足のむくみや浮き出た血管は
循環器内科や心臓血管外科へ相談を
よだ内科・循環器内科クリニック
(柏市/柏の葉キャンパス駅)
最終更新日:2024/09/30
- 保険診療
足のむくみは「よくあることだから」と軽視してしまいがちだが、その症状の裏には血管の異常から全身疾患、命に関わるものまでさまざまな病気が隠れている恐れがあるという。放置すると皮膚の変色や炎症などが起こり、困ってからクリニックへ相談しようにも受診先がわからないという悪循環に陥るケースも少なくないそうだ。また、足の血管が浮き出ている状態は下肢静脈瘤のサインであり、適切な診療科にかかることが大切だと「よだ内科・循環器内科クリニック」の依田真隆院長は話す。より良い治療につなげられるよう、長年培った診察眼を生かして原因の特定に努める院長。むくみが示す病気の可能性に対してどのような検査を行うのか、困ったときはどこに相談すれば良いのかなどを、専門家の目線から語ってもらった。
(取材日2024年9月12日)
目次
生活習慣の影響やホルモンの異常、重篤な病気のサインとして現れるむくみ。相談するなら専門家のもとへ
- Q足のむくみはどのような病気の前兆として見られますか?
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A
足がむくむ症状にはさまざまな病気が考えられます。例えばピルを内服中の女性に起きやすい深部静脈血栓症、いわゆるエコノミークラス症候群のほか、下肢静脈瘤、骨盤内の手術を行った後に生じるリンパ浮腫、心不全・腎不全・肝硬変・低栄養による下肢の浮腫などですね。さらに甲状腺機能低下症やホルモンの異常が原因でむくんでいるケースもあります。むくみ方の特徴でいうと、片方の場合は深部静脈血栓症や下肢静脈瘤、リンパ浮腫、両方の場合は心不全や腎不全、肝硬変、低栄養によるむくみの場合が多いですね。そうした点も含め、診断の際はあらゆる可能性を想定しなければなりませんので、複数の検査を行い原因を追究していきます。
- Q異変を感じた場合、何科を受診すれば良いのでしょうか?
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A
むくみの原因が腎不全や肝硬変、甲状腺機能低下症などホルモンの異常の場合は内科でも診療が可能です。しかし心不全や深部静脈血栓症、下肢静脈瘤は循環器内科・心臓血管外科の専門分野となります。また、この分野の先生は心不全のような命に関わる病気が隠れているかを診る目も肥えています。どこに行けば良いかわからない患者さんは少なくないと思いますが、まずはお近くの循環器専門クリニックを受診し、検査を受けることを推奨します。加えて、下肢静脈瘤の治療は主に心臓血管外科の領域になります。当院でも心臓血管外科と循環器内科での診療経験を生かし、むくみに対する精密な検査・診断に努めていますので、何かあればご相談ください。
- Q足のむくみに対し、どのような検査や治療を行いますか?
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A
血液検査やエックス線撮影、心電図や超音波検査、足の血流を評価する検査などを駆使してむくみの原因を探ります。下肢静脈瘤は手術の適応を判断する必要もありますが、心臓血管外科の医師が得意とする分野。なお、当院には専門的な検査技術を持つ技師や医師がおり、血管の異常を調べる際の超音波検査を精密に行えるのも強みです。手術適応外の下肢静脈瘤に対しては、軽症の場合は薬物療法や医療用弾性ストッキングを用いた治療、重症の場合はレーザーによる血管内の焼灼術を実施。当院の患者さんに多い深部静脈血栓症は、血をサラサラにするための薬で血栓を溶かすことをめざす治療のほか、血栓の大きさが危険なレベルであれば病院へ紹介します。
- Q足の血管が浮き出ている場合も同様に相談できますか?
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A
もちろん相談可能です。症状の見分け方として、くもの巣状の細かい血管や多少浮き出ている程度の血管は加齢による現象であり、色白の女性も血管が目立ちやすい傾向にあります。しかし下肢静脈瘤は進行すると静脈が1cmほど拡大し、太いミミズが這ったようなこぶが現れるのが特徴です。もっとひどくなれば色素沈着や皮膚炎を伴うほか、足の変色や皮膚の硬化といった恐れもあります。命に関わる病気ではないからといって放置し、見た目がかなり悪くなってからようやく受診するというケースは本当に多いです。適切な診断のもと早期に治療に結びつけることが重要ですので、浮き出た血管が気になるようでしたら気軽にお越しください。
- Qほかに循環器内科、心臓血管外科に相談すべき症状はありますか?
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A
走っていないのに動悸や息切れがする、胸が痛い、心雑音があるなどの場合も、循環器内科や心臓血管外科で専門的な診療が行えます。自覚症状を見過ごしたり、健康診断で指摘された心電図の異常を放置したりするのは危険ですので、些細なことでもご相談ください。また、動悸や胸痛の原因は心疾患であるものとそうでないものがあり、足のむくみと同様、診断には多くの検査が必要です。その点、循環器内科や心臓血管外科の医師はあらゆる可能性を考慮して検査を行い、治療も大学病院などと連携しながらスムーズに対応可能です。当院も、保有しているクリニックが少ない長時間ホルター心電図を活用し、これまでの経験をもとに診療にあたっています。