに連携されているのですか?
1週間に1度ミーティングを行い、時間をかけて情報共有や意見交換を行っています。この時間は私にとっても新しい視点にふれられる有意義な時間ですし、非常に大切にしています。また、診療中に患者さんの気になる点があればお互いに行き来しながら情報交換を行います。患者さんが私には上手に話せなかった話も、スタッフ全員が丁寧に聞き取ってくれますから、次の診察に非常に役立っています。また当院では、強い痛みに対するブロック注射やハイドロリリース、五十肩の新しい治療法であるサイレントマニピュレーションなど「手術の一歩手前の治療」にも積極的に取り組んでいますので、こうした手技を行う前後のリハビリは、相談しながら丁寧に計画を立てています。
症状の改善のために、より積極的な治療とリハビリを
手術の一歩手前の治療について、詳しく聞かせてください。
整形外科の治療は、まず薬物治療とリハビリが基本です。これでつらい症状を改善へと導ければ良いのですが、それでも改善されないとなると手術が提案されます。例えば人工関節の進化は目を見張るものがあり、手術をすれば痛みからの解放が望め、QOLの飛躍的な向上も見込めるでしょう。しかし、すべての人にとって手術が安全で最高の治療かというとそうではありません。皆さんそれぞれのライフスタイルがありますし、年齢や体の状態もそれぞれ違います。そんな中で手術を選択できない、選択したくない患者さんがいるのは自然なこと。「手術をしないなら我慢だね」と突き放すわけにはいきません。そこで当院では超音波検査装置を駆使しながら医師が行う手技や注射による治療を積極的に行い、症状の改善をめざしています。
リウマチや骨粗しょう症の検査・治療も積極的に行われていますね。
リウマチは治療の進歩によって、適切な治療をすれば決して怖い病気ではなくなっています。しかし診断が難しいため治療を始められずにいる人も少なくありません。その結果、症状が進んで大きな病院での治療になると、通院だけでも大変です。そこで当院では病院と連携し、負担を減らしながら早期発見・早期治療と治療の継続をサポートできるような体制を整えました。骨粗しょう症も、目には見えないのに非常に多くの人が抱える病気ですから、できるだけ多くの方に検査をしていただくことが大切です。気づかずにいると骨折して、そのまま寝たきりになるリスクがありますから、患者さんへ検査をお勧めしています。
「患者さんのために」が詰まったクリニックですね。
ありがとうございます。開業前に訪問診療にも興味を持ち、訪問診療専門のクリニックに勤務していたこともありますから、内科疾患の相談も可能です。あちこち通院するのは一苦労ですので、当院にいらしたついでに相談してもらえれば、お力になれることもあると思います。気になることがあれば、私やスタッフに気軽にお話しください。せっかくこの場所に縁をもらったのですから、一人でも多くの方に寄り添って、元気になるためのサポートをしていきたい。今後はより気軽に受診できるクリニックをめざして、点滴やいびきの外来なども開設していく予定です。皆さんにとって気軽に頼れるクリニックに成長していきますので、これからどうぞよろしくお願いします。
自由診療費用の目安
自由診療とはハイドロリリース/1部位3300円