頻尿など過活動膀胱の悩みに
ボツリヌス毒素製剤膀胱壁内注入療法
きたじま腎泌尿器科クリニック 世田谷 烏山院
(世田谷区/千歳烏山駅)
最終更新日:2024/10/11
- 保険診療
頻尿や尿漏れは年齢を重ねるうちに起こる症状の一つだが、過活動膀胱になっている可能性もある。2024年4月に開業した「きたじま腎泌尿器科クリニック 世田谷 烏山院」は、そういった過活動膀胱の悩みに対応するクリニックだ。過活動膀胱の最初の治療の選択肢は内服薬だが、内服薬では改善につながらずに悩んでいる患者も多いという。そんな患者の選択肢として、ボツリヌス毒素製剤膀胱壁内注入療法がある。同院の北島和樹院長は、大学病院や基幹病院の腎臓・泌尿器領域で培った専門性にこだわった医療を地元で提供したいという想いから開業。さまざまな経験に基づく配慮と温かい人柄で患者に寄り添う北島院長に、ボツリヌス毒素製剤膀胱壁内注入療法という治療について詳しく話を聞いた。
(取材日2024年9月11日)
目次
内服薬では対処が難しい人にも。痛みの少ない治療法で過活動膀胱における症状の改善をめざす
- Q頻尿や尿漏れがひどいと、病気の可能性があると伺いました。
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A
頻尿や尿漏れは加齢に伴う体の変化からも生じる症状ですが、トイレに行く間隔が短いことでお悩みの方はとても多いです。気温とともに膀胱の柔軟性も下がりやすく、寒くなるとともに頻尿に悩まされる方が増えていきます。急な尿意を我慢できない尿意切迫感や、尿意を催してトイレにたどりつく前に尿漏れしてしまう切迫性尿失禁の症状がある方は、過活動膀胱になっているかもしれません。過活動膀胱は、膀胱が過敏になって柔軟性が落ちることが一因と考えられ、尿がたまる前に収縮してしまう病気です。一説には、日本では40歳以上の方の8人に1人、およそ1000万人以上が過活動膀胱なのではないかともいわれています。
- Qボツリヌス毒素製剤膀胱壁内注入療法とは、どんな治療法ですか?
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A
過活動膀胱は、第一の選択肢として内服薬での治療があります。ですが、中には内服薬で十分な成果につながらない方がいます。薬物療法で改善が見込めない患者さんの選択肢として、ボツリヌス毒素製剤膀胱壁内注入療法があります。この治療法は、A型ボツリヌストキシンという天然のタンパク質を主な成分とする薬を使用して、膀胱の異常な筋肉の収縮の抑制を図る治療です。時々、「ボツリヌス菌を入れるんですか?」と思われる方がいますが、菌を打つわけではありません。A型ボツリヌストキシンは、最近ではしわのケアなどにも活用されています。菌に感染することはありませんので、ご安心ください。
- Qボツリヌス毒素製剤膀胱壁内注入療法は誰でも受けられますか?
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A
内服薬を4週間以上飲んでも尿意切迫感や尿失禁の改善が見込めない方や、副作用があって内服薬を選択できない方が対象となりますね。加えて、治療前には検査が必要です。残尿検査という検査で排尿障害がないか確認し、超音波検査や尿検査で尿路感染がないという確認をした上で行う治療法になります。ボツリヌス毒素製剤膀胱壁内注入療法を行うためには内視鏡を使用しなければなりませんから、もしかすると過活動膀胱でお悩みの方には、内服薬の他に選択肢があるとご存じない方もいらっしゃるかもしれません。もし内服薬で改善につながらないとお悩みでしたら、ぜひご来院ください。一緒に適した治療法を検討していきましょう。
- Q治療の流れについて教えてください。
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A
当院では、原則日帰りで治療が可能です。治療当日は15分前にご来院いただいて、まずは治療の流れを再度確認します。その後、膀胱内に局所麻酔を行い、軟性の内視鏡を挿入して、膀胱壁に約20ヵ所薬を注入していきます。20ヵ所も?と驚かれるかもしれませんが、痛みはほとんどありません。痛み止めもお渡ししますが、麻酔が切れた後も薬を飲まないで過ごせる可能性もあります。薬の注入は15分程度で終わり、排尿ができるか確認して、1時間程度で帰宅できます。副作用としては排尿障害や尿路感染症などがありますが、事前に治療適応かどうか検査を行いますし、リスクにも配慮しながら治療を行いますので、まずはお気軽にご相談ください。
- Q先生が診療で心がけていることはおありですか?
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A
膀胱や尿のお悩みはデリケートですし、恥ずかしいという気持ちが強くて来院に踏み切れない方も多いです。当院は2階にありますので人目を気にせずお越しいただけるだけでなく、男性と女性で待合室とトイレを分けています。診察を待つ間もリラックスできると思います。泌尿器科は入りづらいと思われるかもしれませんが、受付のスタッフや看護師も患者さんの目線に立って親身に寄り添っています。「下着を脱がなければいけない」と思っている患者さんも多いのですが、実は泌尿器科では初診で陰部を見ることはほとんどないんです。患者さんの性別を問わず、診察には必ず看護師が同席しますので、不安なく診察を受けていただけると思いますよ。