小川 貴之 先生の独自取材記事
やまじ歯科医院
(香芝市/近鉄下田駅)
最終更新日:2024/12/05

近鉄大阪線・二上駅から線路沿いに東へ徒歩7分、住宅地の一角に「やまじ歯科医院」がある。2024年10月に全面リニューアルされた院内は、窓から光が差し込み、明るい雰囲気。歯科用CTなど、診療設備も一新されている。診療を受け持つ小川貴之先生は、歯学部卒業後、仙台市や大阪市の歯科医院に勤務し、一般的な診療から専門性を求められる治療まで、多岐にわたる経験を積んだ後、この歯科医院での診療をスタートさせた。若い歯科医師らしく、先進的な器具を活用する新しい治療も積極的に取り入れている。「誰もが気軽に受診できる歯科医院をめざしたい」と笑顔で語る小川先生に、同院の診療ポリシーや力を入れている治療、今後の展望などを聞かせてもらった。
(取材日2024年11月18日)
患者との間に壁をつくらない診療をめざす
先生のご経歴を教えてください。

歯科医師になったのは祖母の影響が大きいと思います。小さな頃からずっとおばあちゃん子で、いつも遊んでもらったりしていて、祖母の勧めもあって歯学部に入学しました。卒業後に勤務したのは、全国展開の医療法人です。仙台市のショッピングモールにあるクリニックに配属になり、お子さんから、ご高齢の方まで幅広い年齢の患者さんに対して、一般的な歯科診療から、口腔外科、インプラント治療など本当にさまざまな診療を経験できました。その後は、セラミック治療を専門的に行う大阪市の医療法人に勤務して専門性を求められる診療にも取り組みました。
こちらで診療を開始されるにあたり、リニューアルされたと伺いました。
私が診療スタートを機に全面的にリニューアルを行いました。診療台はすべて新調し、それぞれにレントゲン画像などを映し出せるモニターを備えました。歯科用CTや器具の滅菌のための設備も新しくして、歯周病治療のための新しい設備も導入するなど、機材もほぼ一新しています。また、プライバシーに配慮した個室のカウンセリングルームも用意しました。患者さんの検査画像などをルーム内のモニターに呼び出せるので、データや画像を見ていただきながら、治療方針などを相談できるのがメリットです。さらに、皆さんに気軽に受診していただけるクリニックをめざしているので、車いすやベビーカーのまま入っていただけるように、入り口にはスロープを用意して、手すりを設置、診療時間を午後8時まで延長して、土曜、日曜、祝日も診療を行っています。
どのような患者さんが来られますか?

診療を開始してまだ1ヵ月なので、現在のところは、以前から通院してくださっていた患者さんが中心です。患者さんと接する際には、できるだけ壁をつくらないように、基本的な礼節を守りながらもフレンドリーな対応を心がけています。笑顔で接して、例えば普段のお手入れなどお願いしていることをやっていただけない場合なども、高圧的な態度に出るのではなく、患者さんの自発的な行動につながるような言葉を選んで話すようにしています。患者さんとの間に壁ができてしまうと、歯科医師や診療に対する不信感にもつながってしまいますからね。症状や治療方法について説明する際は、できるだけ画像や模型などを使い、言葉だけではなく視覚的にも理解していただけるように注意しています。実は、テーマパークで短期間ながらアルバイトをしていたことがあり、その時の経験が患者さんを明るくもてなす対応に役立っていると思います。
大切な歯を守る予防に力を入れる
注力されている治療について教えてください。

さまざまな歯科診療の中で、特に力を入れたいのは予防歯科です。当院がセラミックを用いた補綴治療に注力しているのも、トラブルの予防につながるからです。虫歯の治療で詰め物やかぶせ物をつけたものの、日常的なケアが不十分で再び虫歯になり、再治療が難しい段階まで進んでいる方や、抜歯を検討しなければならない状態になっている方は少なくありません。こうした状態にならないよう、定期検診などに力を入れるとともに、セラミックを用いた補綴治療を提案することがあります。セラミック素材の利点は、もちろん自然な見た目にもありますが、表面が滑らかなので汚れがつきにくく、虫歯などのリスク低減も見込めるからです。金属の詰め物、かぶせ物も、適合性は優れているのですが、表面がセラミックのように滑らかではなく、磨くことで凸凹ができて、その部分に汚れがたまりやすくなってしまうのです。
歯を守るためにセラミック素材を使うのですね。
そうです。また、歯を守るという意味では、歯ぎしりや食いしばりの治療にも力を入れています。最近は、歯ぎしり・食いしばりをしている方が本当に多く、程度の差はあれ、8割程度の方に見られるのではないかと考えています。気づいていない方も多く、長期間放置すると歯がすり減ったり、割れたりするリスクがあり、歯を支える顎の骨にもダメージが及びかねません。このため、歯ぎしり・食いしばりが強い方には、就寝中に装着していただくマウスピースをご案内することもあります。当院にはマウスピースを作製できる歯科衛生士が在籍していますので、スピーディーな対応が可能です。
先生の得意な治療を教えてください。

これまで幅広い診療を経験してきましたが、治療の経過がわかりやすい口腔外科の診療が個人的には好きです。親知らずなど歯茎の中に隠れてしまっている歯の抜歯などを担当する機会は今でも多く、得意な治療でもあります。また、これまで重度の歯周病については、歯茎を切開して歯の根本近くに付着した汚れをきれいにするための外科的な治療しか選択肢がありませんでした。しかし当院が新しく取り入れた、超音波振動と青色レーザーを使用する機材による治療なら、外科手術を行うことなく重度の歯周病の症状改善が期待できます。外科手術が怖いからと歯周病の治療を諦めてしまっている方も多いと思うので、自由診療にはなりますが、そうした方にこの新しい治療を提案していく予定です。
必要な治療を受けやすい環境をつくる
子どもの矯正歯科診療にも積極的に対応されると聞きました。

お口周りの筋肉を鍛えるためのマウスピース型の装置を使った咬合誘導、顎の骨を広げるための床矯正と呼ばれる治療を取り入れ、歯並びそのものを整えるための小児のマウスピース矯正にも対応しています。咬合誘導や床矯正は1期矯正とも呼ばれ、きれいな歯並びへと導くためのいわば土台づくりの治療です。適した時期にこうした施術を行うことで、その後の矯正の負担が軽減が期待でき、費用も抑えられます。また、矯正のために健康な歯を抜かなければならないという事態を避けることにもつながるため、経済的な負担に配慮するなどして治療に対するハードルを下げて、力を入れていきたいと考えています。定期的に通院していただければ、適切なタイミングで矯正のご案内ができるので、駐車場を使ったイベントを開催するなどして、気軽に通いやすいクリニックづくりにも取り組む予定です。
ホワイトニングも対応されていますね。
当院で行うオフィスホワイトニングにも、専用のマウスピースを使って患者さん自身に行っていただくホームホワイトニングにも対応しています。中でも、両者を併用するデュアルホワイトニングを特にお勧めしていて、それぞれのデメリットを補い合うホワイトニングが可能です。刺激の少ないホワイトニング剤を採用し、マウスピースを作製する設備も備えてスムーズに対応できるのも当院の強みです。
今後の目標や展望を教えてください。

小さな頃から歯科医院に通っていただき、歯とお口の健康をサポートしながら成長を見守っていきたいという思いがあります。そのためまずは、お子さんや子育て世代の方に気軽に受診してもらえるクリニックが目標です。内装などももう少し手を加えて、よりフレンドリーなイメージを出せるといいなと計画中です。また、歯科診療は誰もが受けやすいものであるべきだと考えているので、自由診療の負担の軽減にも配慮することで、必要な治療、専門的な治療を受けていただきやすい歯科医院でありたいですね。診療は基本的に電話またはウェブによる予約制ですが、急に来られた患者さんにもしっかり対応し、電話でのお問い合わせにも丁寧にお答えしています。歯やお口に関するさまざまなお悩みや困り事などを、お気軽にご相談いただければと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは床矯正/25万円程度、マウスピース型装置を用いた矯正/30万円程度、セラミックを用いた補綴治療/4万円~、超音波振動と青色レーザーを使用した重度の歯周病治療/1歯1万円程度・ブロック(4歯)3万円程度、ホワイトニング/1万5000円程度
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。