家始 聡介 院長の独自取材記事
かし歯科
(堺市中区/深井駅)
最終更新日:2024/08/08
泉北高速鉄道線・深井駅から東へ徒歩2分、新しいマンションの1階にあるのが、2024年6月に開業した「かし歯科」。吹き抜けで開放感があり、木目とブラウンを基調としたナチュラルな内装に観葉植物とアートが飾られた空間はまるでギャラリーのようだ。家始(かし)聡介院長は、大学病院の麻酔科で経験を重ね、根管治療やインプラント治療、歯周外科治療を得意とする歯科医師だ。やわらかな笑顔と優しい口調が印象的だが信念が強く、患者にとって最善の診療を提供したいという思いを抱いており、損得勘定抜きにしたエビデンスベースの治療にこだわっている。そんな家始院長に、開業への思いや診療へのこだわりについて聞いた。
(取材日2024年6月19日)
エビデンスを重視した診療を患者に提供
院内がおしゃれな空間ですね。アートもあり、まるでギャラリーのようです。
ありがとうございます。僕の名字が家始(かし)なので、樫の木をイメージして内装にも木目を取り入れました。天井を高くして自然光を多く取り入れるようにし、観葉植物を置いてぬくもりのある内装になったと思います。アートは、美術大学の准教授だった父の作品も飾っています。父は今年の4月に亡くなってしまって院内を見せられなかったのが残念です。その他の内装面でいうと、クリニックの名前が「かししか」と回文になるので、院内をぐるっと一周できる、回遊性のある設計にしています。エックス線検査室には、待合室と診察室のどちらからでも入れるような動線になっているんですよ。エックス線写真を撮ってすぐ帰宅される患者さんがスムーズに待合室へ出られるようになっています。歯科医院のロゴも、回文をイメージしてつくりました。
開業までの経緯を教えていだだけますか?
朝日大学を卒業後、麻酔科の大学院に入り博士号を取得しました。大学院卒業後は岐阜県の一般歯科で勤務していましたが、子どもの誕生をきっかけに実家のある大阪へ引っ越してきました。その後、堺市のおだデンタルクリニックで8年ほどの勤務を経て、開業に至りました。僕にとって、おだデンタルクリニックでの経験が自分のターニングポイントになっていて、当院での診療も前職のやり方を受け継いでいます。というのも、院長が後輩指導を積極的にされており、麻酔科出身の僕に根管治療やインプラント治療、歯周外科治療など、エビデンスに基づいた歯科治療を一から教えていただきました。院長からは自身の勘ではなく、エビデンスに基づいた治療を行うことの大切さや、経営をはじめとした治療以外の部分でもたくさんのご指導をいただきました。
先生が診療において大切にしていることは何でしょうか。
まずは「きっちり」やること。一つ一つの治療にストイックに取り組むことです。これも前職で得た経験からです。例えば根管治療の場合、治療中に唾液や細菌が入らないようにするラバーダムというシートを使うかどうかで治療の結果も変わってきます。ただ、根管治療に使用するラバーダムはコストがかかってしまうものなのです。保険診療と自費診療の区別をしてしまいがちな歯科業界ですが、区別することなく最善の方法を取って、後悔のない治療をやっていきたいと思っています。また当院の根管治療では、マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)も使用しています。道具を使えば治るというわけではありませんが、最善の治療方法を取って後悔のない治療をしていきたいと思っています。矯正に関しても審美面だけでなく、咬合面をしっかりと治してほしいという想いから、専門のクリニックに紹介するなどして最善の治療が受けられるように努めています。
麻酔スキルを生かし、痛みに配慮した治療も
痛みに配慮した治療も可能だとお聞きしました。
大学院では麻酔科にいたので、静脈内鎮静法や笑気麻酔を使った治療も可能です。当院では主にインプラント治療や外科治療を受ける方に使用しています。また、歯科医院の機械音などが気になってしまう歯科恐怖症の方もご相談いただければと思います。ただ、笑気麻酔は保険診療で使用可能ですが、静脈内鎮静法は自費診療になってしまうので、患者さんのお話を伺い、必要性があれば使用するかたちになりますね。
どのような患者さんが来院されますか?
昔からお住まいの高齢の方が多い印象です。検診希望の他、歯の痛みやかぶせ物が外れたなどの症状で来院される方が多くなっていますね。マンションができたことで、若い世代の方が地域に入ってくると、これからファミリー層の患者さんも増えてくるのかなと思っています。幅広い年齢層の診療に携わっていけたらと思っています。開業して1ヵ月になりますが、来院される患者さんは歯周病の方が多く、予防意識が低い印象が見受けられます。歯周病は治療をしたとしてもご自身でしっかり歯磨きができていなければ繰り返してしまうものであるため、日頃からのセルフケアが大切です。患者さん自身が正しいブラッシングができるように指導させていただいています。正しい知識を持ってもらうことで、歯周病の患者さんを減らしていくのが理想ですね。
患者さんと接する時に心がけていることはありますか?
患者さんがリラックスできるように天気のことなど、雑談を含めた会話を心がけています。特に麻酔をする前などは緊張するところかと思いますので、患者さんの様子を見ながら安心できるような声かけを意識していますね。また、当院のスタッフも接遇に関しては熟知しており、普段の患者さんへの声かけはもちろん、電話対応など第一印象が決まる場面でも丁寧に対応しているなと感じています。患者さんにとって大切なTBI(歯磨き指導)の動画などを使って学びの機会を設け、スタッフのスキルアップも促すようにしています。
患者にとって最善の治療を提供していきたい
印象的だった患者さんとのエピソードを教えてください。
これまで多くの患者さんと関わってきましたが、インターネット上のクチコミに「本当にいい先生で良かった」と書かれていたのを見た時は感動しましたね。僕自身は普通にしているだけですが、患者さんにそう思っていただけるとありがたい気持ちになります。正直僕自身はあまり欲がない性格なのです。自分の給料を削ってもいいから時間をかけて丁寧に対応したいと思っています。
休日はどのように過ごされていますか?
休日は2人の子どもの面倒を見るくらいですね。妻も医師で仕事をしているので、2人とも小学生なのですが、一緒に過ごしています。野球が好きで、僕自身はプレイしないのですが、家族皆でひいきのチームを応援しています。時間があれば、名古屋まで家族で遠征したいですね。野球以外には、ダムが好きです。人が造った巨大建造物というところに魅力を感じます。また、これは後づけになってしまうのですが、ダムの洪水調整は水の出し入れをしますよね。全身麻酔も、輸液を入れて体から出た分、輸液をまた足すという流れで行うのですが、どこかダムの仕組みと似ているところにも親しみを持っています。今行ってみたいダムは香川県の豊稔池ダムです。造りが他のダムと違うところに魅力を感じています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
当院の強みは、エビデンスを重視した診療を行うというポリシーがはっきりしているところだと思います。来院してくださった患者さんをしっかりと診させていただいて、定期検診も長く通っていただけるような歯科医院にしていきたいと思っています。たくさんの歯科医院があると思いますが、手を抜かずに、エビデンスベースの治療をさせていただきます。歯の気になるところやトラブルなど、些細な悩みでもお気軽に相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/48万円、静脈内鎮静法/7万円