小玉 隆裕 院長の独自取材記事
スイカキッズクリニック
(千葉市美浜区/海浜幕張駅)
最終更新日:2024/06/21

JR京葉線海浜幕張駅より徒歩約7分。新興住宅地として人気のエリアにある幕張ベイタウンプラザ3階に小児科のクリニックがオープンした。その名も「スイカキッズクリニック」。院長の小玉隆裕先生は千葉市立海浜病院小児科の主任医長を勤めた、小児医療のスペシャリスト。幅広い診療を行う中でも、感染症を専門としている。クリニック内は明るいブルーを基調としており、バラエティーに富んでいるのに統一感のある壁紙と、スイカのモチーフが散りばめられたワクワクするような空間が特徴的だ。穏やかで優しく、子どもが大好きだという小玉院長から、開業までの経緯や小児医療に対する思い、今後の展望などを聞いた。
(取材日2024年6月1日)
「命に関わる仕事がしたい」と医師を志す
先生が医師を志したきっかけは何ですか?

父が獣医師だったんです。自宅で開業していたので、文字通り父の背中を見て育ちました。病気などでつらそうにしていた動物たちの診療にあたる父の姿を見て、「自分も命に関わる仕事がしたい」と思うようになりました。ちょうどその頃天才的な技術を持つ外科医師の漫画がはやっていた影響も大きいかもしれません。小学校の卒業アルバムに「将来の夢はお医者さんになること」と書き、そこからほとんどぶれることなく医師になりました。小児科を選択した理由は「子どもが好きだから」。こちらも迷いはありませんでしたね。
こちらに開院されるまでの経緯を教えてください。
千葉大学医学部を卒業後、関連病院の小児科や小児救急総合診療科で経験を積んできました。私は、影響を受けた漫画に出てくるような天才的な外科医師ではありません。どちらかというとその漫画に登場する「町のお医者さん」に憧れがあったのですが、当時は独立や開業についての具体的なビジョンはまだ持っていませんでした。そんな時、千葉市立海浜病院小児科の主任医長として勤務していた私に、先に開業していた大学時代の先輩から「うちの隣に小児科をオープンしないか」と声をかけられたのです。看護師をしていた妻も「町のお医者さんになりたいって言ってたじゃない。やってみたら?」と背中を押してくれて開業の運びとなりました。
クリニックのお名前も内装もかわいらしいですね。

クリニックの名前は、妻の「小玉といえばスイカでしょ」という鶴の一声で決まりました。特にスイカが好きというわけではなかったのですが(笑)。「スイカキッズクリニック」という響きは気に入っていますし、スイカのイラストって、なんだかワクワクして元気をくれますよね。当クリニックに来ていただくと、時計や診察室の番号など、至るところにスイカのモチーフを見つけられると思います。「スイカだー!」と大喜びする子や、待合室にあるスイカのクッションが気に入って、抱えたまま診察室に入ってくる子など、いろいろなリアクションがあってこちらも楽しいですね。
子どもだけでなく、保護者の不安にも寄り添う
どんなお子さん、どんなご相談が多いですか?

発熱や嘔吐など、いわゆる風邪症状での受診が一番多いですね。アトピー性皮膚炎や湿疹、便秘のご相談も多いですし、感染症やアレルギーのお子さんも増えています。お子さんが「頭を打った」「顔面をぶつけてしまった」などの外傷は、外科系のクリニックなどに行っても「小児は対応していません」と言われてしまうことが多いので、悩まれたら当クリニックにいらしてください。こちらでできることは対応しますし、さらに専門的な検査や処置が必要でしたら海浜病院などにおつなぎします。もともと海浜病院にいましたので、あちらに行けばどんな先生がいて何ができるかなどは把握しています。最初から救急車を呼んだほうが良いケースもあるとは思いますが、「大きな病院に行ったほうが良いのかわからない。どうしよう……」と悩んでしまう状態でしたら、まずはこちらに相談いただいて大丈夫です。
先生が、診察をする上で心がけていることを教えてください。
診察に来たお子さんにはできるだけ恐怖感を与えず、リラックスしてもらえたらと思っています。リラックスまでは難しくても、泣かせずに診察できればなあ、といつも考えていますね。あとは、お子さんを診るだけでなく、保護者の方の不安や疑問にも丁寧に応えられるよう心がけています。受診の原因となった病気やケガに関する質問はもちろんのこと「うちの子、まだ歩かないので心配です」とか「言葉が遅いような気がするんです」のような悩みも話していただけたら、可能な限りお答えします。私のアドバイスで、少しでも気が楽になって帰っていただけたら良いですね。説明する際は、なるべく専門用語は使わずにわかりやすい言葉でお伝えするようにしています。そうやって徐々に、地域の子育て世代の方々と信頼関係を構築していけたらうれしいですね。
小児医療の難しさを感じることは? そんな時どのように対応していますか?

シンプルに「泣いていると所見が取れない」ことです(笑)。触診時に泣くことから「ここが痛いのかもしれない」などと推測できることもありますが、例えば腹痛で受診されたお子さんがずっと泣いていると、おなかが張っているのか、泣いているから腹筋に力が入っているだけなのかわからなくて悩んでしまうケースもあるんですよね。ですから、泣いてしまって診察ができない場合には、看護師にバトンタッチしてもらうこともあります。そうすると泣き止むことはしょっちゅうあります(笑)。すべての面で適切なサポートをしてくれているので、看護師には頭が上がりません。予防接種の説明やスキンケアの指導など、それぞれがスペシャリストであり、全幅の信頼を寄せています。「うちの看護師は優秀です」と胸を張って言えますね。
一緒に子育てしていくつもりで地域医療に貢献したい
お休みの日はどう過ごしていますか?

家族で過ごすことが多いです。子どもが3人いるのですが、私自身がヒーロー物や戦隊物のオタクなので(笑)、子どもとも一緒に楽しんでいます。特に小学1年生の次男とは一緒にヒーローショーを見に行ったり、プラモデルを作ったりしています。先日は特撮の怪獣映画を観に行きました。まだ難しいかなとも思いましたが、子どもなりに理解しているものですね。中学1年生と小学5年生の長男・長女は学校や塾などで忙しそうなので、時々勉強を見てあげています。「頑張っているなあ」と思いますね。そういう意味では、私自身も子育て真っ最中です。
今後の展望を教えてください。
このまま自分の診療をきちんと続けていきたいです。臨床の腕を落とさずに、日々目の前のお子さんと向き合っていけたらと思います。現実的なところとしては、開院してまだ日が浅いこともあり、予約システムなどはまだ改善の余地があると感じていますので、試行錯誤しながらバージョンアップさせていく予定です。ゆくゆくは、食物アレルギー負荷試験などもこちらでできるようにしたいですね。今は、卵や小麦、牛乳アレルギーのお子さんが本当に多いですからね。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

子どもを育てるご両親や保護者の方にとって、お子さんの病気やケガ、不調などはとても不安だと思います。悩んだり、自分で調べてどうにかしようとする前に、まずはクリニックにいらしてください。私自身、一緒に悩んで、一緒に子育てしていくつもりで日々診療しておりますので、どんなことでも相談していただけたらと思います。病気やケガなどだけでなく、おねしょやダニアレルギーなどの場合もお力になれることがあると思いますので、「ちょっと話を聞いてみよう」くらいの気持ちで気軽に来てみてください。