不安や苦痛にもしっかり配慮
専門家による胃・大腸の内視鏡検査
なかすじR内科・内視鏡クリニック
(宝塚市/中山寺駅)
最終更新日:2024/06/07


- 保険診療
自覚症状が少ない消化器疾患の早期発見に有用な内視鏡検査。多くの人に苦手意識がある検査だが、検査を受けなかったがために病状が進行し、取り返しがつかなくなることもあるという。「胃がんや大腸がんは命の危険がある病気ですが、早期であれば完治をめざすことも可能です。そのために必要なのが内視鏡検査です。病気の発見だけでなく、治療や予防のためにも受けてほしい検査です」と話すのは、「なかすじR内科・内視鏡クリニック」の李兆亮(り・ちょうりょう)院長。内視鏡の厳しいトレーニングと豊富な経験を積んできた李院長ならではの視点で、内視鏡検査について詳しく解説してもらった。
(取材日2024年5月8日)
目次
自覚症状の少ない消化器疾患の早期発見・治療・予防のためにも、積極的な内視鏡検査を
- Qこちらでは、胃と大腸、両方の内視鏡検査ができるそうですね。
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A
▲同日に検査を行うことにより、患者の負担を減らすことが可能
日本は世界一のがん大国であり、その中で胃がんや大腸がんは上位を占めます。実際、健診異常や胃腸症状から胃カメラと同時に大腸カメラの両方の検査が必要となる患者さんは少なくありません。一般的に胃カメラと大腸カメラの検査は別々の日に受けますが、その場合、検査のたびに絶食したり、時間をとられたりして患者さんの負担は大きくなってしまいます。また、絶食のたびに内服薬を中止しなければいけないのも患者さんにとってデメリットです。その点、同日胃・大腸内視鏡検査は検査が一回で終わるので、患者さんへの負担は半分に軽減し、働き世代などなかなか検査に時間が取れない患者さんにとって十分なメリットが見込めます。
- Qそれぞれの内視鏡検査で何がわかるのでしょうか?
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A
▲さまざまな疾患の診断に役立つ「内視鏡検査」
胃カメラは、胃がん、食道がん、胃ポリープ、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、慢性胃炎、機能性ディスペプシアなどの診断に役立ちます。大腸カメラは、大腸ポリープ、大腸がん、過敏性腸症候群(IBS)、痔、潰瘍性大腸炎、クローン病といった炎症性腸疾患の診断につながります。特に胃がんや大腸がんなどの消化器がんは自覚症状に乏しく、症状が現れた時には病状がかなり進行していることがほとんどです。私は勤務医時代、「もっと早く検査を受けていれば助かったかもしれない」と思う重症患者さんを多く見ました。後悔しないためにも、症状の有無に関わらず健診などで異常を指摘された場合は積極的に内視鏡検査を受けてほしいですね。
- Q内視鏡検査中のつらさや不安に対して、配慮しているそうですね。
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A
▲検査機器も年々進化しており、よりやわらかく小径になっている
「内視鏡検査はつらい検査」というイメージが先行していますが、現在は検査機器も進化しており、検査に伴う苦痛はかなり少なくなっています。例えば、麻酔を使うことで寝ている間に内視鏡検査を受けることが可能になりましたし、大腸カメラの前に飲む下剤もずいぶん飲みやすくなっています。また、当院では口からの胃カメラが苦手な方や、仕事があって麻酔が使えない方には鼻からの胃カメラを使うことで、検査に伴う苦痛の軽減に努めています。日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医として培ってきた経験と知識を生かし、お一人お一人に合わせた工夫をしながら検査を実施しますので、安心してお任せください。
- Q検査方法だけでなく、設備へのこだわりも魅力的ですね。
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A
▲リカバリースペースも完備。検査後もゆっくりと休むことができる
内視鏡は、小さな病変も見逃さないよう新鋭の機種を導入しました。また、大腸カメラ前の下剤は院内でも内服できるように、プライバシーに配慮した3つの個室を用意しました。個室にはそれぞれ専用のトイレを備えていますので、下剤を飲んでも安心して過ごしていただけると思います。また、お忙しい方や遠方にお住まいの方は、検査前の問診や検査結果の説明をオンライン診療でも受けつけています。
- Q検査は内視鏡専門の先生にお願いしたほうが良いのでしょうか?
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A
▲消化器内視鏡専門医の資格を持つ李院長
資格がなくても医師であれば内視鏡検査はできますが、これまで専門的なトレーニングで数多くの病変を目にした消化器内視鏡専門医だからこそ持ち得る診断や検査の技術があります。例えば、料理は誰にでもできますが、経験を積んだプロの料理は一味違うでしょう。ですので、緊急時でなければ、消化器内視鏡専門医が行う検査をお勧めしますし、少なくとも私自身が内視鏡検査を受けるときは消化器内視鏡専門医の先生にお願いしています。また、毎回同じ医師に検査をしてもらえば、これまでの経過と合わせてより精密な診断が期待できますし、心理的な負担も少ないでしょう。ぜひ心を許せる担当医を見つけてもらえたらと思います。