長持ちするインプラント治療のために
事前の診査診断が特に重要
オーキッドJOYデンタルクリニック
(川崎市高津区/高津駅)
最終更新日:2024/09/02


- 自由診療
虫歯や歯周病で歯が抜けてしまった人や、不意の事故やスポーツによるケガで歯を失った場合、治療の選択肢の一つとして有用なインプラント治療。最近ではかなり認知度も高まってきている。「オーキッドJOYデンタルクリニック」では、インプラント治療を専門とする浜口潤也先生が治療を担当している。浜口先生は、治療計画を立てる際、まず最終的な人工歯の形を模型で作製し、インプラント治療の適合性を厳格に診査診断した上で、その人工歯を作るためにはどのようにインプラント治療を進めればよいか逆算的に考えているという。その際の診査診断が重要で、将来のインプラントの持ちにも影響を及ぼすという。実際の治療の流れなどについて浜口先生に聞いた。
(取材日2024年6月14日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qインプラントを長持ちさせるためにどんな点を重視していますか。
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A
インプラントをより長く快適に使用できるようにするために2つの重要なポイントがあります。1つは事前に虫歯や歯周病を治療して口腔内環境を整えること。2つ目が治療前の診査診断です。当院では最初にインプラント治療を行う際に最終的な姿を想定し、適した人工歯を作るためにはどのようにインプラント治療を進めるべきか逆算して考えています。具体的には、噛み合わせや他の歯とのバランス、高さ、大きさ、清掃性などトータルに考えて最終段階の歯を模型で私自身が手作りし、その後、インプラント治療の妥当性、実現性、安全性などを綿密に診査・診断して治療計画を立てます。その段階で頭の中には治療のイメージがほとんどできています。
- Q定期的なメンテナンスも長持ちさせるために必要不可欠ですね。
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A
適切な診査診断に基づく治療によって安心して長く使えるようになっていることは大前提と考えています。その上で定期的なメンテナンスは、汚れを落とすことと噛み合わせの調整という点で大切です。天然歯とインプラントとの大きな違いは歯根膜の有無です。天然歯にはクッションの役目をする歯根膜があり硬いものを噛んでも力を吸収してくれます。しかし、インプラントは歯根膜がないため力がダイレクトに伝わり、噛み合わせに大きな影響が出て、0.01ミリ単位での調整が必要になります。噛み合わせが崩れてくると歯のすり減りやぐらつきといった兆候が出てきますので、歯科衛生士とともにその兆候を見逃さないようにしています。
- Qセルフケアとしては何をすればいいのでしょうか?
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A
セルフケアで大切なのは正しいブラッシングですが、患者さんができるだけ簡単に、そして楽にお口の中をケアできるようにするためには、磨きやすい、使いやすい形になっていることが必要です。そうした治療をめざせるのは、この分野に精通し治療経験が豊富な歯科医師ならではの技術だと考えています。インプラントもケアを怠ると、その周囲の組織に炎症が起こりインプラント歯周炎を引き起こします。だからといってインプラントだけに意識を集中してケアするのもストレスになるでしょう。ですので、当院では他のご自身の歯と同じ感覚でセルフケアできるよう、使いやすい形、ケアしやすい形の歯を作れるように努めています。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1カウンセリング・問診
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歯科医師が問診票に沿って現状や要望を聞き、患者の背景とライフプランをもとに、適切なインプラント治療のタイミングはどこなのかを一緒に検討していく。仕事のタイミングも考慮し、医学的、社会的な観点を踏まえ、いつ治療することが適切かを患者とじっくり話し合う。治療のタイミングが決まったら、全身の状態を知るため、エックス線撮影装置や3次元歯科用CTによる検査、口腔模型検査、歯周病検査、問診を行う。
- 2治療計画の立案と患者への説明
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検査結果を踏まえて、歯科医師が噛み合わせや歯茎の状態、口の中のバランスなどを考慮しながら最終的なかぶせ物の形を想定し、インプラント治療の妥当性や安全性などを診査診断。適合すると判断したら具体的な治療計画を立案し、患者に説明。また、複雑な症例の場合や難しい症例の場合には、歯科医師と歯科衛生士でカンファレンスを行い、今後の治療計画を立てていく。それぞれの患者の要望に合わせて複数の治療計画を提案する。
- 3インプラント治療
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治療前に口の中を清潔にするため、数日前に最終のクリーニングを終わらせておく。「手術」と聞くと長時間かかるイメージがあるが、麻酔をかけてから覚めるまで1時間程度で、実際の治療時間は20分程度だという。治療には滅菌された器具が使用され個室内はクリーンな状態に。治療中は顔に布をかけるため表情が読み取れない分、短い治療時間ではあるができるだけ患者に声をかけ、患者の状態を確認しながら治療を進めていくそうだ。
- 4上部構造の形成、装着
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インプラントと骨の結合が見込めるのは、手術の2ヵ月から半年後。状態を確認後、上部のかぶせ物になる上部構造を作製し、装着する。同院では口腔全体のバランスや噛み合わせ、セルフケアがしやすい形など、事前に想定した状態と同じになるようかぶせ物を製作。専門の歯科医師が患者の感想を聞きながら微調整を繰り返し、できるだけ患者自身の歯に近い状態で使えるように仕上げていく。
- 5定期的なメンテナンス
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治療が終わって1ヵ月以内に最初のメンテナンスを行い、インプラントの状態や噛み合わせを確認。セルフケアが正しくできているかのチェックと同時に歯科医院でのケアをすることで、治療後の状態の維持をめざす。口の中が安定してくれば3ヵ月から半年に1回の受診に。インプラントを長持ちさせるために重要なメンテナンスだが、怠る人が意外に多いという。せっかくの治療を無駄にしないためにもメンテナンスを忘れずに受けよう。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/33万円~