中島 一記 院長、井谷 史嗣 先生の独自取材記事
鼠径ヘルニア日帰り手術 広島アルプスクリニック
(広島市東区/広島駅)
最終更新日:2026/08/13
広島駅から徒歩5分の商業施設内にある「鼠径ヘルニア日帰り手術 広島アルプスクリニック」は、鼠径ヘルニアに対する日帰り手術に特化したクリニックだ。広島県内では数少ない日帰り手術のクリニックであることから、開業当初から多くの患者が訪れている。そんな同院の特徴は、さまざまな領域の専門家が協力し合い、患者負担が少ない腹腔鏡手術の提供に尽力していることである。取材では日本外科学会外科専門医と日本大腸肛門病学会大腸肛門病専門医の資格を持つ中島一記院長と、日本消化器外科学会消化器外科専門医である井谷史嗣先生に、クリニックの柱である鼠径ヘルニアの日帰り手術のことから、めざすクリニックのあり方まで、詳しく話を聞いた。
(取材日2026年4月14日)
高い専門性を要する鼠径ヘルニアの日帰り手術に特化
まずは、クリニックの特徴について教えてください。

【中島院長】当院は鼠径ヘルニアの日帰り手術に特化したクリニックです。所為然理事長が2022年に開業した「大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニック」で積み重ねた日帰り手術の実績を生かした、専門性の高い鼠径ヘルニアの診療が当院の強みであると自負しています。鼠径ヘルニアは体の筋肉の隙間から主に腸やその他の臓器、脂肪などが皮膚の下まで出てくる病気であり、脱腸とも呼ばれる疾患です。男性の3人に1人、女性は20人に1人の割合で罹患するといわれている病気ですが、治療方法は手術しかなく、鼠径部切開法という足の付け根の皮膚を切開する方法と腹腔鏡手術が適応になります。患者さんの視点からどちらの手術が良いかといえば、低侵襲の腹腔鏡手術が推奨されます。腹腔鏡手術は技術が必要ですが、当院には鼠径ヘルニアに対する専門性を持つ医師が多く在籍しており、経験に基づいた日帰り手術に取り組んでいます。
患者さんが気軽に相談できるような取り組みをされているそうですね。
【中島院長】ええ。患者さんが脱腸だと思い受診した際に、いきなり手術の話をされたら、不安や恐怖を感じてしまう方が多いでしょう。そうした印象が強まると、受診自体をためらい、結果として放置してしまうケースが増えてしまいかねません。実際、これまで多くの患者さんを診てきた中で、受診をためらったことによって病状が進行してしまったというケースを多く見てきました。悪性疾患なら病状の進行に繋がりますが、それは鼠径ヘルニアのような良性疾患でも同じことです。そこで当院では、SNSを活用し、スマートフォンから簡単にご相談いただける体制を整えています。医師に直接相談する前の段階でも利用いただけますので、受診前の不安や疑問の解消、遠方にお住まいの方の術後の問診・相談にも活用しています。
手術を受ける方には、独自の手術計画表を渡されていると伺っています。

【中島院長】一般的な手術計画表は標準的な経過を説明する予定表ですが、当院ではオリジナルで「患者さま用診療計画表」という冊子を作成し、手術を受けられる方にお渡ししています。検査内容や結果、麻酔の説明のほか、手術前日の食事時間、当日の持ち物など、患者さんが行う準備についても記載。手術後は、状態を確認するチェックシートに患者さん自身で記入していただき、電話で確認しています。「患者さま用診療計画書」は手術の記録であり備忘録のようなものです。私たちと患者さんが一緒に治療を進めていけることを念頭に置いて作成し、安心して日帰り手術に臨んでいただくためのツールとして活用しています。
重ねてきた実績を生かした、患者に寄り添う診療を提供
診療の際に心がけていることは何ですか?

【中島院長】患者さんに安心して任せていただけること、ここに来て良かったと思っていただくことが大事だと考えています。ですので、常に丁寧な言葉遣いや、患者さんに寄り添う配慮を心がけています。また、手術に対する怖さは、細部までイメージできることで軽減されると思っています。当院は鼠径ヘルニアの患者さんを多く受け入れ、多くの日帰り手術を行っているからこそ、手術の前から後までをイメージしていただきやすいような説明が可能です。かゆいところに手が届く診療を提供できるでしょう。
井谷先生はいかがでしょうか?
【井谷先生】今は医療従事者が正しい情報提供を行って、患者さんが十分理解した上で治療の選択をしていただく時代です。ですから、治療のメリット・デメリットを、わかりやすい言葉でしっかりと説明することを心がけています。場合によっては、患者さんの治療に対する理解度をより高まりやすくするために、治療で用いる機器や医療用品などをお見せしています。患者さんの疑問に対しても、わかりやすくかみ砕いて答えるようにしています。また、手術に関しては何よりも安全が大事です。ですので、これまで目的を達成するために積み重ねてきた知識・技術・経験を駆使して、安全かつ精密に完結できるよう意識しています。
スタッフの皆さんについても教えてください。

【中島院長】当院の医師とスタッフは、職種の垣根を超えてコミュニケーションが活発です。その影響から、常に患者さんが質問しやすい、話しやすい環境にもつながっています。さらに、医師もスタッフも一人ひとりが自然と患者さんの様子に気を配る意識も持てています。また、患者さんから親近感を持っていただけるように、スタッフがクリニックのキャラクターをつくってくれました。「脱腸」と「鼠径の1文字目がネズミ」ということから「だっちゅう」というネズミのキャラクターです。シンボルキャラクターとしてクリニックのPRに活躍してくれています。
【井谷先生】医師や看護師、受付スタッフなどを含め8人の多職種が連携して、チームで診療にあたっています。それぞれの人間性や技能に対して尊敬を持って接する姿勢があり、患者さんともあっという間に仲良くなってしまう。笑い声が絶えないクリニックだと感じています。
変化するニーズに応えながら長く医療を支えていきたい
院名の由来を教えてください。

【中島院長】アルプスを「RLPS」とアルファベットで表記しており、「Robot」のR、腹腔鏡を意味する「Laparoscopy」のL、手術を意味する「Surgery」のSを合わせた造語です。つまり、ロボットと腹腔鏡で日帰り手術を提供するということです。数年の間で、ロボット支援手術の普及が急激に進んでいます。当院においても、そういった世間のニーズの変化に応え、長く医療を提供できるようにという意味も込められています。長く社会貢献するためには、心意気だけでなく、先のニーズを読むことも必要と考えています。クリニックだからこそ、将来を見据えた医療を提供するフットワークの軽さはあると思います。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。
【井谷先生】痛みといった症状がないと、受診せずに様子を見てしまうケースも少なくないでしょう。ですが、放置することで状態が悪化することはあっても、改善することはありません。つまり、発症から時間がたてばたつほどリスクが高まるということですので、早めに相談しに来ていただきたいです。また近年、広島県内にとどまらず、日帰り手術のニーズが増えていることを実感しています。そうした状況に応えるためにも、これまでに培った医療情報を十分に活用して、スタッフ皆で協力して取り組んでいきたいです。
中島院長もお願いいたします。

【中島院長】当院では、鼠径ヘルニア手術に関する独自のデータベースを作成しています。例えば、合併症の発生数やその原因などをしっかり振り返るための記録です。数多くの手術を行うことでまれなケースもたくさん診ることになりますし、データを集めることでどういう方にどのようなことが起こり得るかを分析し、それらを未然に防ぐための方法を検討することができます。そのデータを生かし、患者さんに安心と安全をご提供できるクリニックをめざしています。少しでも気になることがありましたら、「気のせいかもしれない」と思われていても、まずは一度お気軽にご相談ください。病気の発見につながれば良いことだし、何もなくても悪いことではありませんからね。いつでも頼りにしていただけたらと思います。

