実は見落としもある内視鏡検査
早期発見に欠かせないポイントとは

内視鏡検査は先進機器、医師の技術力、診断力を備え、かつ「場を整えてからの検査」を重視するクリニックで

Q胃の内視鏡検査はどんなことがわかるのですか？

A

▲患者一人ひとりに合った適切な検査を提案している

胃の内視鏡検査では胃がんだけではなく、食道がん、咽頭がんなども調べることができます。しかし、患者さんがオエッとならないように喉はほぼ素通りというケースも少なくありません。それでは、飲酒・喫煙の習慣のある人に多い喉頭がん、中咽頭がん、下咽頭がんなどを見逃してしまう恐れがあります。のど仏の下辺りにある頸部食道のがんも意外と多いので、本来であればじっくりと観察するべきです。いずれのがんも早期発見できれば内視鏡的粘膜下層剥離術（ESD）で、体に負担の少ない治療が可能です。ところが、発見が遅れてしまった場合は大きな手術が必要になり、声を失ったり食事に不自由したりすることにもなりかねません。

Qピロリ菌を除菌した後も内視鏡検査は必要ですか？

A

▲ピロリ菌を除菌した後も定期的な検査が必要だという

ピロリ菌を除菌すれば内視鏡検査はもういらないと誤解されがちなのですが、それは間違いです。除菌をしたとしても期待できるのは胃がんリスクの半減程度なので、内視鏡検査は必ず毎年受けるようにしてください。除菌後は胃の粘膜にでこぼこが出現し、病変を隠してしまうこともあるので、初期の小さながんを見つけるのがいっそう難しくなります。当院では経口内視鏡だけではなく、ファイバー部分がより細い経鼻内視鏡でも変わらずにクリアな画像を取得できる先進機器を導入しています。患者さんがどちらを希望した場合でも、早期発見につなげられる精密な検査に努めています。

Q早期発見のためには何がポイントになりますか？

A

▲検査中の苦痛を軽減させるような工夫をしているという

例えば、初期の小さな胃がんはヒダや粘液の泡に隠れてしまうことがあります。早期発見のためには、胃に空気を送って広げたり、粘膜を洗ったりと、「場を整えてからの検査」が大事です。それは大腸の検査でも同様で、まず腸をきちんと洗って粘液を落とし、二酸化炭素を送り込んで膨らませながら観察していきます。このとき、患者さんが苦しまないようにとサッと入れてサッと抜くだけではいけません。ある程度時間をかけても苦痛を感じさせないテクニックこそ大事ともいえます。当院ではスピードだけにこだわるのではなく、挿入は1〜2分、胃は6〜7分、大腸は10分程度かけて抜きながら、隅々まで調べ上げていきます。

Q大腸の内視鏡検査で注意している点はありますか？

A

▲さまざまな症例と向き合い研鑽を積み続けてきた渡海院長

大腸にはひだがたくさんあり、その裏に初期の大腸がんが隠れていることもあります。二酸化炭素を送気して腸を広げひだをかき分けながら見ていきますが、上行結腸という部分に空気がたまると非常につらく、鎮静下の患者さんも顔をしかめるほどです。覚醒したときは苦痛を覚えていないとしても、体に負担がかかることには変わりません。観察が終わった部分に空気が残らないようにするため、当院では検査中に患者さんの体位をこまめに変えるようにしています。必ず看護師と2人組で検査を行っているのはこのためです。もちろん、小さな大腸ポリープならば検査と同時に切除することもできます。

Qこちらでは先進機器も導入していると伺いました。

A

▲精密な検査を実現するため、先進の機器の充実にも余念がない

狭帯域光という特殊な光を用いた検査ができる機器を導入しています。通常は白色光モードで観察しながら、がんが疑われる部分は狭帯域光モードに切り替えるといったことができるんです。さらに当院で導入している機器は、狭帯域光がより見やすくなったものです。わかりやすく例えると、車のロービームとハイビームくらい違い、見落としがちだった小さな病変にも気づきやすくなりました。拡大機能もあるので、怪しい部分はズームして観察することも可能です。狭帯域光による検査では、内視鏡治療が可能な初期のがんの発見に有用です。先進の狭帯域光モデルを採用しているクリニックはまだ少ないと思いますので、ぜひ一度体験してみてください。