北島 和樹 院長の独自取材記事
きたじま腎泌尿器科クリニック 世田谷 烏山院
(世田谷区/千歳烏山駅)
最終更新日:2024/07/11
「泌尿器科クリニックはかかりにくい」と感じる人が、地元の世田谷区からいなくなるようにと尽力しているのが「きたじま腎泌尿器科クリニック 世田谷 烏山院」の北島和樹院長だ。2024年5月、千歳烏山駅から徒歩1分と便利な場所に開業した同院は、男女別の待合室やトイレといった受診しやすい環境にこだわると同時に、連携する久我山病院で院長自ら手術を執刀するなど先進的な医療を提供している。初診から、検査、手術、術後の経過観察に至るまで一貫して患者に寄り添い、「とにかくまずは気軽に受診していただけたら」と優しい笑顔を見せる北島院長に、同院の特徴について話を聞いた。
(取材日2024年6月12日)
高いレベルの腎・泌尿器科医療を駅前クリニックで提供
まずはこちらで開業された理由や、どんな症状を診ていただけるかについて教えてください。
これまで大学病院や基幹病院の腎・泌尿器科で重ねた経験を生かし、自分が育った世田谷区で、地域の皆さまに恩返しの意味も込めて貢献したいと思い開業しました。尿が漏れる、トイレの回数が多いといった排尿に関するお悩みはもちろん、尿路感染症から、私の専門である腎不全、悪性腫瘍まで、腎・泌尿器科の領域をすべて診ています。小児の夜尿症のご相談もありますね。思春期になっても治らず、親子で来院されるケースも少なくありません。困っていても周囲にはなかなか話せないと思いますので、何度か来ていただき、お子さんの状況だけでなく親御さんの悩みを聞かせていただくこともよくあります。今まで電車で遠くに通っていたという方々から感謝されることも多く、やりがいを感じています。
クリニックの診療理念についてお話しいただけますか?
世田谷地域の皆さまの健康長寿に貢献することを診療理念として、それを実現するためにこのクリニックがあると考えています。まず大切にしているのが、地域の方の心が穏やかで、体が健やかな状態で生活が送れるように診療することです。そのためには、受診のしやすさがとても重要だと思っているんです。早期発見が最大の治療効果を生むと思いますので、とにかく早く受診して相談してもらうことで心を穏やかにしていただく。そして、精度の高い検査を行い、異常があれば早期診断をして、早くに治療することで体も健やかになっていただけたらと願っています。
診断にあたってはどんなことを重視していますか?
患者さんの臨床経過を知ることが非常に大事ですから、症状について時間の経過も意識しながらお話を伺います。あとはどんな検査が必要かを考えるために、鑑別疾患、つまり可能性のある病気を頭の中に置きつつ聞くことも、大切にしていることですね。検査については、患者さんに「なぜその検査をするのか」をきちんと説明してから進めます。先進の検査機器を導入しており、例えば、尿の中の血液成分や異形細胞を人工知能を用いて判断する先端の尿沈査検査機器を活用しています。基本的に5~10分程度で結果が出ますので、長くお待たせせずに精密な検査ができるでしょう。また膀胱内視鏡も備え、総合病院で受けるような高精度で痛みのほぼない検査を、駅近の当院で行える環境です。
初診から手術、術後のケアまで一気通貫で診る体制
手術が必要な場合、可能な限り、先生が執刀される体制だそうですね。
そうなんです。診断がつくと治療に進みますが、手術が必要なケースも一定数出てきます。そこで現在私が籍を置く久我山病院で、私自身が執刀する体制を整えました。一般的には、もし手術となれば、患者さんは紹介先の病院を受診して初めて執刀医と対面します。初診から1、2回の診察で手術に至ることも多く、信頼関係を築く時間がないまま手術日を迎える方もいらっしゃるでしょう。ですから当院では、初めて診た医師がそのまま検査から、診断、手術、クリニックでの術後の経過観察まで一貫して診ることで、患者さんの精神的な負担を減らしたいと考えました。世田谷区内で治療を一気通貫で完結できれば、地域の方々の安心感にもつながるのではないでしょうか。
これまで多くの手術に携わってきたそうですが、どのような経験を積まれてきたのですか?
腎・泌尿器科領域の大半の手術を経験してきたといえると思います。先端の手術については、例えばロボット支援下の腹腔鏡手術を数多くやってきました。もちろん通常の内視鏡手術や、切開部をできるだけ小さくする小切開手術も担ってきましたし、腎移植も経験しています。現在も久我山病院に加えて北里大学にも籍を置いており、常に知識がアップデートできる状況なので、手術について何か聞かれれば患者さんに合った新しい情報をお伝えできるでしょう。久我山病院での手術も、ロボット手術はともかく、都心部まで行かずとも最新の手術を提供できるように努めています。低侵襲で入院期間がより短期で済むような前立腺肥大の新しい術式についても学びました。精度の高い技術で執刀できると自負していますので、クリニックと病院の両輪で患者さんに還元していけたらと思っています。
診療の際に心がけているのはどんなことですか?
わかりやすく説明するために、泌尿器の解剖図を印刷した紙を用意し、そこに説明を書き込んでお渡ししています。患者さんにとって医学用語は難しいですからね。また、書いて伝えることに加え、その紙を持ち帰っていただくことも重要だと思っているんです。というのも、限られた診療時間の中で理解できないことがあっても、その紙を持ち帰れば自宅で確認できますし、あるいはご家族にも見ていただいて、それでもわからなければ次回一緒に来ていただくこともできるでしょう。そうすると、ご家族からも病状を伺えますので、診療の質も自然と上がる好循環につながりやすいのです。患者さんの周囲にご家族や医師といったサポーターがどんどん増えていく。それが患者さんにとってとてもいいことではないかなと思っています。
恥ずかしさに配慮し、気軽に受診しやすい環境を整備
患者さんが受診しやすいように、いろいろと工夫されているそうですね。
そうですね。とにかく気軽にかかれる環境が大切ですから、駅前にあることは一番といっていいくらい重要だと考えています。また、院内施設にもこだわりました。女性専用の待合室を設け、トイレも男女別です。さらに、診察後に部屋を出た時、他人の視線が気にならないよう、診察室の前は廊下にしました。以前の勤務先で、「恥ずかしくてなかなか受診できなかった」とおっしゃる女性患者さんが結構いらっしゃったので、高いプライバシー性があってなるべく恥ずかしい思いをしないよう、設計の方に希望を通してもらいました。加えてホームページには、初診で陰部を診ることはほぼない、ということも載せています。よく誤解されるのですが、そうした知識もお伝えすることで受診のハードルを下げることにつながればいいなと思っています。
そもそも、先生はなぜ泌尿器科医になろうと思われたのでしょうか?
まず医師をめざしたのは、子どもの頃から、人からダイレクトに感謝されてやりがいのある仕事だと感じていたことが大きいですね。その中でも泌尿器科をめざしたのは、医学生時代に腎移植をした患者さんを目の当たりにしたからなんです。その様子を見て、「腎移植をやりたい!」という思いから泌尿器科医になろうと決めました。また、当時の泌尿器科の教授を尊敬していたこともあったかもしれませんね。患者さんに対してとても誠実な方で、自分もそういうドクターになりたいと思いました。
最後に読者の方へのメッセージをお願いいたします。
世田谷区で一番をめざすのはもちろん、東京都の中でも「ここに来れば正確な診断と最適な治療を行ってもらえる」というクリニックになれたらと思っています。そのために常に新しい知識を習得し、皆さんのご要望をくんでいくことを大切にしていきます。地域の皆さまには、腎臓や泌尿器に関する体の変調をわずかでも感じたり、尿にまつわるちょっとした悩みがあったりしたら、本当に気軽に来ていただきたいですね。泌尿器科は受診しにくいと思われがちですが、腎臓も泌尿器も痛みなどの症状がなかなか出ないので、変化を見逃さないことが重要です。それで検査をして正常だとわかれば一番いいですからね。「受診したのに何もなくて迷惑だったかな」というようなことはまったく考える必要はありません。患者さんが恥ずかしい思いを感じないように配慮しながらしっかり診察しますので、ぜひ気軽に相談にいらしてください。